昨年の夏、兵庫県佐用町の南光ひまわり畑に行ってきました。数年前にも一度行ったので、昨年が2度目です。
こちらのひまわり畑は毎年7月上旬から8月上旬あたりまでが見頃となり、同じ方向を向いて花が咲き誇った圧巻の景色を見る事ができます。
夏に元気いっぱいに花を咲かせるひまわりは、葉桜が美しくなり躑躅(ツツジ)の咲く頃からが、種まきに適した季節になります。
もしかすると自分自身が小学生の頃、あるいは子供さんが小学生の頃、学校でひまわりの種まきをして夏休み前に持って帰ったという記憶がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。朝顔あるいはひまわりは、小学校で育てる花の定番じゃないかなと記憶しています。
小学生が育てるのに適しているので、ガーデニングとしてはとても簡単な植物です。
それでは種まきの手順から書いていきたいと思います。
ひまわりの種と種まきについて
ひまわりの種まきに適した気温は20℃から25℃で、4月下旬から7月が種まきのシーズンです。しかし寒冷地の場合は、5月以降をお勧めします。
一旦ビニールポットに種を蒔いてから鉢や花壇に植えかえても良いですし、面倒だと思ったなら直まきでも問題ありません。
ビニールポットの場合は、土を入れたポットひとつに対して2~3粒ずつ種を蒔きます。
直まきの場合は、ひまわりの背が高くなる高性種は30cmから50cm間隔に、それより低い花壇用などの矮性種の場合は20cm~30cm間隔くらいに、2~3粒ずつ種を蒔きます。
ビニールポットの場合も直まきの場合も、種の上に1cm程度の覆土をしてください。
なぜひと粒ずつ蒔くのではなく2~3粒なのかということですが、全てが発芽するとも限らず、発芽したとしても元気なものばかりではない場合、元気のない苗を間引くので予備のためと思っていただければ良いかなと思います。
さてここで私が昨年、兵庫県佐用町の南光ひまわり畑で頂いたひまわりの種を見てみましょう。
青い!それもメタリック系!
そうなんです。種が青いのです。
最初見たときに、ビックリする人も多いのですが、種を青くしてあります。
自分の知っているひまわりの種の色じゃない、これは腐っているのじゃないかと思われる人もいらっしゃるようですね。
ひまわりの種が青い理由
勿論、昨年自分で種を採ったという人は、種は青ではありません。ハムスターに与えるひまわりの種も当然ですが青ではないですよね。
これは販売されている種に限っての色なのです。
発芽する時に病気になりやすい種に殺菌剤が塗られています。殺菌剤は口に入れるとダメなので、間違って食べないようにするために着色してあるのです。
青いからとビックリして捨てないようにしてくださいね。普通のひまわりの種です。
種まき後から開花までの育て方
種を蒔いた後は1週間ほどで発芽します。どうしても花や葉が出ていないと水を忘れてしまいがちですが、発芽までの期間は水が切れないように注意して下さい。
本葉が出たら日のよく当たる場所に置いて水やりをし、1週間に1度程度の割合で液体肥料を与えます。
本葉が3~4枚になったら、元気のある苗を残して間引きます。
花壇などの直植えの場合はそのままでいいのですが、ポットで育ててこられた場合は、根がしっかりしてきたら大きめの鉢や花壇に植え替えて下さい。鉢に植える場合は、出来るだけ深さのあるものに植えると良いですね。
梅雨明けから真夏に注意すること
暑くなってくると土の乾燥に気をつけます。水切れを起こすと下葉が落ちますので、乾燥しすぎる場合は藁で土の表面を覆うと良いでしょう。
また1週間に1度くらいの割合で、液体肥料を与えて下さい。
花の後は来年のために種の収穫
花が終わると種を取ります。
ひまわりは枯れ始めてくると頭が垂れてきます。垂れてきてから1ヶ月程そのままにしておき、そのあと花の部分を切り取り、風通しの良い場所に置いて乾燥させてから種を取ります。
種が完熟するまで花を切り取らず、そのままでもいいのですが、その間に種がこぼれたり鳥に食べられたりしますので、切り取って乾燥させるほうが良いと思います。
種を取ってから、まだ乾燥が不十分だった場合、カビが生えますので、もう一度、種を乾燥させてから保存します。
保存はビニール袋か缶に入れて、雨の当たらないところに置きます。
これでまた翌年も種を植えることができますね。
さて、ひまわりっていつも太陽を向いていますよね。それってなぜでしょう?
ひまわりが太陽を向いている理由
ひまわりは漢字で向日葵と書きます。日に向かう葵なんですね。
葵って付くから葵に似ているのかというとそうではなく、葵という花ではなく葵という漢字には会意形声文字として、四方に向いて花が咲くという意味があります。
それと同じでひまわりは太陽を求め四方に向いて咲きますが、本当に一日でくるくる花の向きが変わるのでしょうか?
実は成長過程でひまわりは、太陽を追いかけ日中に東から西に花の向きを変えます。これは日の当たる側と当たらない側があった場合、オーキシンという植物ホルモンが日の当たらない側に作用して成長を促すためです。
ところが成長しきったひまわりは、基本的に東を向いたままで固定されてしまいます。
ひまわりが東向きで固定するってホント?
西向きや南向きじゃなく、なぜ東向きで咲くのでしょうか?
理由としては
- 実をつけるのに朝日の昇る東向きが温度の調節がしやすい。
- 夜露や朝露を少なくして、受粉に良い環境を作るため。
- 同じく夜露などの湿気から病原菌やカビを防ぐ為。
ということがあるようです。
最初にも書きましたが、ひまわりはガーデニング初心者の人にも簡単なのでお勧めしやすい夏の花です。それでいて夏らしさを十分に感じることができます。
暖かくなってきたなと感じたら、夏のガーデニングの準備を考えてみてはいかがでしょうか。
追記:自宅で育てているひまわりの生育状態
5月5日に、兵庫県佐用町の南光ひまわり畑でいただいたひまわりの種を蒔きました。あのメタリックブルーの種です。
2018年6月1日
種を植えて約10日程で双葉が出てきたあとすくすくと成長してくれています。
今は1週間に一度、液体肥料を与えています。どのくらい背が高くなるのでしょうか。
2018年7月1日
1ヶ月の間にどんどん伸びて、今は高さが150cm近くになりました。1ヶ月前は、まだ20cmくらいだったのに凄い成長です。ずっと葉ばかりだったのですが、蕾が付いてきました。あとは開花が楽しみです。
下からも撮ってみました。青空にひまわりが伸びていくって感じです。
2018年7月11日
ひまわりが開花しました。上の写真は今朝撮ったものです。青空とひまわりの黄色のコントラストが綺麗です!
高さも身長が160cmの私より高くなりました。
ひまわりの向いている方向はやはり東ですが、何本もあるうちの1本だけ我が道を行くかの如く南を向いている花があります。
ご近所でもあちこちでひまわりが咲いています。夏本番ですね。