バナナ、りんご、みかん、果実のどの部分を食べているのでしょう

日本における果実の消費量は1位バナナ、2位りんご、3位みかんです。

このバナナ、りんご、みかんは果物で「果実という部分」を食べていると思っていますが、植物的にはどこを食べているのでしょう。

スポンサーリンク

野菜と果物の分け方

農林水産省によりますと、苗を植えて1年で収穫して食用に利用する草本植物を野菜、2年以上栽培する草本あるいは木本植物で果実を食用にするものを果樹としています。ただ定義しているものの、実際には野菜と果樹の区別は曖昧な状態です。

曖昧ではあるものの、分類を細分化したひとつに「果実的野菜」というのがあります。これは野菜の中で果物として利用するものを果実的野菜と定義しています。

これを元にバナナ、りんご、みかんは野菜か果実かという事と、どこを食べているのか書いてみます。

バナナ

バナナはバショウ科バショウ属のうち、果実を食用とする品種群の総称です。品種は多く、甘みの強い生食用の品種とでんぷん質が多く甘みが少ない料理用の品種に分けられます。

収穫できるのは1回のみで収穫後は伐採してしまいます。そうすると株の脇から子株が出てきますので、それを育てるとまた1回だけ収穫できるようになります。

高さ10m近くにまで生育することからバナナはバナナの木と呼ばれていますが、木の幹のように見えているのは何枚も重なった葉で「偽茎(ぎけい)」や「仮葉(かよう)」といいます。

このことからバナナは木ではなく草本植物に実をつけるため野菜という分類になりますが、一般的に考えて果実として利用しますので「果実的野菜」という位置づけになっています。


バナナのどこを食べている?

1本のバナナは外側から外果皮、中果皮、内果皮の3つの層からできています。外果皮は剥く皮の部分のことで、食べているのは、中果皮と内果皮と呼ばれる部分です。

果皮というのは種子を包む部分のことで、めしべの子房の壁が変化してできたものです。

原種のバナナには種がありますが、私たちが食べるバナナには種は見つかりません。種のない植物は3倍体のため染色体の細胞分裂が不規則なので種ができにくいのですが、バナナは受精の必要がない単為結果性なので開花すると受精するしないに関わらず子房が肥大して果実ができていきます。

種がないとはいえ、種の名残はあります。バナナを切ると真ん中が筋のようになっていてくぼみがあると思います。バナナによっては小さな黒い粒があり、この部分が種の名残です。

バナナについて

バナナを剥くと筋がありますが、これは根から吸い上げた水分や養分を運ぶ道のようなもので維管束といいます。この維管束にはカリウムや抗酸化成分が豊富にありますので、捨てる人も多いですが本当は食べた方がいいようです。

またバナナは数本が繋がった状態で販売されていることが多いですが、繋がっていない側の先は黒くなっています。この部分は花の名残です。

バナナの花の名残

では次に果皮じゃない部分を食べている果実についてです。

りんご

りんごは植物学上ではセイヨウリンゴといい、バラ科リンゴ属の樹木にできる果実です。現在日本で栽培されているりんごはほぼセイヨウリンゴで、幕末以降にアメリカから入ってきました。

このセイヨウリンゴに対して日本で平安時代から栽培されてきた和りんごがあります。和りんごはセイヨウリンゴに比べて果実が小さく、今ではわずかな農家が栽培しているのみで希少な果実といえます。

野菜か果実か?ですが、りんごは2年以上栽培する草本あるいは木本植物で果実を食用にするものなので果実です。


りんごのどこを食べている?

りんごはどこを食べているか?の前に少しだけ果実になる部分はどこかというお話をしたいと思います。

果実は受精後に子房のみが成長してできるものと、子房以外の部分が成長してできるものがあり、できた果実はそれぞれ真果、偽果といいます。

真果と偽果の違い

真果 受精後に種子の形成と合わせて子房のみが成熟・肥大し、その中に種子が含まれている果実
偽果 子房以外の花やガク、総苞など、子房以外の部分が生長・肥大しての果実の主要部分になったもの

ではりんごは真果か偽果かどちらかと言いますと、食べている部分は花弁や雌しべや雄しべを支えている花托という部分が膨らんだものなので、りんごは偽果を食べてます。

しかしりんごにも果実(真果)があります。真果の定義は「受精後に種子の形成と合わせて子房のみが成熟・肥大し、その中に種子が含まれている果実」ということから、私たちが芯と呼んで捨ててしまうところがりんごの本当の果実です。

りんごについて

りんごのおしりの方にギザギザとしたものがありますが、これはガクの名残です。また半分に切った時にガクの内側に見える尖ったようなものは雄しべの名残です。

りんごのガクの名残

では次に真果を食べている果物について書いてみましょう。

みかん

みかんはミカン科ミカン属の常緑低木で果樹になりますので果実です。みかんにはいろいろな品種がありますが、日本でみかんというと、皮が薄くてむきやすく食べやすいのが特徴の温州みかんのことを指しています。

この温州みかんという名前は、柑橘の産地である中国浙江省の温州市にあやかって江戸時代の後半に付けられました。しかし温州みかんの発祥は日本の薩摩地方(鹿児島県)の長島だと考えられていて、中国の温州市から伝来したわけではないようです。

アメリカをはじめ諸外国では「Satsuma Mandarin(サツマ マンダリン)」と呼ばれています。

みかんのどこを食べている?

みかんは子房が成長したものなので真果です、そして外果皮・中果皮・内果皮から成り立っています。一番外側の剥く皮は外果皮、白い綿のような部分は中果皮、そして薄い皮の部分が内果皮になり、この薄い皮の袋の名前はじょうのうといい、じょうのうの中身を砂じょうといいます。

みかんについて

砂じょうは内果皮に生えた毛が果実を含むようになったもので、私たちは内果皮(じょうのう)と砂じょうを食べていることになります。ただ品種によっては内果皮を取り除いて食べるものもありますので、その場合は砂じょうだけを食べています。

みかんのじょうのうや砂じょう

白い筋は維管束で取り去る人も多いですが、栄養がありますので本当は捨てないほうがいいようです。

外果皮の表面にある小さな点々は油胞といい、これは精油中に含まれる成分のひとつ「リモネン」が含まれていて香りを発生させる他、油汚れなどの洗剤としても利用されています。

果実は果肉を食べているものではありますが、それを植物のどの部分を食べるのかと考えてみると、次に食べようとした時、切りながらじっと見つめ、食べながらまた見つめてしまいそうです。

今回は消費量の多い3種類の果実について書いてみましたが、他にも果実はたくさんありますので調べてみると植物の面白さを感じていただけることでしょう。私もまたの機会に書いてみようと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました