私は大阪府に住んでいます。冬でも北海道のように極寒になることはありませんし、真夏でも40℃を越えるということもなかなかないですが、普通に冬は寒く感じますし夏は体温以上になる日も多くあり、とても暑いです。
我々人間もどうやって快適に過ごそうかと考えて生活しているように、植物も上手く夏と冬を越すようにしてあげなくてはいけません。
ガーデニングで地植えでなく鉢植えの場合、夏越しと冬越しが案外厄介だという話も聞きますので、一般的な夏と冬の管理方法と対策について、そして私の家で行っている方法について書いてみたいと思います。
夏の鉢植え対策
夏の鉢植えの管理
ベランダやバルコニー、または玄関まわりに置いている鉢植えで気をつけないといけないのは、強い直射日光と地面からの地熱です。
強い直射日光対策として
- すだれをかける
- よしずを立てかける
- 遮光ネットを張る
- マルチングをする
があります。
すだれやよしずなど自然素材も良いのですが、個人的には軽くて扱いの簡単な遮光ネットがガーデニングには便利だと思います。遮光ネットには一般的に良く見る黒のほか、白やシルバーがあり、それぞれの色には特徴があります。
遮光ネットの特徴
遮光性 | 遮熱性 | |
---|---|---|
黒 | ◎ | △ |
白 | △ | ◎ |
シルバー | ○ | ○ |
上の表のように黒いネットは遮光性は二重丸ですが、遮熱性には向いていません。逆に白いネットは遮熱性は二重丸ですが遮光性はイマイチです。シルバーは遮光性も遮熱性もほどほどに良いようです。
また遮光率も高いものや低いものなどいろいろありますので、育てている植物によって使い分けるのがよいのではないでしょうか。
マルチングにはウッドチップや敷き藁などがあります。マルチングをすることで直接日光が土に当たらなくなるため、土の温度の上昇を防ぐことができ、土の乾燥対策にもなります。
もうひとつ、夏に気をつけないといけないのが地面からの熱です。
地面、特にコンクリートやアスファルトは、とんでもなく熱くなっています。熱くなっている地面に植木鉢を直接置くことは、鉢全体を温めていることと同じですから、置き場所を少し工夫してみるといいですね。
地熱対策として
- すのこやレンガの上に鉢を置いて鉢の下の隙間に風を通す
- プランタースタンドを使って鉢の下に風を通す
- ハンギングにする
- 軒下や木陰など、日陰になる場所に置く
が良いと思います。
特にすのこやレンガやプランタースタンドで地面から離すようにすると、下からの熱対策になります。軒下や木陰に置く場合ですが、風通しが良く、朝日は当たるけれど西日は当たらない場所をお選びください。
夏の水やりで気をつけること
夏の水やりで気をつけることは、水やりの時間と水の温度です。
・水やりは朝、あるいは夕方に行うようにしてください。昼間に水やりをすると、植木鉢の中で水はお湯になり、根を傷めてしまうことになります。
・ホースで水やりをする場合、水の出始めはホースの中に溜まっていた水になります。ホースの中に溜まっていた水は、おそらくお湯になっていると思いますので、暫く流し続けて水になってから水やりをするようにしてください。
・マンションにお住まいで受水槽(貯水槽)に一旦溜めてある水を給水する場合、お湯のような水が出てきたという話を聞くことがあります。そんな場合、朝は比較的水温が低いと思いますので朝に水やりをするか、夕方に水やりをする時はあらかじめ水をジョウロやバケツに汲んでおき、冷えてから水やりをするようにしてください。
・土だけでなく、葉にも水分を与えます。葉に水をかけることを葉水といいますが、葉水を行うと、埃を落としてくれるだけでなく防虫効果や乾燥対策にもなります。
・それでも水切れした場合、大きなバケツなどに水を張り、そこへ植木鉢ごと入れてしまいましょう。
・地植えの場合、植木鉢やプランターほど水やりは不要ですが、気温が高く晴天が続くようでしたら水は与えてください。
私のガーデニングの夏対策
うちには花を観賞するための園芸系の植物でなく、食べられる系や多肉植物&サボテン系など、沢山の鉢植えがあります。このような状態なので、プランタースタンドにすると凄い数のスタンドが必要になるため、プランタースタンドという選択肢はありません。
そこで私が利用しているのがすのこです。
ホームセンターのすのこ売り場に行きますと、杉・檜・桐・パイン材というような材質の異なるすのこを売っています。この中で桐が安価でつい手が出そうになりますが、桐は弱いためガーデニングで使うのはおやめください。
すのこと同時に防腐防虫防カビ効果のある塗料も購入します。すのこに塗料を塗るときには、表だけでなく裏や隙間も忘れないように塗るようにします。
塗料を塗ったすのこの上に植木鉢を置いた写真がこれです。
遮光ネットですが、高温に弱い植物は白い遮光ネットの下に、直射日光を当てたくないものは黒の遮光ネットの下に、そして日光が大好きで暑さに強い植物は遮光ネットのない場所で育てています。
このように白い遮光ネットと黒い遮光ネットを使い分けているのですが、実は一箇所、白の遮光ネットと黒の遮光ネットを二重にしているところがあります。
この下にはなにが置いてあるでしょう?
