誰もが知っている春に咲く可愛い花といえばチューリップです。
チューリップは秋に球根を植えて育てる楽しみ方もありますが、春になると切り花でもいろいろな品種のものが販売されます。
チューリップについて
チューリップはユリ科チューリップ属の球根植物です。チューリップといえばオランダを思い浮かべてしまいますが、原産地はオランダではなくトルコで、イスタンブールでは毎年4月になるとチューリップ祭りが開催されます。トルコからオランダに伝わったのは16世紀頃です。
日本に伝わったのは19世紀の中頃で、本格的な栽培は大正時代に入ってから新潟県と富山県で始まりました。和名で鬱金香(うっこんこう)といいます。
チューリップの咲き方
プランターや庭植え、そして切り花のチューリップを見ると色はもちろんですが、咲き方もいろいろあります。
- 一重咲き:誰もが知っていて頭に浮かぶチューリップといえばこの一重咲き
- 八重咲き:一重咲きよりボリュームがあって可愛い花
- ユリ咲き:花弁の先が尖っていてエレガントなイメージ
- フリンジ咲き:花弁の先がギザギザとしていておしゃれな感じ
- パロット咲き:オウム(parrot)の巻き毛のようなフリルが入った花弁
- クラウン咲き:その名のとおり、王冠のような咲き方
チューリップは最盛期には約8000種ほどあるといわれていました。現在の品種リストには5000種を超える品種が登録されており、そのうち約1000品種が世界中で育てられているようです。
切り花のチューリップが伸びて曲がる
お店で切り花のチューリップを買ってきて花瓶に生けて楽しんでいたら、日ごとに茎が伸びて曲がってしまい花が下を向いてしまうことがあります。
枯れ始めたのかなとか、古い花を買ってしまったのかなと思われるかもしれませんが、そうではありません。チューリップは切り花にしても成長する花のため、生けている間にも背が高くなります。そのため品種によって茎が真っ直ぐ伸びるものや、曲がって花が下を向いてしまうものがあるのです。
切り花になっても成長するチューリップにとっては、茎が伸びたり曲がったりすることは自然なことなのです。
チューリップが伸びて曲がってしまう時の対処法
チューリップが伸びて曲がってほしくない時の対処法としては次の方法があります。
- 購入する時に茎の短いものを選ぶ
- 曲がりにくい品種を選ぶ
- 蕾のチューリップを買う
- 花に対して背の高い花瓶に生ける
- 室温の高い場所には飾らない
- 伸びたら切る
例えば、クリスマスシリーズ(クリスマスマーベルやクリスマスドリームなど)は比較的茎が伸びにくく曲がりにくい品種です。伸びるチューリップの場合は、曲がる位置より高さのある花瓶で曲がらないように支えてあげるのもひとつの方法です。あとは伸びたら伸びた分の茎を切るようにして高さを整えてください。
また室温は高いと成長が早くなりますので、暖かすぎる場所を避け、25℃以下になる場所に飾ってください。購入する時は蕾のものを選ぶようにしましょう。
曲がったチューリップを真っ直ぐにしたい
曲がったチューリップを真っ直ぐにしたい時は、切り戻しをした花を纏めて新聞紙を巻き付けてから深めに水を入れた花瓶やバケツに真っ直ぐに入れて2~3時間そのままで置いてください。
ただ蕾や咲き始めの場合は真っ直ぐに戻しやすいですが、花が開いてしまったチューリップは、上のようにしても一旦は真っ直ぐになるかもしれませんが、また曲がってしまいます。
チューリップならではの裏技
チューリップの花が長持ちする方法があります。用意するものは針です。その針を使って花と茎の境目を刺します。そうすると成長が止まり茎の伸びが抑えられ、花も開きにくくなり長持ちします。
とても不思議なのですが、これはエチレンという物質が関係しています。エチレンは花、野菜、果物などに含まれる植物の成長を促す物質です。針を刺すことでエチレンの働きを抑制してくれるらしくチューリップの花持ちが良くなります。お試しくださいね。
いろいろな方法をやって真っ直ぐにしようとしてもダメだった場合は…
曲がったままの動きを楽しむ
真っ直ぐにしようとしても曲がったままだった場合は、曲がり具合を楽しんでみましょう。なにをしても曲がるチューリップは曲がってしまう品種なのです。
先ほどは曲がるのを防止するために背の高い花瓶に生けて飾ると書きましたが、曲がったチューリップを楽しまれるのであれば、逆に背の低い花瓶に生けてみるのもいいかもしれません。特にたっぷりと沢山の本数を生ける時は、片側だけに流してみたり両側に流れるようにしてみたりと、花の流れを意識して生けると面白いと思います。
バラやカーネーションなどの花は一年を通して販売されています。しかしチューリップは12月頃から3月末くらいまでしかお店で見ることができません。
色や種類も豊富にありますので、お部屋に飾って春を感じてください。