七夕は「たなばた」や「しちせき」と読んで、昔からある年中行事のひとつです。
特に日本三大七夕祭りと呼ばれる、仙台七夕まつりや湘南ひらつか七夕まつり、安城七夕まつりは有名です。もちろんそのほかの地域でもお祭りのあるところも多いことでしょう。
古くから伝わる七夕伝説
七夕といえば私たち地球に住んでいる人間にとっては短冊に願い事を書いて笹に飾り、星を眺めるというイベントですが、遠い宇宙では遠距離結婚をしている織姫と彦星が1年に1度だけデートをすることができる貴重な日です。
七夕のお話
天の川のほとりのお話です。そこには天帝がいらっしゃいました。天帝には娘がいて名前を織姫といいます。織姫は天の衣ともいわれるほど美しい布を織っていました。織姫の織る布は季節ごとに色まで変わるという素晴らしいものだったため、天帝にとって自慢の娘でした。
織姫もお年頃になり、天帝は娘にふさわしいお婿さんを見つけてあげようとあちこちを探し回っていると、牛の世話をしている若者と出会います。若者の名前は彦星といい、真面目に働いているのを見て天帝は働き者の若者であれば織姫と幸せに暮らすだろうと考えて二人を結婚させました。
ところが結婚した織姫と彦星は結婚生活が楽しくて、遊んでばかりいて仕事をしなくなってしまいました。2人が仕事をしなくなると布も足りなくなり、牛も弱ってきてしまいます。天帝は2人に注意をしましたが「わかりました」というだけで一向に仕事をしません。
怒った天帝は、織姫と彦星を天の川の両岸へと別れさせてしまいました。別れさせられた2人は悲しくて余計に仕事どころではなくなり毎日泣いて暮らしていたのです。それを見た天帝はきちんと仕事をするなら1年に1度だけ会わせてあげようと約束をした日が7月7日です。
というのがよく知られている七夕のお話です。
織姫(織女)はこと座のベガです。彦星(牽牛)はわし座のアルタイルです。この2つの星の間の距離は14.428光年といわれています。
光速は時速にすると約10億8000万kmです。リニアモーターカーの時速は約500km、ジェット機の時速は約900kmとすると、光の速さはリニアモーターカーの約216万倍、ジェット機の120万倍になり、光速で約14年半かかるのですからリニアモーターカーなら約3132万年、ジェット機でも約1740万年かかります。地球人にとっては絶対に無理な話ですね。
しかし天の世界のお話ですから大丈夫なのでしょう。それとも1年に一度だけ開くドラえもんのどこでもドアのようなものがあるのかもしれません。
七夕は五節句のひとつ
1年間にある節句は次のとおりです。
1月7日 | 人日(じんじつ)の節句 | 七草の節句で七草粥を食べて1年の無病息災を願います。 |
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3月3日 | 上巳(じょうし)の節句 | 桃の節句のことでおひな祭りです。 |
5月5日 | 端午(たんご)の節句 | こどもの日で男の子の節句です。 |
7月7日 | 七夕(しちせき)の節句 | 七夕のことで短冊に願い事を書いて笹に飾ります。 |
9月9日 | 重陽(ちょうよう)の節句 | 菊の節句ともいい、菊を鑑賞したりします |
七夕といえば笹
短冊を作って笹に飾ったことがある人も多いかもしれません。またお子様が作って持ち帰ってきたということもあるでしょう。
七夕の笹ですが、花屋やスーパーで販売しているときは葉が綺麗だったのに、家に持って帰って飾ったらすぐに葉が丸まってきて枯れてしまったということはありませんか。丸まらないようにするのはどうすれば?と質問されることもありますが、これは諦めてもらうしかありません。
といいますのも、笹は水を吸い上げるのが困難な植物なのです。生えているときは根があってそこから水を吸いますが、根を切ると吸い上げることが出来なくなってしまいます。
笹を少しでも長持ちさせたい
1日でも枯れるのを遅らせたいというのであれば、早めに買った七夕の笹を使う当日まで濡れた新聞紙で包んでおいてあげると少しの間なら枯れずにすみます。
