植物の元気がない時に!活力剤と肥料の効果の違いと正しい使い方

肥料を与えているつもりでアンプル剤を鉢に差し込んでいる、肥料成分も入っていると書いてあるので大丈夫と思って使用している人もいらっしゃるかもしれません。

でもそれは肥料ではなく活力剤というものの可能性もあります。今回は活力剤についてのお話です。

肥料についての記事はこちらからどうぞ。↓↓↓

植物の肥料の種類と使い方|元気に育てるために必要な栄養素とポイント
植物は水と光と空気と適温があればそれなりに育ちますが、元気に育てる為にはバランスの良い肥料を与えなくてはいけません。肥料には化学肥料(化成肥料)と有機肥料があり、それぞれの特徴や効果を知ってうまく使い分けをしていただくことをおすすめします。

肥料と活力剤の違い

植物が元気に育つために必要な栄養素は炭素(C)、酸素(O)、水素(H)、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、塩素(Cl)、ニッケル(Ni)の17種類です。

これらの17種類のうち、炭素、酸素、水素の3種類が約90%を占めていますが、これらは水や空気中から吸収されます。残りの14種類のうち窒素、リン酸、カリウムは肥料の三要素といわれ大量に必要とします。カルシウム、マグネシウム、硫黄は中量要素といわれ、肥料に分類されています。

残りは微量要素と呼ばれ、文字どおり微量ではありますが植物の生育には必要な栄養素です。

植物の活力剤

肥料と活力剤はなにが違うのか

植物の生育に必要なものは肥料、病害虫のための薬は農薬といい、肥料のように肥料取締法や農薬のように農薬取締法で法的に規制されているわけでなく、肥料にも農薬にも属していないけれど、それでも何らかの成分が植物に効果があるものを活力剤と呼んでいます。

肥料も活力剤も植物の栽培に使用される製品ですが、その役割は異なります。

肥料

肥料は植物に栄養を与え、成長を促進するために使います。植物が成長するためには栄養素を土から取り込みますが、育てているうちに土の中の栄養分が不足していきます。肥料を与えることで不足している栄養分を補うことができます。

活力剤

肥料が植物の栄養分を与えることに対し、活力剤は植物の抵抗力や免疫力を向上させるために用いるものです。植物を元気にしたい時や、葉を健康にしたい時に与えます。活力剤にはビタミンなどの成分のほか、微量要素が配合されているものもあります。

はなこ
はなこ

人間に例えると、肥料が主食や副菜だとすると活力剤はビタミンのようなものです。



微量要素の働き

活力剤には微量要素も配合されているものもあると書きましたが、では微量要素とはいったい何者で、欠乏するとどうなるのでしょうか。

微量要素は植物のほかにも動物などでも必要なものですが、非常に少量しか必要としない栄養素のことです。肥料などと同じように成長において重要な役割がありますが、肥料などと違い必要とする量が少ない要素のため微量要素と呼ばれています。

有機物を含む土では微量要素の欠乏を起こしにくいようですが、酸度の偏りや連作などの理由で欠乏することがあります。鉢植えの場合は水やりなどで流失してしまうことから欠乏します。

微量要素の働きと欠乏した場合と過剰になった場合の症状は次のとおりです。

マンガン 葉緑素やビタミン類の生合成に必要。
【欠乏】葉脈の間が黄色くなり、果実では生育不良や着花不良を起こす。
【過剰】根が黒くなり葉に斑点が現れる。
ホウ素 細胞分裂のほか、根や新芽の生育を促進したり、開花・着花の種子形成に関与。
【欠乏】茎や生長点が止まり、根の伸長不要や根腐れを起こす。
【過剰】葉の縁が黄色や茶色になる。
鉄 葉緑素の生成を助け、代謝や呼吸に関わる酵素の構成に必要。
【欠乏】若い葉の葉脈の間の黄化や白化がみられたり根が黄変する。
【過剰】根が発育不足になったり、マンガンやリン酸の吸収を阻害する。
銅 葉緑素の形成に関与し、炭水化物やタンパク質の代謝にも重要な働きをする。
【欠乏】新葉の先端が萎れたり葉が黄化する。果樹では枝枯れをする。
【過剰】根の生育が悪くなる。
亜鉛 タンパク質の合成、種子の形成関与するほか、成長速度にも影響する。
【欠乏】生育不良や節間の伸長不良や葉脈間の黄化が起こる。
【過剰】新葉の黄化や褐色の斑点が出る。
モリブデン 各種タンパク質の合成に関与する。
【欠乏】葉の萎縮や変形が生じたり葉脈間が黄化する。
【過剰】葉の黄化がみられる。
塩素 炭水化物の合成や光合成に関与する。
【欠乏】新芽の黄化や葉の先端が萎れてくる。
【過剰】リン酸の吸収を妨げ、土壌の酸性化を助長する。
ニッケル 最も新しく必須元素に加わった要素で葉に関与する。
【欠乏】葉が黄化して白く枯れる。
【過剰】葉に細かな白斑が発生する。

一般的に微量要素が欠乏(過剰)すると新芽や新葉に現れることが多く、その後の生育不良に繋がってしまいます。

微量要素と活力剤

微量要素を補うものが活力剤というものではなく、その他の栄養素を含んでいることがあります。ではどういったものが活力剤なのでしょうか。



活力剤の種類

活力剤のタイプ

一般的によく知られているのがアンプルタイプの活力剤です。アンプルタイプはキャップの先端を少し切って鉢に差し込むだけなのでお手軽に使えます。

ほかにもスプレータイプや水で薄めて使うタイプのものがあります。

低濃度の肥料が入っているもの

下の写真をご覧ください。

肥料の成分

これは私が使っているバラ用の肥料です。肥料の3要素である窒素、リン酸、カリウムのほかにマグネシウムが含まれている肥料です。

では次の写真をご覧ください。

肥料入り活力剤の成分

こちらは肥料入りの活力剤です。三要素の窒素、リン酸・カリウムが含まれています。

このふたつを比べるとバラ用の肥料の窒素:リン酸:カリウムの割合は10:13:6ですが、肥料入り活力剤の割合は0.12:0.2:0.1と本当に微量しか肥料成分が入っていません。

割合の数字は、製品100g中にその栄養素がどれくらい入っているかを表す数字です。

肥料成分のないもの

肥料成分を含まない植物の健康や免疫力の向上などを目的とした活力剤もあります。

日本の法律では窒素、リン酸、カリウムがそれぞれ0.1%以上、または2つ以上の栄養素の合計量が0.2%以上でないと肥料として販売することができません。この基準を満たしていない製品を一般的に活力剤として販売しています。

活力剤はアンプルになっているものも多く、お手軽に使えることから肥料を与えたつもりと勘違いしてしまいそうですが、活力剤だけでは栄養不足になりますので肥料を忘れずに与えるようにしましょう。

また活力剤には本当に効果があるのかわからないようなものも販売されています。購入する時は肥料配合の有無や、与える植物に合っているかという内容物等をパッケージでお確かめください。