1年のうちで花に関係する行事やイベントを紹介・4月から6月まで

1年のうちで花に関係する行事やイベントを紹介・1月から3月までに続いて、4月から6月にある行事で花に関係するものについてです。

花に関係する行事・イベント

前のページにも載せてある年間の行事とその日にちの一覧です。

イベント 日にち
正月 1月1日から3日
七草 1月7日
成人の日 1月第2月曜日
バレンタインデー 2月14日
雛祭り 3月3日
ホワイトデー 3月14日
春の彼岸(春分の日) 3月20日から21日頃のいずれか1日
イースター 春分後の最初の満月の後の最初に迎える日曜日
花まつり 4月8日
サンジョルディの日 4月23日
すずらんの日 5月1日
こどもの日 5月5日
母の日 5月第2日曜日
花の日 6月第2日曜日
父の日 6月第3日曜日
七夕 7月7日
お盆 8月13日から16日
重陽の節句 9月9日
敬老の日 9月第3月曜日
お月見 旧暦の8月15日
秋の彼岸 9月22日から23日頃のいずれか1日
ハロウィン 10月31日
七五三 11月15日
感謝祭 11月第4木曜日
クリスマス 12月24日・25日

それではひとつずつ簡単に説明していきましょう。



4月の行事

イースター(春分後の最初の満月の後に迎える最初の日曜日)

イースター

イースターは復活祭ともいい、キリストが処刑された後3日目に蘇ったことをお祝いする日です。

イースターは年によって日にちが異なりますので、3月のところに書こうか4月にしようか迷ったのですが、2020年から数年間のイースターの日にちを調べてみますと、4月の方が多かったので4月の行事として書くことにしました。2020年から2030年までのイースターの日にちは次のようになります。

  • 2020年:4月12日
  • 2021年:4月4日
  • 2022年:4月17日
  • 2023年:4月9日
  • 2024年:3月31日
  • 2025年:4月20日
  • 2026年:4月5日
  • 2027年:3月28日
  • 2028年:4月16日
  • 2029年:4月1日
  • 2030年:4月21日

このように年によって日にちが異なる理由は、イースターは「春分の日以後の満月より後にくる最初の日曜日」という条件になっているからです。

イースターといえばうさぎと卵ですが、うさぎは子沢山ということで豊穣を表し、卵は命の始まりを表しています。花では聖母マリアの花、純潔の象徴としてイースター・リリーが使われます。白百合ということから現在はテッポウユリを使います。

花まつり(4月8日)

花まつり

お釈迦のお誕生を祝う行事で4月8日に行われます。花まつりのほかにも降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、龍華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)ともいいます。

花まつりには小さなお堂の周りを花で飾った花御堂の中にお納めしたお釈迦様の像に甘茶を注ぎかけてお祝いしますが、この甘茶というのはユキノシタ科の落葉性の70~100cmほどの低木で、日本では中部山地に稀に自生しているヤマアジサイの変種です。この甘茶の葉を発酵させ乾燥すると茶葉ができます。

甘茶の花はガクアジサイに似ています。しかし葉を見るとガクアジサイの葉はうぶ毛はなく葉に艶があるのに対し、甘茶の葉はうぶ毛が生えていて艶がありません。甘茶と違ってガクアジサイは有毒なので間違えて食用にしないでください。

サンジョルディの日(4月23日)

サンジョルディの日

日本ではあまり知られていないサンジョルディの日ですが、元々はスペインのカタルーニャ地方の行事で、キリスト教の聖人の一人でドラゴンを退治したサン・ジョルディが殉教した日である4月23日を記念してバラの花を贈る日とされていました。

ドラコン退治について少しだけ…。

昔、スペインのカタルーニャ地方に怖いドラゴンが住んでいました。村人たちはドラゴンの怒りを鎮めるための生け贄として、毎年1人ずつ若い娘を差し出すことにしていたのです。そして王家の姫まで生け贄となってしまうことになります。ドラゴンが姫に襲い掛かろうとしたとき、サン・ジョルディーが現れドラゴンを倒しました。その時に流れたドラゴンの血から赤いバラの花が咲いたのだそうです。

20世紀になり、本を贈りあう習慣ができ、1995年にはユネスコ総会で4月23日を「世界 本の日」と制定し、現在に至っています。今でこそ本を贈る日になっていますが、元々はバラの花を贈る習慣でしたので、是非大切な人には本とともに赤いバラを贈っていただきたいと思います。



5月の行事

すずらんの日(5月1日)

すずらんの日

すずらんの日は「JOUR des MUGUETS(ジュール ドゥ ミュゲ)」といい、フランスで始まったイベントです。

すずらんは幸せの象徴や春を祝福する花として古くから大切にされてきました。フランスでは5月1日に愛する人や大切な人にすずらんを贈る習慣があり、贈られた人は幸運が訪れるといわれています。

すずらんの日が始まったのは1561年頃からです。 当時フランス王だったシャルル9世にすずらんが贈られ、花言葉が幸運をもたらしてくれる花だということ知ったシャルル9世は宮廷のご婦人たちに毎年贈ったことがきっかけです。そのあと庶民の間ですずらんを贈るようになったのは19世紀に入ってからだそうです。

フランスでは5月1日になると街の至る所ですずらんの花が販売されます。この日は花屋でなくてもすずらんの販売は可能です。しかし販売するには根がついていない切り花であることや、花屋から100メートル以上離れたところで販売をするという決まりがあります。

こどもの日(5月5日)

