生物の分類階級、ドメイン・界・門・綱・目・科・属・種について

生物学・分類学において分類した階級をそれぞれ界、門、綱、目、科、属、種といい、これは18世紀にスウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネによって確立され、その後に体系化されました。

界、門、綱、目、科、属、種については植物の分類のことや学名や和名などについて簡単に書いてみましたのページでも書きましたが、もう少しだけ続けてみたいと思います。

図は界から種に向かって徐々に狭い範囲になっていく分類のイメージです。界は広い範囲を表し、種は分類階級の中で一番狭い最小のグループになります。

生物の分類

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界(kingdom)について

例えば私たち人間を界、門、綱、目、科、属、種に当てはめると、動物界、セキツイ動物門、哺乳綱、霊長目、ヒト科、ヒト属、ヒトになります。

人間の界は動物界になります。では動物界の他になにがあるかといいますと、植物界です。リンネは動物界と植物界のふたつがあるとして分類しました。それを二界説といいます。

その後、二界説は

  • 動物界、植物界、原生生物界に分類する三界説
  • 動物界、植物界、原生生物界、モネラ界に分類する四界説
  • 動物界、植物界、原生生物界、菌界、モネラ界に分類する五界説
  • 動物界、植物界、原生生物界、菌界、真正細菌界、古細菌界に分類する六界説
  • 動物界、植物界、菌界、原生動物界、アーケゾア界、クロミスタ界、真正細菌界、古細菌界に分類する八界説
  • 動物界、植物界、菌界、クロミスタ界、原生動物界、細菌界に分類する修正六界説

このように変わってきています。

リンネの二界説は1735年、修正六界説は1998年なので本当にずっと再編しているのですね。

しかしリンネの分類では動物界と植物界だったものが、近年の様々な発見や研究で原核生物内部の多様性が分かり、界よりも上の階級、ドメイン(domain)を設定することになりました。

ドメインは3つに分類され、真核生物ドメイン、細菌ドメイン、古細菌ドメインが位置付けられています。(3ドメイン説)私たち人間をドメインでいうと、真核生物ドメインになります。

門(phylum division)について

生物全体で約100の門に分類されており、動物学ではphylum、植物学ではdivisionといいます。また門の下に亜門を置く場合もあります。

植物の門は

  • 灰色植物門:淡水に棲む単細胞真核藻類
  • 紅色植物門:多細胞性であり沿岸岩礁域に生育する
  • 緑色植物門:クロロフィルa, b を持ち光合成を行う
  • コケ植物門:維管束を持たない地上性の植物
  • シダ植物門:維管束植物の中で小葉植物門を除いた花を咲かせない非種子植物
  • 小葉植物門:ヒカゲノカズラ植物門ともいい、シダ植物の中で古い体制を残す植物
  • 有節植物門:節と節間のはっきりした茎をもつ植物
  • ソテツ植物門:裸子植物に属する植物で、唯一の現存種はソテツ
  • イチョウ門:裸子植物に属する植物で、唯一の現存種はイチョウ
  • 球果植物門:裸子植物で種子がかさ状の構造に包まれているもの
  • 被子植物門:種子植物のうち花と呼ばれる生殖器官の特殊化が進み、胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まったもの

に分類されています。

この中で種子植物門は現在地球上でもっとも繁茂している植物群で、様々な形態のものがあります。

門や亜門に対する命名法は一般にあまり強く規制されておらず、優先権を必ずしも守る必要がなく、タイプの名前を元にして作る必要もありません。

綱(class)について

綱は門の下の階級になりますので、門の数より多くなります。

上の綱に当てはめますと下のようになります。

  • 灰色植物門:灰色藻綱
  • 紅色植物門:イデユコゴメ綱、ベニミドロ綱、オオイシソウ綱、チノリモ綱、ロデラ綱、ウシケノリ綱、真正紅藻綱
  • 緑色植物門:プラシノ藻綱、アオサ藻綱、トレボウクシア綱、緑藻綱
  • コケ植物門:蘚類綱、苔類綱、ツノゴケ綱
  • シダ植物門:ハナヤスリ綱、リュウビンタイ綱、薄嚢シダ綱、マツバラン綱
  • 小葉植物門:ヒゲノカズラ綱
  • 有節植物門:トクサ綱
  • ソテツ門:ソテツ綱
  • イチョウ門:イチョウ綱
  • 球果植物門:マツ綱
  • 被子植物門:双子葉植物綱、単子葉植物綱