話の流れ的には、日光の必要な鉢植えと日光を遮りたい鉢植えを並べてある場所と思われるかもしれませんが、正解は亀さんのお家です。家には20年以上になる亀さんがいます。最初は小さかったのですが、今や甲羅だけで20cm以上に成長しました。水槽は80リットルのトロ舟で、高さを確保しながら逃亡しないように網をかけています。
写真のように白い遮光ネットと黒い遮光ネット、上に白を張り少しずらして下に黒を張っています。これは白い遮光ネットの場所は日光浴のために適当に日差しが入り、黒い遮光ネットの下は日陰になるように作っています。
うちの場合はガーデニングだけでなく亀さんの暑さ対策にも使っていますが、白と黒の遮光ネットを上手く活用して植物たちを少しでも楽に夏越しさせてあげてください。
では次は冬対策についてです。
そうそう、亀さんの冬越しはスタイロフォームで全体を囲み、水温を上げるためヒーターを入れてヌクヌクさせています。
冬の鉢植え対策
冬の鉢植えの管理
冬はやはり寒さ対策を考えないといけません。
もちろん春に花を咲かせるために寒気に当てないといけない植物もありますが、種類によっては寒いと生育が悪くなったり枯れてしまう植物もあります。育てている植物とお住まいの地域によって管理も異なりますので、一般的なお話としてお読みください。
冬の鉢植えの寒さ対策は
- 発泡スチロールやスタイロフォームで鉢を包む
- 温室に入れる
- マルチングをする
- 鉢やプランターを二重にする
- 室内で管理する
です。
この中で一番簡単な方法は室内で管理することです。室内管理の場合は、昼間は窓際などの日当たりの良い場所に置き、夕方以降は窓際から離れた場所に移動させるようにしてください。夜間の窓際は思いのほか気温が低くなり、昼間との気温差で枯れてしまうことがあります。あとはエアコンの風が当たらない場所へ置くことも大切です。
でも、大きな鉢植えだったら、室内管理も大変ですよね。
そんなときは鉢の周りを発泡スチロールやスタイロフォームで包むようにするだけでも、根が凍らずに済みます。発泡スチロールやスタイロフォームをわざわざ購入してまで…と思われたのでしたら、新聞紙を巻くだけでも寒さ対策になります。
温室があればそこへ入れるのが良いですが、なかなか温室って買わないですよね。しかし温室の代わりにはならないかもしれませんが、風対策はできます。直接風に当たらない場所に移動させることと、ビニール袋や小さな植物でしたら切ったペットボトルで覆うと風が直接当たらないで済みます。
冬のマルチングは、霜よけや凍結予防になります。また鉢やプランターを二重にすると土の保温にもなりますので、どうぞお試しください。
冬の水やりで気をつけること
冬の水やりで気をつけることは、水やりの時間と頻度です。
・冬の水やりは夏と反対で、昼間の気温の高いときに行ってください。まだ朝は良いのですが、夕方に水やりをすると、鉢の中に残った水分が凍ってしまい根を傷めます。
・土の表面が湿っているときは水やりはやめましょう。夏の水やりより頻度は少なくて大丈夫です。
夏と冬、どちらにも注意していただきたいのが、エアコンの室外機です。エアコンの室外機から出る風は夏は温風、冬は冷風です。植物にとって、このような風は風の温度だけでなく乾燥をはじめとするストレスになりますので、エアコンの室外機の前には植物を置かないようにご注意ください。
私のガーデニングの冬対策
例えばカーネーションですが、冬になるとカーネーションの鉢植えは室内管理のほうが安心です。しかし大きくなった鉢を室内管理すると邪魔なので、私は1年間通して屋外で育てています。
その代わりベランダの一部を改造して簡易の温室を作っています。これは物干し竿を利用して、糸入り透明ビニールシートでベランダを覆ったものです。
簡易温室もどきの内側はさすがに夜になると冷えますが、昼間は20度を越えるときもあり冬なのにぽかぽか陽気です。その為か、冬の間もカーネーションの花は数輪ずつずっと咲いてくれています。3月半ばでの開花が次の写真です。
植木鉢は発泡スチロールで囲み、土の保温にも気をつけています。
このように簡易の温室もどきと発砲スチロールでもそれなりの効果がありますので、お試しになってください。ただ、昼間の温室もどき内の温度はぽかぽかですが、夜になると普通に冷えます。ですから寒暖差に弱い植物は、夜だけでも室内に取り入れるほうが良いと思います。
育てている植物はどのような環境で夏越しや冬越しをさせるのが良いのか、対策を考えて上手く春や秋に繋げてあげてください。