私の住んでいる所は大阪ではありますが、ヒメボタルの生息地があります。
ゲンジボタルやヘイケボタルに比べると、ヒメボタルの体はひとまわり小さいようで、光り方もフラッシュのように短い間隔で発光しています。毎年5月から6月頃の楽しみのひとつです。
さて、皆様はホタルブクロという花をご存知でしょうか?今回は蛍に因んで、ホタルブクロのお話をしたいと思います。
ホタルブクロの植え付けの時期や植え方
ホタルブクロはキキョウ科の多年草で、5月の末あたりから夏の前半にかけて各地で見ることができる山野草です。花は釣鐘型をしていて、たくさん咲かせます。
ガーデニング初心者の人でも、育てやすい部類の花になります。宿根ということもあり、地下茎を伸ばして増えていくので、鉢に植えるよりできれば地植えをお勧めします。
ホタルブクロの苗は2~3月位に植え付けます。
水やりは鉢植えの場合、土の表面が乾いてきたら十分に与えてください。地植えの場合は、よほど乾燥しない限りは基本的に雨水のみで問題ありません。
4月からの生育期は液体肥料を月に2~3回与えてあげると、6月あたりから花を咲かせてくれます。
地植えの場合はそのままでいいのですが、もし鉢植えにした場合は1~2年に一度は今より大きな鉢に植え替えるようにしてください。
その際に株分けをするのもいいですよ。
冬になると地上部は枯れますが、春になると芽が出てきますので、乾燥させすぎない程度の水やりは必要です。
というようにさらっと育て方を書きましたが、それだけ簡単に育てることができる花だと思っていただければ良いかなと思います。
ホタルブクロとカンパニュラの違い
ホタルブクロに似ていて、花屋で切り花として販売されている花にカンパニュラがあります。しかしカンパニュラは地中海原産のものですが、ホタルブクロは日本に自生している花です。
カンパニュラとホタルブクロの咲き方の違いは、ホタルブクロが下を向いて咲くのに対し、カンパニュラは上向きに咲いています。
実はカンパニュラには300を超えるほどの種類があり、ホタルブクロもカンパニュラの中の1種類なんです。300種の中で有名なものの1番目は、カンパニュラ・メディウムで切り花として販売されている花です。
あとベルフラワーもよく知られているのではないでしょうか。
ホタルブクロと蛍の関係
ホタルブクロの名前の由来は蛍と関係があります。ちょうどホタルブクロの咲く時期は、蛍が飛び交う時期と同じということがひとつです。
それと昔、子供たちがホタルブクロの中に蛍を入れて遊んでいたということから名前が付いたともいわれています。花の中に蛍を入れることで、まるで提灯のようにしていたのでしょうね。ですからホタルブクロは、蛍袋とも火垂る袋とも書くそうです。
もしお近くにホタルブクロの花が咲いていて、蛍が飛んでいる環境の所にお住まいであれば、蛍の入ったホタルブクロに挑戦してみてください。
写真でしか見たことがありませんが、とても幻想的でした。
ホタルブクロの話の最後に…
旅人に 雨降り花の 咲きにけり
小林一茶が江戸からの途中、長野県の正見寺で雨の中詠んだ俳句です。
雨降り花というのは紫陽花とも思われがちですが、これはホタルブクロを見て詠んだものだそうです。
梅雨の季節にひっそりと咲いているホタルブクロ、風流を感じさせてくれますね。