卒業や卒園、そして会社の異動や引越しなど、3月は別れが多くなる季節です。寂しくもあり、別れのあとに待っている新しい環境に対しての楽しみもあり、いろいろな気持ちを感じる季節ですね。
そんな時にぴったりの花を紹介したいと思います。
卒業式会場の壇上花
アトリエはなこも長い間、卒業式の花の生け込みに行っていました。今はネット販売のみになりましたので、私が行っていた学校の生け込みは一番仲良しの花屋さんに譲ってしまいましたが、卒業式会場になる講堂や体育館の壇上に生けてある大きな花は、花屋の生け込みによるものです。
たいてい卒業式の前日に生け込みに行きます。在校生が椅子を並べたりしているのと同じような時間帯に生けていることもあります。
卒業式だけでなく入学式にも壇上花があります。もちろん入学式の前日に生け込みに行きます。
卒業式では松をメインにして、入学式では桜をメインにすることが多いですね。松は祝いの席に合いますし、入学式は桜で可愛らしく華やかにという気持ちで松や桜を使います。
お子さんの卒業や入学では、もちろんお子さんに目が行くのは当然だと思いますが、チラッとでも花に目に留めていただけたら嬉しいです。
卒業に似合う花
卒業式や卒園式の頃は、フラワーギフトが動く時期です。
在校生や部活の後輩やご家族から卒業のお祝いとして花をプレゼントされることが多いですが、保護者さんやPTAから先生方へというものや、逆に学校から卒業生へ、幼稚園、保育園から卒園生への花のプレゼントという場合もあります。
部活の先輩に贈る場合、陸上部が来たら次はサッカー部、サッカー部が帰ったらバスケットボール部というように、順番に来店してくることが多く、その殆どが以下のような感じです。
中学生や高校生が、入りづらいであろう花屋に入ってきて
「先輩に渡す花なんやけど、なにがええのん?予算は○○○円位なんやけど、卒業式に合う花てなんなん?」
と言います。すみません、こちら大阪なもので、このような口調です。
そんな時に一番にお勧めするのはスイートピーです。
スイートピーは卒業にピッタリの花言葉
卒業にスイートピーをお勧めする理由のひとつに、スイートピーの花言葉が卒業にふさわしいことがあります。
スイートピーの花言葉は、「門出」「別離」「ほのかな喜び」「優しい思い出」
特に門出というのは、卒業にピッタリではないでしょうか。
花言葉の由来は、花の形が飛び立ちそうな蝶のように見えるということから付いたそうです。
スイートピーだけでは寂しいかなと思われたなら、チューリップやカーネーション、マーガレットなどと一緒に合わせても可愛らしい花束やアレンジメントに仕上がります。
スイートピーはなぜスイートピー?
スイートピーはSweet peaというように、甘い豆という意味があります。しかしこの甘いは味の甘いではなく、香りが甘いという意味なのです。
実際、花市場で仕入れてきたスイートピーのダンボールを開けると、中に溜まっていた香りが一気に出てくるのかとても甘い香りがして癒されます。
マメ科の花なので、ほかのマメ科の植物、例えば枝豆の花だとかエンドウの花に似ています。
もちろんスイートピーにも豆はできます。ところがこの豆には毒性がありますので食用にはなりません。
スイートピーはマメ科レンリソウ属の植物で、レンリソウ属の植物には毒性があり、万が一にも食べると中毒を起こしてしまいます。ちなみに食用のエンドウや枝豆は同じマメ科ですが、エンドウはエンドウ属で枝豆はダイズ属になります。
スイートピー以外で卒業に合う花
春の花ならどんな花でも合いそうですが、その中で花言葉で卒業に合う花は、チューリップ(博愛)ガーベラ(希望・前進)カーネーション(尊敬)ストック(未来を見つめる)かすみ草(感謝)などがあります。
その中で少し私の好みを書きますが、実はマーガレットなのです。マーガレットの花言葉は「恋占い」「真実の愛」「信頼」
花言葉としては卒業に直結したものではありませんが、マーガレットは、私の息子たちが中学校の卒業の時、式が終わって花道を歩く時に学校から1本ずつ頂いた花なのです。
マーガレットの白い花が男子の詰襟、女子のセーラー服の黒や濃紺に合っていて、とても清楚で卒業生にぴったりだなと感じましたので、私個人推しということで…。
会社の異動や退職、引越しの花
異動や引越しの場合の花は、華やかな花束やアレンジメントが良いでしょう。しかしあまり大きいと持ち帰りも大変ですので、車で通勤されていないのであればコンパクトな花束かアレンジメントが良いのではないでしょうか。
異動のあと、引越しを控えていらっしゃる人に贈る時は、荷物を纏めてしまっている場合もありますので、アレンジメントのほうが喜ばれます。
3月は別れの季節でもありますが、始まりの季節でもあります。新しい環境や生活が、楽しく明るいものであるといいですね。