また竹の水揚げに使う方法ですが、太めの笹であれば同じようにできるかもしれません。
竹の水揚げ方法
- 竹や笹には節がありますので、全ての節の上の方にキリなどで穴を開けます。
- 穴を開けたところから中に水を入れます。
- 水は毎日追加し、穴の大きさに合った栓をします。
栓は竹串(少し細すぎるかもしれません)や割り箸などを使うと簡単です。ちょうど良いサイズがなければ水が蒸散しないようにする為だけなのでセロハンテープで留めても問題ありません。
しかし七夕飾りは7月6日の夕方に飾り付けて、翌日の7月7日には片付ける一夜飾りが基本なので、葉が丸まってしまうことを気にしないで飾ってください。
七夕と牽牛花
牽牛というのは彦星のことですが、花にも牽牛と名前の付く花があります。牽牛花(けんぎゅうか)といって朝顔の別名です。
古来中国ではあさがおの種は貴重な漢方薬でした。名前の由来は薬が効いた人が牛を牽いてお礼参りに行っただとか、種と牛一頭を交換したなど諸説あります。
あさがおの育て方
あさがおは小学校1年生か2年生で育てる定番の花ですが、小学校で育てるのは1年草で、その他に多年草があります。
1年草のあさがお
小学校で育てるあさがおは春蒔きの1年草です。春に種を蒔いて夏に開花を楽しみ、夏の終わりに種を収穫するタイプです。
種を取れば翌年植えて楽しめます。
育て方を詳しく書いたページがありますので参考にしてください。
多年草のあさがお
多年草のあさがおは、琉球朝顔に代表されるように一度植えると毎年花を咲かせるあさがおです。1年草のあさがおに比べ生命力が高く、蔓を伸ばしてどんどん伸びていきます。ゴーヤと同じようにグリーンカーテンとしてお家に植える人も多いようです。
6月くらいから開花し始め、8月9月が一番花数も多くなり11月頃に枯れます。しかし関東から西の地域では、そのまま休眠期に入り冬越しをしたあと、また春になると新芽を伸ばしてきてくれます。
そこまで伸びなくてもいいよ!と思うほど生長しますので、日差しを遮りたいのであれば琉球朝顔がお勧めです。
大阪の七夕伝説
私の住んでいる所は大阪府ですが、大阪にも七夕伝説があります。
大阪府交野市(かたのし)から枚方市(ひらかたし)にかけて天野川という川が流れています。天野川は生駒山系に源があり、奈良県生駒市から四条畷市を経て交野市や枚方市を流れ、淀川に合流する川です。
このあたりは星田や星ヶ丘といった星に関係する地名も多くあり、天野川が淀川と合流する前に架かっている橋は織姫と彦星の逢瀬のために一役買う鳥の名前(かささぎ)に因んで「かささぎ橋」と付けられています。
ご当地キャラのひこぼしくんとおりひめちゃん
交野市のキャラクターはおりひめちゃん。そして枚方市のキャラクターはひこぼしくん。
ひこぼしくんは牽牛星にちなみ、髪型は牛の角をイメージしたイケメン君で、おりひめちゃんはお料理やダンスが得意な笑顔がキュートな女の子という設定です。機織りではなくダンスという設定はともかく、2人で力を合わせて地域の発展に尽力しているようです。
ここまで書いてふと思いましたが…。
地球からイスカンダルまでの距離は14万8000光年、往復で29万6000光年です。宇宙戦艦ヤマトの使命は1年以内にイスカンダルまで放射能除去装置を取りに行き戻ってくるというものでした。宇宙戦艦ヤマトの通常航行の速度は確か光速の99%だったと思いますので、どう考えても29万6000光年以上の時間がかかります。しかし宇宙戦艦ヤマトにはワープという方法があります。そして1年以内に往復できたということは…
ベガとアルタイルの距離は14.428光年なので、中間地点で逢うとするとどちらも7.214光年行けばいいわけです。7.214光年は29万6000光年の約41030分の1です。宇宙戦艦ヤマトが地球を出発してきっちり365日後に帰ってきたのだとすると
1年は525600分なので、525600÷41030=約12.810
宇宙戦艦ヤマトで上手くワープを使いながら行くと12分か13分で逢えます。往復で30分以内だから1日だけ有給休暇を取ればいいようですね。