こどもの日

5月5日は五節句のひとつで端午(たんご)の節句ともいいます。ほかにも節句は1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重陽(ちょうよう)があります。

こどもの日に関係する花は柏と菖蒲です。

柏について

柏餅を包んであるのが柏の葉です。この柏餅の葉には緑色の葉と茶色の葉が使われています。

理由は昔の端午の節句は旧暦で祝っていたため柏は新緑を迎えて葉が緑色です。しかし明治時代、海外からの文化を取り入れ始めた日本は新暦になりました。新暦になると全ての年中行事が1ヶ月ほど前倒しになります。前倒しになった5月の始めの柏の葉は旧暦の頃に比べて約半分ほどの大きさまでしか育っておらず、柏餅を包むにはサイズ不足でした。

そこで困った柏餅屋さんは前の年に収穫して保存したのですが、蒸して殺菌したため柏の葉は茶色になってしまいました。それ以来柏餅の葉は茶色だったのですが、近年の加熱処理の方法と真空パックの技術により緑色のまま保存できるようになりました。しかし以前から慣れ親しんだのが茶色の葉だからという理由で、緑色の葉のほかに茶色の葉も使われているのだそうです。

柏の木は新芽が出るまで古い葉が残り、新芽が出てから落葉するため、子孫繁栄や家運隆盛を象徴する縁起の良い木といわれています。

菖蒲には花菖蒲と葉菖蒲があります。

花菖蒲について

花菖蒲(ハナショウブ)はアヤメやカキツバタと似ていますが、アヤメが花弁の根元の部分が黄色と紫色の網目状の模様になっていて山野の草原に生えているのに対し、カキツバタとハナショウブは湿地に自生しており、カキツバタは花弁の中心の部分に白い線が入り、ハナショウブは黄色い線が入っているので見分けがつきます。

葉菖蒲について

お風呂に入れる葉菖蒲は花菖蒲の葉ではありません。花菖蒲はアヤメ科アヤメ属ですが、葉菖蒲はサトイモ科ショウブ属で花も全く違います。菖蒲は昔から健康を保ち邪気を払うといわれています。

母の日(5月第2日曜日)

母の日

母の日はアメリカのウエストバージニア州に住んでいたアンナ・ジャービスさんという女性が亡くなった母の追悼のため、お母さんが好きだった白いカーネーションを配ったことが始まりです。

日本では1913年に青山学院で初めての母の日の礼拝が行なわれ、その後は青山学院の女性宣教師の働きかけにより母の日を知る人も出てきました。1937年、森永製菓と諸団体が中心となり、豊島園で「第1回・森永・母の日大会」を盛大に開催したのをきっかけに国内に広まっていきました。

母の日に贈るカーネーションは赤がメインで、ピンクやオレンジなど色のついたものを選んでください。特に赤いカーネーションには「母の愛」といった花言葉がありますので外せない色です。

白いカーネーションは清楚で美しいのですが、お亡くなりになったお母さんを偲ぶという意味がありますのでご注意ください。

母の日には切り花以外に鉢植えのカーネーションもたくさん販売されています。鉢植えのカーネーションは咲いたら終わりというのではなく、お手入れ次第で翌年もまたその翌年も咲いてくれますので、ガーデニング好きなお母さんにはお勧めです。



6月の行事

花の日(6月第2日曜日)

花の日

花の日はアメリカ合衆国に発祥するプロテスタント教会の行事で毎年6月第2日曜日に行われています。

米国などでは子どもの日 (Children’s Day)といい、子どもたちが花を持ち寄って教会堂を飾り付けて礼拝を行い、またその花を持って病人などを慰問します。

始まりは1856年、アメリカのマサチューセッツ州チュルシイ市にある教会のレオナルド牧師が6月のある日曜日を定めて少年少女のために特別のプログラムを作り、子ども中心の集会を行っていました。1866年になってアメリカのメソジスト教会が6月第2日曜日を子どもの日として定めました。

花の日という名称は一年中で一番花が多く咲く季節であったことから決まったようです。

このように花の日は宗教としての行事だったのですが…。

実は日本でも花の日というのがあります。6月の行事ではなく語呂合わせで8月7日です。こちらは宗教とは全く関係なく、山梨県小淵沢町(現:北杜市小淵沢町)の花パークフィオーレ小淵沢が制定したものです。

父の日(6月第3日曜日)

父の日

母の日のカーネーションに対して父の日はバラの花が定番です。最近は父の日には黄色いバラといわれていますが、以前は黄色ではなく白いバラでした。

父の日は母の日が始まって暫く経った頃、アメリカに住んでいたドット夫人が自身のお父さんの墓前に白いバラをお供えしたことが始まりといわれています。母の日があるのだから父の日も同じように作りたいと願ったドット夫人は、1909年6月19日に礼拝を行ない、1916年にはアメリカで父の日が認識されるようになり、1966年に大統領告示を発し父の日として定められた後、1972年に正式な国の記念日(祝日)として6月の第3日曜日に制定されました。

父の日が日本に伝わったのは1950年以降だといわれています。日本での父の日は1981年に設立された日本ファーザーズデイ委員会が開催していた父の日黄色いリボンキャンペーンが関わり、イメージカラーを黄色にしてしまったという経緯があります。

母の日のカーネーションと比べて父の日に花を贈ることは少ないと思いますが、ネクタイなどのファッションアイテムや、お酒などの嗜好品など、お父さんが好きな商品に花を添えてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

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