*この記事は2018年に書き、2023年夏にリライトしています。
何度か兵庫県佐用町の南光ひまわり畑に行ったことがあります。佐用町のひまわり畑はいくつかの地区に分かれており、早い地区だと7月上旬頃から、遅い地区だと8月下旬あたりまでが見頃で、たくさんのひまわりが同じ方向を向いて咲く圧巻の景色を楽しむことができます。
自分自身が小学生の頃、あるいは子供さんが小学生の頃に学校でひまわりの種まきをして夏休み前に持って帰ったという記憶がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。朝顔と並んでひまわりは小学校で育てる花の定番じゃないかなと記憶しています。
小学生が育てるのに適しているのでガーデニングとしてはとても簡単な植物です。
それでは種まきの手順から書いていきたいと思います。
ひまわりの種と種まきについて
ひまわりの種まきの適温は20℃から25℃なので4月下旬から6月が撒き頃です。しかし寒冷地の場合は5月以降が安心です。
種まきは最初に小さなビニールポットに種を蒔き、本葉が5~6枚ぐらい出たら鉢や花壇に植え替えてもいいですし、直まきでも問題ありません。
ビニールポットの場合は土を入れたポットひとつに対して2~3粒ずつ種を蒔きます。
直まきの場合は背が高くなる高性種は30cmから50cm間隔に、それより低い花壇用などの矮性種の場合は20cm~30cm間隔くらいで2~3粒ずつ種を蒔きます。
ビニールポットの場合も直まきの場合も、種の上に1cm程度の覆土をしてください。ひまわりの種は嫌光性のため光が当たると発芽しないことがありますので、しっかりと覆土しましょう。
2~3粒蒔く理由は全てが発芽するとも限らず、発芽したとしても元気なものばかりではないことがありますので、元気のない苗を間引くので予備のためと思ってください。
ここで私が2017年に兵庫県佐用町の南光ひまわり畑で頂いたひまわりの種を見てみましょう。
プラモデルのパーツのようなメタリックブルーです。最初見たときに驚く人も多いようですが、これはあえて種を青くしてあります。
ひまわりの種が青い理由
自分で種を採ったことのある人にとって種は青色ではありません。ハムスターに与えるひまわりの種も当然ですが青色ではないです。
これは販売されている種に限っての着色です。
青いからとビックリして捨ててしまわないでください。普通のひまわりの種です。
種まき後から開花までの育て方
種を蒔いた後は1週間ほどで発芽します。どうしても花や葉が出ていないと水やりを忘れてしまいがちですが、発芽までの期間は水が切れないように注意して下さい。本葉が出たら日のよく当たる場所に置いて水やりをしましょう。
本葉が3~4枚になったら、元気のある株を残して間引きます。
花壇などの直植えの場合はそのままでいいのですが、ポットで育てている場合は本葉が5枚くらい出たら根鉢を崩さないようにして大きめの鉢や花壇に植え替えてください。
鉢植えにする時は出来るだけ深さのあるものを使いましょう。
水やりについて
発芽したあとから開花するまでは土が乾燥しないように気を付けます。成長期が夏ということもあって鉢植えの場合は朝夕の水やりが必要になると思います。
地植えの場合は基本的に水やりの必要はありませんが、種や苗を植え付けてすぐの期間は土が乾燥しないように水を与えてください。また晴天で暑い日が続くときは地植えでも水やりは必要です。
特に暑くなってくると土の乾燥に気をつけます。水切れを起こすと下葉が落ちますので、乾燥しすぎる場合は藁などを使って土の表面を覆うといいでしょう。
肥料について
植え付ける際に元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込みます。また追肥として1週間に1度くらいの割合で液体肥料を与えて下さい。
地植えの場合は鉢植えより控えめにしたほうがいいようです。
花の後は来年のために種の収穫
花が終わると種を取ります。
種が完熟するまで花を切り取らないでそのままでもいいのですが、その間に種がこぼれたり鳥に食べられたりしますので、切り取って乾燥させるほうがいいと思います。
種を取ってからでも、まだ乾燥が不十分だと思ったらもうしばらく乾燥させてください。乾燥が足りなかったらカビが生えます。
取った種は密閉容器に入れて、雨の当たらないところで保管しましょう。冷暗所がおすすめです。
ところでひまわりっていつも太陽を向いていると言われていますがなぜでしょう?
ひまわりが太陽を向いている理由
ひまわりは漢字で日に向かう葵で向日葵と書きます。
植物にアオイというものがあります。よくご存じの「徳川家の葵の御紋」ですが、あの紋は三つ葉葵といってアオイの葉をデザイン化したものです。よく見かけるものにタチアオイがありますが、花は下の写真のようにひまわりとは似ていません。
それもそのはずでアオイはアオイ科、ひまわりはキク科です。
葵という漢字は会意形声文字として、「四方に向いて花が咲く」という意味があります。ひまわりは太陽を求め四方に向いて咲くといわれていますが、本当に太陽に合わせて一日でくるくる花の向きが変わるのでしょうか?
ひまわりの花の向き
ひまわりは成長過程で太陽を追いかけ日中に東から西に花の向きを変えます。これは日の当たる側と当たらない側があった場合、オーキシンという植物ホルモンが日の当たらない側に作用して成長を促すためです。
ところが成長しきったひまわりは基本的に東を向いたままで固定されてしまいます。ではなぜ西向きや南向きじゃなく東向きで咲くのでしょうか?
理由としては次のようなものがあります。
- 実をつけるのに朝日の昇る東向きのほうが温度の調節がしやすい。
- 夜露や朝露を少なくして、受粉に良い環境を作るため。
- 同じく夜露などの湿気から病原菌やカビを防ぐため。
などが理由のようです。
追記:自宅で育てているひまわりの生育状態
兵庫県佐用町の南光ひまわり畑でいただいたひまわりの種を5月5日に蒔きました。あのメタリックブルーの種です。
2018年6月1日
種を植えて約10日程で双葉が出てきたあと、すくすくと成長してくれています。
今は1週間に一度の割合で液体肥料を与えています。どのくらい背が高くなるのでしょうか。
2018年7月1日
1ヶ月の間にどんどん伸びて、今は高さが150cm近くになりました。1ヶ月前はまだ20cmくらいだったのに凄い成長です。ずっと葉ばかりだったのですが蕾が付いてきました。あとは開花が楽しみです。
下からも撮ってみました。青空にひまわりが伸びていくって感じです。
2018年7月11日
ひまわりが開花しました。上の写真は今朝撮ったものです。青空とひまわりの黄色のコントラストが綺麗です!高さも身長が160cmの私より高くなりました。
ひまわりの向いている方向はやはり東ですが、何本もあるうちの1本だけ我が道を行くかの如く南を向いている花があります。
最初にも書きましたが、ひまわりはガーデニング初心者の人にも簡単なのでお勧めしやすい夏の花です。それでいて夏らしさを十分に感じることができますので機会があれば育ててみてくださいね。