春といえば桜を思い浮かべると思いますが、桜以外にもいろいろな花が咲く季節です。
いろいろな花が咲く中で、桜に負けじと木瓜の花も綺麗に咲いています。
元は「モケ」だとか「モッケ」「ボックワ」などと呼ばれていましたが、その後に実が瓜に似ているということで木瓜(ボケ)と名前が付きました。
木瓜は庭木のほか盆栽としても鑑賞される落葉低木
木瓜は桜と同じバラ科で、紅色だけでなくピンクや白や絞りの花が咲く落葉低木です。
平安時代の初期には既にあった花ですが、明治時代までは園芸に使われることもあまりなく、大正時代にようやく栽培されるようになり、昭和になってから品種改良を行なうようになったとされています。
今では200を超える品種があるようです。
木瓜には草木瓜(クサボケ)、真木瓜(マボケ)、そして木瓜という3種類があり、草木瓜は日本固有のものです。
草木瓜の高さは30cm~1m程度であまり上に伸びず、枝が横に広がり、枝には棘がたくさんあります。
真木瓜の高さは2~6m程度で、枝に硬い棘があります。
木瓜の高さは2~3mで、枝の棘はあまり目立ちません。
木瓜の育て方
木瓜は庭木として植えられる場合、日当たりが良い場所であれば、乾燥しやすい土だけは避けたほうが賢明ですが、土質を選ばずに育てることができます。
鉢植えの場合、通常は日当たりの良い屋外で育てて、開花したときだけ鑑賞するために室内に入れてあげるのが良いでしょう。
鉢植えでは土を乾燥させすぎてしまうと枯れてしまうことがありますので、夏に水切れしないように気をつけてください。落葉期の水やりは控えめでも大丈夫です。また根詰まりを起こしてしまわないように最低でも2年に一度は植え替えてください。
肥料は地植えの場合は、1月2月は固形油粕などを与えます。鉢植えの場合は、開花後と6月と9月に固形油粕や緩効性の化成肥料を与えましょう。
増やし方は秋に収穫した実の中の種からか、挿し木でできます。
木瓜の実は食用
木瓜は春に花を咲かせた後、7月から9月頃に実をつけます。
この実はジャムや果実酒にできます。
ジャムは実を茹でたあと皮をむき、種を取り除き裏ごしをします。
あとはイチゴジャムの作り方と同じように砂糖と果肉を馴染ませつつ、煮詰めていくと出来上がります。
果実酒は実を洗ったあと水分をよく拭き取り、ホワイトリカーで消毒した広口瓶の中に実とホワイトリカーと氷砂糖を入れて密封し、暗くて涼しい場所に保存しておくと半年から1年で飲めるようになります。
短期で飲みたい場合は、実を適当な大きさにカットしてから漬けると早いようですが、濁りが生じてしまいますので、美しい果実酒をと思われたならカットせずに丸ごと漬け込むのが良いでしょう。
春は桜も美しいですが、木瓜の花も観賞して下さいね。