梅の花が咲き始めると春の訪れももうすぐという気持ちになります。
日本といえば桜のイメージがありますが、万葉集では桜が44首なのに対して梅が119首なので、かなり梅の方が多く詠まれているようです。それだけ梅の花は昔から日本人にとって特別なものだったのでしょう。
私は梅の花が咲く季節になると吹田の万博記念公園の梅林に行きます。下の写真もそこで撮ったものですが、何枚も撮ったもののどれもあまり綺麗には撮れていませんでした。下の白梅の写真はその中でもマシな感じで撮れている1枚です。
梅について
梅はバラ科サクラ属の落葉高木です。
バラ科の植物は花弁やガクが5枚で、おしべが10本から多数あり、めしべが1本から多数という特徴があります。
バラ科サクラ属の下位である「亜属」には「モモ亜属」「スモモ亜属」「サクラ亜属」「ニワウメ亜属」「ウワミズザクラ亜属」「バクチノキ亜属」があり、梅はスモモ亜属に分類されます。他にもスモモやアンズがスモモ亜属です。またソメイヨシノをはじめとする桜はサクラ亜属、モモやアーモンドはモモ亜属です。
実梅と花梅の違い
しかしその二種類の境界線は曖昧で、花梅でも実を収穫することはできます。ただやはり実梅の実は大きく、花梅は花を沢山つけてくれるようです。
花梅の分類
- 野梅(やばい)系:原種に近い
- 緋梅(ひばい)系:赤い花を咲かせる
- 豊後(ぶんご)系:杏との雑種とされている
上の3種類に分けた中にも分類があり、またその分けた中で花の名前が付けられています。
実梅の分類
- 南高梅(なんこううめ):和歌山を代表する品種でトップブランドの梅
- 古城梅(ごじろうめ):大粒で青いダイヤとも呼ばれる
- 豊後梅(ぶんごうめ):杏との自然交配で出来た梅
- 白加賀梅(しらかがうめ):主に東日本で栽培されている
- 甲州小梅(こうしゅうこうめ):梅の中で一番小さくカリカリ梅にも利用される
- 玉梅(たまうめ):花が美しいので花梅としても楽しめる
- 月世界(げっせかい):アポロ11号が月面着陸をしたことにちなんで名前が付けられた梅
- 鶯宿梅(おうしゅくばい):南北朝時代にはすでに存在していたといわれている
このほかにも実梅の品種はあります。
花梅を育てる
花梅は庭木や鉢植え・盆栽で育てていらっしゃる人も多いのではないかと思いますが、私自身、盆栽はもとより育て方について明るくありませんが、自宅で育てている梅についてや、知っていることだけをさらっと書いてみたいと思います。
栽培に適した場所
地植え、鉢植えともに日当たりが良く、水はけも良い場所を好みます。
水やり
剪定について
梅の剪定は植え付けてからの年数と季節によって異なります。
1年目 | 9月~11月頃に幹を切り詰める。 |
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2、3年目 | 12月~1月頃に幹から3本の枝を残し、あとの枝は切り落とす。 |
4年目以降 | 6月~7月は伸びすぎた枝を切る。10月~1月は不要な枝を切り落とす。 |
植え替え
植え替える時は、株を鉢から抜いて根鉢の土を3分の2程度落としたら細かい根を残し、古い根は強めに切ります。
用土は通気性や水はけがよく、肥沃な土を使います。赤玉土2に、腐葉土や樹皮堆肥1の割合で混ぜたものなどが良いでしょう。元肥としてマグァンプKなどの緩効性肥料を混ぜてから植えても安心です。
追記:自宅で育てている梅の生育状態
2年前の年末に小さな松竹梅の入った盆栽を購入しました。お正月が終わって梅の木を大きめの鉢に植え替えて、剪定時期がきたので一応基本通りに剪定したのですが、年が明けても花は咲かないままでした。
翌年はもう少し剪定に気をつけてみたところ…。
2020年1月21日
2年目は咲きました。まだまだ蕾もありますし当分楽しめそうです。
梅の後ろに見えている赤い葉はナンテンです。松竹梅の盆栽と一緒に入っていた小さな小さなナンテンでしたが、年々スクスクと成長しています。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があります。おそらく剪定が一番大切な作業だと思いますので、上手に剪定して綺麗な花を咲かせましょう。
追記:2024年2月24日
万博記念公園の梅まつり(梅林)に行きたいと思うものの、雨降りが多く出かけることを先送りにしていたのですが、今日はお天気も良くなったので行ってきました。今回気に入ったのは「酈懸梅(テッケンバイ)」、別名で「茶筅梅(チャセンバイ)」という品種です。
スマホカメラ慣れしていないので、下手な写真です…。
茶筅というのはお抹茶を点てるときに、粉状のお茶とお湯を混ぜる茶道具です。
花弁がないので枯れはじめかと勘違いしそうになります。しかし茶筅梅は花弁が退化して雄しべと雌しべだけが残った梅で、その「しべ」が茶筅のように見えることからこのような名前が付いたということです。白梅や紅梅、枝垂れ梅に混じっていると地味な梅ですが、機会があれば是非ご覧になってください。