春を感じさせる花は桜だけじゃなく木瓜(ボケ)の花も綺麗で見頃

春の訪れを知らせてくれる花といえば桜を思い浮かべますが、木瓜の花も早春から綺麗な花を咲かせてくれます。

元々は「モケ」だとか「モッケ」「ボックワ」などと呼ばれていましたが、果実が瓜に似ているということで木瓜(ボケ)と名前が付きました。

木瓜について

木瓜は紅色やピンク、白や絞りの花を咲かせるバラ科ボケ属の落葉低木です。中国原産で平安時代に日本に渡来し、盛んに品種改良が行われた結果、現在では200を超える品種があるようです。

一般的に早春から咲きはじめる木瓜の花ですが、11月頃から咲いたり四季咲きの品種もあります。また最近ではヨーロッパで品種改良が盛んに行われていて、大輪の木瓜が日本に逆輸入されています。

ボケ属には木瓜(ボケ)、草木瓜(クサボケ)、真木瓜(マボケ)の3種類があります。

  • 木瓜:樹高は2~3mで枝の棘はあまり目立ちません。
  • 草木瓜:日本固有種で木瓜ほど樹高は高くなく枝が横に広がり、枝には棘がたくさんあります。
  • 真木瓜:樹高は2~6m程度になり枝に硬い棘があります。

木瓜の花



木瓜の育て方

環境や置き場所

  • 地植えは日当たりが良い場所であれば乾燥しやすい土だけは避けたほうが賢明ですが、土質を選ばずに育てることができます。
  • 鉢植えの場合、通常は日当たりの良い屋外で育て、真夏だけ半日陰に置くようにしましょう。

水やりと肥料

地植え

地植えは降雨だけで大丈夫ですので、特に水やりの必要はありません。

肥料は1月~2月に寒肥として緩効性肥料を与えます。この時期は木が休眠していますが、肥料を与えて春の成長期に備えましょう。

鉢植え

鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと水を与えます。土を乾燥させすぎてしまうと枯れることがありますので、夏に水切れしないように気をつけてください。また落葉期は水を控えめにしましょう。

鉢植えの場合の肥料は花が終わった4月~5月頃に緩効性肥料をお礼肥えとして与え、夏が終わった9月頃に追肥として同じく緩効性肥料を与えます。

植えつけや植え替え

植えつけは9月~11月頃が適期です。

  • 地植えにする時は根鉢の2倍ほどの植え穴を掘り、苗木を置いて土を被せます。
  • 鉢植えは腐葉土や川砂を混ぜた用土に植えます。また根詰まりを起こしてしまわないように最低でも2年に一度は植え替えてください。

増やし方

増やし方は秋に収穫した種か挿し木でできます。

  • 種から増やしたいときは、実が熟すまで待って収穫して種を取り出します。果肉を綺麗に洗い流してから土に植えてください。
  • 挿し木をする時は枝の先を10cm程の場所で切り、水に浸けます。2時間ほどそのままにしてから挿し木用土に挿し、発根するまで日陰で育てます。水切れに注意し、発根を確認し地上部も生長してきたら徐々に鉢を大きくしながら育てましょう。

木瓜の実は食用

木瓜の実

木瓜は春に花を咲かせたあと、7月から9月頃にカリンに似た実をつけます。この実は苦味や酸味が強く、そのまま生で食べることはできませんので、ジャムや果実酒に加工して食用にします。

  • ジャムは実を茹でたあと皮をむき、種を取り除き裏ごしをしたあと、イチゴジャムの作り方と同じように砂糖と果肉を馴染ませつつ、煮詰めていくと出来上がります。
  • 果実酒は実を洗ったあと水分をよく拭き取り、ホワイトリカーで消毒した広口瓶の中に実とホワイトリカーと氷砂糖を入れて密封し、暗くて涼しい場所に保存しておくと半年から1年で飲めるようになります。

木瓜は原産地の中国では「どの花よりも先に春の香りを放っている花」という意味の「放春花(ファンチェンファ)」と呼ばれています。

早春に咲く花、秋の実、どちらの木瓜もお楽しみください。

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