やっと理科の教科書に出てくる双子葉植物だとか、単子葉植物という言葉がでてきました。

次は目になりますが、よく知られている球果植物門と被子植物門を中心に書いていきたいと思います。

目(order)について

目の前に亜綱に分類する場合があります。

基本的に球果植物門はマツ綱、マツ目の一綱一目で、スギやヒノキやマツ類といった、いわゆる針葉樹植物が含まれています。

被子植物門には双子葉植物綱、単子葉植物綱があり、双子葉植物綱の下の階級である亜綱にはモクレン亜綱、マンサク亜綱、ナデシコ亜綱、ビワモドキ亜綱、バラ亜綱、キク亜綱があります。また単子葉植物綱にはオモダカ亜綱、ヤシ亜綱、ツユクサ亜綱、ショウガ亜綱、ユリ亜綱があります。

そしてそれぞれの亜綱の下には目が多くありますが、ここでは双子葉植物綱をザックリと離弁花亜綱と合弁花亜綱、そして無弁花亜綱に分けてしまい、それに単子葉植物綱を加えて書くことにします。ただこの辺りになると目の数も多くなり全部は書けませんので簡単な特徴をお分かりいただければ良いかなと思います。

離弁花亜綱:花弁が一枚づつ離れていて合着していないもので、バラ目、ボタン目、スミレ目、ケシ目、サボテン目などがあります。

合弁花亜綱:花弁が合着して1枚となるもので、ツツジ目、サクラソウ目、リンドウ目、キキョウ目、ナス目などがあります。

無弁花亜綱:花弁がないか、あっても1~2枚で離れているもので、ヤナギ目やクルミ目などがあります。

単子葉植物綱:子葉が1枚の植物で、ユリ目、アヤメ目、イネ目、ラン目、ヤシ目などがあります。

このあたりまでくると聞いたことのある花の名前が出てきましたね。


科(family)について

科までくるととても分かりやすい話になります。しかし目でも書くのが面倒になるほどの数なので、科になるとさすがに書ききれません。どうしてもお知りになりたいときは生物学の教科書をお調べください。

さて科というと、ガーデニングをしようと思って苗を購入されたときにラベルに〇〇科と書かれているのを見たことのある人もいらっしゃるのではないでしょうか。例えばペチュニアにはナス科、パンジーにはスミレ科、コスモスにはキク科と書かれています。このナス科、スミレ科、キク科が界、門、綱、目、科、属、種の科の部分です。

属(genus)について

属というのは科の下の階級で、これも苗のラベルに〇〇科〇〇属と書かれているのをご覧になられたことがあるかもしれませんね。

先ほど書いたペチュニアはナス科ペチュニア属、パンジーはスミレ科スミレ属、コスモスはキク科コスモス属になります。

種(species)について

さあいよいよ種までやってきました。種は属の下の階級で生物分類上の基本になる単位です。ラテン語のspeciesより単数の場合は省略形としてsp. 複数の場合はspp.で書き表します。

種は人間でいえばヒト、バラでいえばノイバラやハマナスがそれに当たります。しかしバラには多くの種類がありますよね。私もバラが好きで何種類も育てていますが、様々な名前がついています。例えば私のお気に入りのバラ、ピエールドゥロンサールですが、この名前は種ではなく品種になります。

ここで科と属と種についてアヤメ科の花を使って説明してみます。

アヤメ科の花にはアヤメとカキツバタとハナショウブがあります。どれもよく似ていますよね。これは全部アヤメ科です。しかしアヤメ科の中にはサフランやクロッカス、グラジオラスも含まれています。これらは雄蕊が3本あるという共通点があり、雄蕊が6本のユリ科や雄蕊が多数あるバラ科とは異なっていますので区別が付きます。このように共通点のあるものの集まりは科ということになります。

しかしアヤメやカキツバタやハナショウブは似ていて区別は付きにくいけれど、グラジオラスとは誰が見ても異なるものだとわかりますよね。ここでアヤメとカキツバタとハナショウブはアヤメ属、グラジオラスはグラジオラス属に分かれます。そしてサフランやクロッカスもサフラン属で分かれることになります。

グラジオラス属やサフラン属と分かれたアヤメ属は、最後に種で分類されます。

乾いた所に咲き、外花被片に網目模様があるものをアヤメ、水中や湿った所に育ち外花被片に白い斑紋があるものをカキツバタ、湿った所に育ち外花被片に黄色い斑紋があるものがハナショウブです。これが分類階級の種ということになります。

なんだか分かるような分からないような面白味のない話になりましたが、少しだけでもお分かりいただけましたでしょうか。

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