春に道端で見かける植物・タンポポの種類とタンポポに似た花たち

道を歩いていると街路樹のまわりや歩道の縁石の隙間、舗装されている道の割れ目、電柱の下など、あちこちで小さな草花を見かけることがあります。アスファルトの隙間から草花が顔を覗かせていると、その力強さに驚かされます。

今回は道端に咲いている様々な草花の中で、とても身近にあってよく知っているタンポポとタンポポに似た花について書いてみたいと思います。

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タンポポについて

タンポポはキク科タンポポ属の総称で、名前の由来は諸説あって、綿毛が丸くなっている様子が綿を丸めて布で包んだ「たんぽ」に似ていることから名づけられたという説や、田んぼのあぜ道などによく生えていたことからという説もあるようです。

漢字では蒲公英と書きますが、中国では開花前のタンポポを摘み取ったのち乾燥させてできた漢方薬を蒲公英と書いて「ホコウエイ」と読むそうです。その字が日本にそのまま渡り、日本では当て字で蒲公英と書いてタンポポと読むようになりました。

英語ではdandelion(ダンデライオン)といいます。ダンデというのは、パスタのゆで方のアルデンテの「デンテ」と同じ「歯」という意味があり、タンポポのギザギザの葉がライオンの歯に見えることから付いたそうです。花の様子がたてがみに見えるからではないのです。

春になると花が咲き、そのあと綿毛を飛ばして…というイメージのタンポポですが、日本には大きく分けてニホンタンポポとセイヨウタンポポが生息しています。

タンポポ

ニホンタンポポ

ニホンタンポポは古くから日本に生息する在来種のタンポポです。

春に開花し、夏になると葉を落として地下部だけになり、秋になるとまた葉を出して翌年春の開花に向けて生長し始めます。

カンサイタンポポ、トウカイタンポポ、カントウタンポポ、エゾタンポポ、シナノタンポポなどいくつかの種類があり、交配交雑種を含むと20種類近くあるといわれています。

セイヨウタンポポ

セイヨウタンポポはヨーロッパ原産の帰化種のタンポポです。環境省指定の要注意外来生物、日本の侵略的外来種ワースト100にも入っています。

セイヨウタンポポはニホンタンポポと違い、春だけでなく1年中開花しますので、秋や冬にタンポポが咲いていると思ったらそれはセイヨウタンポポです。


ニホンタンポポとセイヨウタンポポの違い

春に咲くニホンタンポポ、1年中咲くセイヨウタンポポ、とても似ていますので区別が難しいように思いますが、一番見分けやすいのが総苞片(そうほうへん)です。

キク科の植物は花びらのように見えているひとつひとつが、全て小さな花でそれぞれに雄しべも雌しべも付いています。その小さな花が集まってできた一纏めの花の集合体を保護する苞葉(ほうよう)というものがあります。それを総苞片といいますが、ニホンタンポポとセイヨウタンポポでは少し異なっています。

ニホンタンポポの総苞片は閉じています。対してセイヨウタンポポの総苞片は反りかえっています。この部分を見ると区別が付きやすいと思います。

ニホンタンポポとセイヨウタンポポの違い

その他にも花が咲いた後に出来る種子はセイヨウタンポポの方が小さく軽く量が多く、たくさんの種子を遠くまで飛ばすことができます。そのため生息範囲が広がってしまっているのです。このような繁殖能力から侵略的外来種という位置付けになっているのでしょうね。

タンポポの交雑種について

ニホンタンポポは細胞内に染色体が2セットになっている2倍体で、2倍体タンポポは他家受粉による種子で増えていきますので、遺伝的には多様な子孫ができます。

他家受粉:花粉が別の個体または別の株の花の雌しべについたときに受精すること。

セイヨウタンポポは3倍体で、受粉によって増えるのではなく無融合生殖といって受粉せずに繁殖していく植物です。これをアポミクスといい、これによって繁殖した植物は遺伝的に親と同じになるクローンです。

