春の花粉の代表といえばスギやヒノキですが、それ以外にも花粉症の原因になる植物があります。そしてそれはスギやヒノキより長期間に渡って花粉症の原因になることも多いようです。
イネ科と花粉症
イネ科花粉症はヨーロッパに多く、ブタクサ花粉症はアメリカに多く、日本はスギ花粉症が多いです。
日本に多いこともあってスギ花粉症は春になると悩まされているという声もよく聞きます。ブタクサ花粉症やイネ科花粉症はヨーロッパやアメリカに多いといえども、日本にもブタクサもイネ科植物もあるのでスギやヒノキが終わったから花粉症の症状は終了~♪というわけにはいきません。
ブタクサは夏の終わりから秋にかけて症状が出ますし、イネ科花粉症は3月頃から10月頃までと非常に症状が出ている期間が長いことから、それぞれに対してのアレルギーがある人はスギやヒノキよりも厄介な花粉症かもしれません。
イネ科について
イネ科はイネ(稲)やムギ、トウモロコシのような食用になるものや、タケ、ササ、ススキのような植物も含んでいて、約700属8000種が属する被子植物単子葉類の大きな科です。
イネ科の植物が花粉症を引き起こす
イネ科の中に花粉症を引き起こす植物があります。イネ科だから稲(お米)と思ってしまいがちですが、お米の稲はあまり花粉症の原因にはならないようです。もちろん全くのゼロではないようですがイネ科花粉症の原因としては主ではありません。
ただ稲によるアレルギーというのはあるようです。例えば稲刈りをしたときに刈り取った稲わらの粉やもみ殻、藁を燃やした時の煙などでアレルギーの症状が出るようです。
これらの植物は牧草として輸入されて繁殖力が旺盛だったことから野生化してしまった結果、雑草になってしまった植物たちで、歩道の隅や空き地、草むら、河川敷など、どこにでも生えていますので私たちにとって身近な植物ともいえます。
イネ科の花粉が飛ぶ時期
イネ科植物の花粉がいつごろから飛び始めて、いつごろ終わるのかを花粉症の薬(抗アレルギー薬)を販売しているメーカーのホームページで調べてみました。
北海道エリア | 5月初旬~10月下旬 |
東北エリア | 5月初旬~9月下旬 |
関東エリア | 3月中旬~10月下旬 |
東海エリア | 3月中旬~10月下旬 |
関西エリア | 3月中旬~10月下旬 |
九州エリア | 3月中旬~9月中旬 |
凡そ、このくらいの期間にイネ科花粉症が起こるようです。長いですね。
花粉の飛散距離
スギ花粉やヒノキ花粉の飛散距離は数十km~300km程度といわれています。
しかしイネ科花粉(カモガヤ花粉)の飛散距離は数十m~100m程度であまり遠くまでは飛びません。ということは身近な所に生えていなければいいのです。
カモガヤについて
カモガヤは別名でオーチャードグラスといい、ヨーロッパや西アジア原産の植物で日本には明治初期に牧草として輸入されました。
名前の由来は穂の形が鴨の足に似ていることから付けられたという説や、英名の「cook’s foot grass」を訳す際に cook(ニワトリ)とduck(カモ)を間違えてしまったという説があります。
草丈は60cm〜120cm程度、葉は緑色で細くて枝の先に白っぽい小さな花が集まって咲きます。
春に出てくる赤い小さな虫
ところで花粉が飛び始めて暫く過ぎた4月下旬から5月初旬になると、庭の石や家の壁やベランダなどで体長1mmほどの赤い虫を見かけることはありませんか?
出る時期は決まっていて私が見るのはだいたい5月くらいから梅雨あたりまでの約2ヵ月ほどです。
この小さな赤い虫をタカラダニといい、人に危害を及ぼすことはありませんが、潰すと赤い体液が出ますので洗濯物についていたりすると困ります。見つかっているものは全てメスで、単為生殖(たんいせいしょく)を繰り返す不思議な虫なんだそうです。
タカラダニという名前の由来ですが、子どもたちがセミ取りをしたときにセミの体に赤い小さな虫がたくさん付いているとお金持ちになれると喜んだことからタカラダニと呼ばれるようになったとの言い伝えがあります。実際はセミに寄生しているらしいのですが…。
このようなタカラダニですが食べるものは花粉です。タカラダニを見たら花粉が多く飛んでいるのだなと思ってください。
以前は春霞という言葉でなんとなく風流を感じていたのですが、実際は黄砂の影響なのですね。黄砂に花粉にpm2.5などといったアレルギーを起こす物質も多く飛んでいます。症状を悪化させないように予防をして薬も上手に取り入れて少しでも楽に過ごしましょう。