今年の開花は早め?遅め?心ウキウキ春本番の花、桜の開花について

毎年2月になると桜の開花予想が発表されますが、この開花予想ってどこで行っているかご存知ですか?

またなぜ年によって開花が早くなったり遅くなったりするのでしょう。桜の木の何を見て開花日の予測を立てるのでしょう。というのが今回のお話です。

桜の開花予想について

桜の開花予想は全国の気象台などが観測している桜を対象にして開花を予想し、昭和30年から気象庁が発表してきました。しかし平成22年(2010年)からは民間に業務を解放し現在ではさまざまな所が予想を行っています。

さまざまな所といっても全くの畑違いの会社が予想しているのではなく、殆どは気象に関する仕事をしている会社で、よく知られているのは日本気象協会、ウェザーマップ、ウェザーニュースです。

開花予想はなぜソメイヨシノ?

桜は原種、自然交配種、改良種などを合わせると600種ほどあるといわれていますが、開花予想はソメイヨシノで行っています。なぜソメイヨシノが開花予想の桜になったのでしょうか。

桜の開花

ソメイヨシノと桜の開花

ソメイヨシノは大島桜(オオシマザクラ)と江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)の間から生まれた品種です。挿し木や接ぎ木で増やされた遺伝子が全く同じのクローン桜のため、環境や気象条件が同じなら一斉に咲きやすく、同一地域でも同時に開花するということから開花基準の桜に選ばれました。

しかしどのソメイヨシノでも良いというわけではなくソメイヨシノには全国に標本木というものが定めてあって、その標本木の状態を見てその年の開花を予想します。

標本木が基準になりますので、家の近くにあるソメイヨシノが開花しても開花宣言がなされないこともあります。

5~6輪の花が咲いた時点で開花宣言をし、3割の花が開けば三分咲き、5割の花が開けば五分咲き、そして8割以上の花が開けば満開と呼んでいます。



日本全国でソメイヨシノは咲く?

日本は縦に長い国ですので北海道と沖縄では気候が全く異なります。

ソメイヨシノは各地でお馴染みの桜ですが沖縄では上手く開花しません。全くソメイヨシノがないわけではないようですが、冬でも暖かい沖縄では休眠打破が起こらないため開花には至らないというのが理由です。その代わり、沖縄にはカンヒザクラ(寒緋桜)という桜が咲きます。

では北海道はどうでしょうか?ソメイヨシノは北海道にも咲きますが北海道って大きいですよね。

北海道でソメイヨシノの標本木に使われているのは札幌までだそうです。また北海道内でソメイヨシノが咲く北限は美唄市だということです。それより北だとエゾヤマザクラ(蝦夷山桜)やチシマザクラ(千島桜)が咲きます。

ソメイヨシノの北限は北海道美唄市、南限は鹿児島県の種子島になります。ソメイヨシノが咲かない沖縄ではカンヒザクラ、北海道の北東部ではエゾヤマザクラやチシマザクラを標準木にして開花予想をしています。

桜の蕾から開花まで

桜の花芽(蕾)はいつ形成されるかというお話になりますが、その前に花芽と蕾について少しだけ説明します。

桜の花芽

花芽は多くの人が「はなめ」と読みますが、正式には「かが」と読みます。花芽に対して葉芽というものがあり、こちらは「はめ」ではなく「ようが」と読みます。花芽は発達して花になる芽のことで、葉芽は発達すると葉になる芽です。このふたつの芽は大変似ており、剪定する際に花芽を葉芽と間違えて切ってしまうと花が咲かないという事態をも引き起こします。

花芽というのは花になる芽のことで蕾の前段階と思ってください。

はなこ
はなこ

芽というのは植物の茎や枝から出て新しい茎や葉や花になるもので、その内の花になる芽(花芽)が発達していくと蕾だと思っていただくとわかりやすいかもしれません。



桜の花芽のできる季節とは

桜の花芽は前年の夏にできます。桜は春に花を咲かせて花が散ったあと葉を出します。葉が茂っている夏になると翌年に咲かせるための花芽を作ります。

秋になり落葉すると桜の花芽は休眠期に入り寒い冬を迎えます。桜にとってこの寒い季節が大変重要で、一定期間寒さにさらされることで休眠から目覚め開花に向けて生長をはじめます。これを休眠打破といいます。

1年間の桜の開花サイクル

休眠打破から開花までの予想

休眠打破は先ほども書きましたように低温に一定期間さらされることで起こりますが、開花は休眠打破の起こった日が毎年一定ではないため開花予想日は毎年異なってしまいます。例えば暖冬だと休眠打破が遅れて開花も遅くなります。

この休眠打破が起こったとして、開花の予想をするものに400℃の法則や600℃の法則というものがあります。

  • 400℃の法則:休眠打破をしただろうと仮定した2月1日以降の毎日の平均気温を積算して400℃を超えた頃に開花するという法則。
  • 600℃の法則:休眠打破をしただろうと仮定した2月1日以降の毎日の最高気温を積算して600℃を超えた頃に開花するという法則。

適当に感じる400℃や600℃の法則は大幅に異なることもないようですが、年によって厳冬のあと急激に暖かくなったような場合では400℃の法則なのに300℃台の半ばあたりで開花することもあるようです。あくまでも法則は目安ということのようです。

1月末頃から沖縄のカンヒザクラの開花があり、2月の半ばを過ぎると河津桜が開花したというニュースを見るようになります。そのあと南から順々に桜が開花し始めます。今年はどこにお花見に行こうかと予定を立てるのも楽しみですね。

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