受粉して種子を作るニホンタンポポと、受粉しなくても種子を作るセイヨウタンポポ、普通はニホンタンポポとセイヨウタンポポの交雑種ができるはずがないように思うのですが、現在日本に自生するタンポポの約8割はニホンタンポポとセイヨウタンポポの交雑種ともいわれています。

不思議なのは2倍体のニホンタンポポと3倍体のセイヨウタンポポは、どのようにして交雑種を生むのかですよね。

調べたところによりますと、3倍体のセイヨウタンポポの中には奇数倍数体のタンポポもあり、それらの中には花粉を形成するタンポポもあるようなのです。そのタンポポとニホンタンポポが受粉すると雑種のタンポポができるということのようです。

それにしてもセイヨウタンポポの繁殖力から考えると、日本中がセイヨウタンポポだらけになりそうですが、セイヨウタンポポはクローンでしか増えない為、急激ななにかの変化があると絶えてしまうことがあるようです。ニホンタンポポは花を咲かしたあと飛ばした種子は次の開花まで土の中にいるため、セイヨウタンポポのように絶えてしまう確率は少ないのだということです。

しかしニホンタンポポとセイヨウタンポポの交雑種は、純粋なニホンタンポポではないため、日本国内におけるニホンタンポポの数は減っているのが現状のようです。


白いタンポポ

関東地方から九州地方にかけて、特に西日本、その中でも中国地方に多く見られるのが、シロバナタンポポです。場所によってはタンポポといえば白い花というところもあるようです。

昔から日本に生息する在来種で開花は3~5月頃。

シロバナタンポポの他にも白い花のタンポポがあり、中国地方に多いとされるキビシロバナタンポポ、東北地方に見られるオクウスギタンポポがあります。

シロバナタンポポ

タンポポに似た花

道端でタンポポっぽいけれどなにか違うような?という花を見ることもあるかもしれません。

ブタナ

ブタナはキク科エゾコウゾリナ属の植物で漢字で豚菜と書きますが、これはフランス語でSalade de porc(豚のサラダ)といわれていたことに由来します。ヨーロッパ原産の外来種(帰化種)で、道路脇や空き地などどこにでも生息し、花が終わったあとタンポポと同じように綿毛ができ種子を飛ばします。

別名でタンポポモドキというくらい花も葉もタンポポに似ていますが、茎が50cmくらいあるため背の高いタンポポと思っている人もいらっしゃるかもしれません。

ブタナ

タンポポとの違いですが、タンポポは茎が葉の根元から出て先端に花を付けます。しかしブタナは茎が途中から分かれて、それぞれの先端に花を付けます。

ノゲシとオニノゲシ

タンポポに似た花を咲かせ、茎が長いけれど先ほどのブタナとは違うのはノゲシ(野芥子)やオニノゲシ(鬼野芥子)です。こちらもヨーロッパ原産の外来種(帰化種)で、タンポポやブタナと同じように綿毛から種子を飛ばします。

ノゲシもオニノゲシもキク科ノゲシ属で、名前の由来はケシの葉に似た葉をしていることから付けられました。

茎の長いブタナとの違いは、ブタナの茎はタンポポと同じように葉が付いていません。しかしノゲシやオニノゲシの茎には葉が付いています。

ノゲシとオニノゲシとの違いは、ノゲシにもオニノゲシにも葉に棘がありますが、ノゲシの棘は触っても柔らかくて痛くないのに対し、オニノゲシの棘は鋭く触ると痛いので区別が付きます。

ノゲシとオニノゲシ

ブタナもノゲシもオニノゲシも、どこにでも生えているので「少し変わったタンポポ」と思って見てしまっているかもしれませんが、別の植物ですので見かけたら判別してみてくださいね。

もうすぐ3月、人の多い所を避けつつ、かといって人が居なさ過ぎて危険な場所も避けつつ、散歩に出かけて気持ちは上向きにしながらも、たまに目線を下げてタンポポやタンポポに似た花を見つけてみましょう。

 

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