春に咲く花で球根植物といえばチューリップやヒヤシンスではないでしょうか。今回は土に植えるチューリップと、水栽培で育てることが多いヒヤシンスの花後のお手入れについてのお話です。
土に植えるチューリップの場合
チューリップは花が終わったあと、翌年も花を咲かせることができます。しかし大きな花を咲かせるだけのパワーがなくなっていますので、花が終わった後は球根を太らせないといけません。
花のあとは球根を太らせる
- チューリップは花が枯れ始めたら花の下で摘みます。切るときは葉は残して切りましょう。
- 葉が残ったチューリップには水やりをし、1週間に1度、肥料を与えて球根に栄養分を蓄えさせます。
茎を切るときは病気に感染させないようにできれば手で折るのが良いのですが、はさみを使うときは熱湯ではさみを消毒してから切りましょう。
葉が枯れたら掘り上げる
- 葉が黄色くなり枯れ始めたら水やりをやめて球根を掘り上げます。
- 掘り上げた球根がいくつかに分かれていたらそれぞれに分けてやり、表面の土や古い皮や根を綺麗に落としたのち、ネットなどに入れて風通しが良く雨の当たらない場所で保管してください。
保管したチューリップの植え付け時期は10~11月頃が目安です。
水栽培で育てることが多いヒヤシンスの場合
ヒヤシンスは球根植物の中でも水栽培で育てることが多い植物です。もちろん土に植えても良いのですが、水栽培で育てると花の可愛らしさだけでなく根の美しさも鑑賞しながら育てることができます。
水栽培で育てたあとの球根は、そのままにしていても翌年は咲きません。
花が終わったら土に植えて球根を太らせる
- 花が終わったら葉を残して花の茎を切り、根を傷めないように水栽培の器から取り出して土に植えます。
- 水栽培で育てていたため土の環境に慣れておらず、水分不足になりがちですので水を忘れないように与えてください。
- 日光に当てて1週間に1度程度の肥料も忘れないようにして葉が自然に枯れるまで育てます。
葉が枯れたら掘り上げる
- 葉が枯れたら水やりをやめて球根を掘り上げます。
- チューリップの球根と同じようにネットなどに入れて風通しが良く雨の当たらない場所で保管してください。
水栽培で育てる時は11~12月頃に、土に植える時は10~11月頃を目安に植えつけましょう。
なぜ葉が枯れるまで放置するのか
花を切ったあと葉を残しておくと、葉が光合成を行ってくれて球根に栄養分を貯蔵してくれます。
はなこ
栄養分の詰まった球根にするためには葉が必要です。
花もなく葉だけを育てる工程というのは殺風景で引き抜いてしまいたくなりますが、球根を大きくするために我慢しましょう。
葉が枯れても球根を掘り上げなかったらどうなるか?
植物によっては毎年掘り上げなくてもいいものがあります。例えばスイセンやヒガンバナ、ムスカリなどです。
チューリップは掘り上げなくても翌年咲くこともありますが、葉だけが出て花が咲かないことや花が小さくなったりすることがあります。もともと涼しい高原地方の植物なので、日本の過湿と夏の高温に弱いということもありますので、掘り上げて次の植え付けまで保管しておく方が安心です。
土に植えたヒヤシンスは毎年掘り上げなくても大丈夫です。ただ何年も植えたままにしていると土の中で球根が混みあいますので、鉢植えで育てている時は2~3年に一度は掘り上げて球根の整理をした方がいいようです。地植えであればもう少し長く植えたままでも問題ありません。
ところで…
一般的に植物は水以外に肥料も必要とします。しかしヒヤシンスは水栽培で育てる人も多く、水だけで綺麗な花を咲かせてくれます。なぜ水だけで育っているのかといいますと、球根植物は球根の中に開花するまでの必要な栄養を含んでいるため肥料は必要ないのです。
ちなみにチューリップも同じように球根内に栄養がありますので、水栽培でも育てることができます。とても可愛いのでお試しくださいね。