今年もソメイヨシノが開花したというニュースが聞こえてきました。私は大阪北部に住んでいますので、毎年万博記念公園や五月山公園の桜を楽しみにしています。
それでふと思ったのです。ソメイヨシノって自分が思う桜のイメージより白く感じることがありますよね…。
以前はピンク色だと思っていたのに、ソメイヨシノはこんなに白っぽい色をしていたっけ?と感じたことはないでしょうか?
これなら桜色というイメージのピンクじゃなくて、薄いピンクが混じった白ではないかと思ってしまいますよね。実は白っぽく感じるのには、ちゃんとした理由があります。
ソメイヨシノの色が薄くなったのではないかと感じる理由
開花したばかりの花の色が散り際には変化する
開花したばかりのソメイヨシノの花の中心は、少し緑がかった色をしています。それが散り際になってくると、紅色(赤色)に変化していきます。
同じように、花弁の色も白っぽい色からピンク色に変化します。
これは蕾の時に沢山あるアントシアニンが開花すると減少し始め、全開したときに一番少なくなり、その後また徐々にアントシアニンの量が増え始めていくため、濃いピンク色をした蕾から白っぽいピンクの花を咲かせ、色の変化を経て、散り際には記憶にある桜の色になるというわけです。
ですから満開を過ぎて、はらはらと散る頃のイメージがある人が、咲いたばかりの時に桜を見ると白っぽく感じるのだと思います。
蕾から満開になるまでの期間や気温の違い
蕾から開花して満開になるまでの期間が短いと花の色は薄くなり、反対にゆっくりだと濃くなるのだそうです。
また蕾の時に気温が低いと色が濃くなり、高いと薄くなるともいわれています。この気温の差による色の変化があることで、暖かい地方より寒い地方に咲く桜のほうが、花色が濃くなる傾向だそうです。
樹齢による色の変化
若いソメイヨシノは、木そのものが元気なので花の色も濃くなります。樹齢が古くなると、木の老化で花の色が薄くなることもあるようです。
ということは、やはり子供の頃に見たソメイヨシノはもっとピンクだったのかもしれません。
今まで見ていたのがソメイヨシノではないのかもしれない
桜といえばソメイヨシノということが定着しているので、一重の桜でこの時期に咲くものはソメイヨシノだと思っていたけど、本当はソメイヨシノ以外の桜だったのかもしれません。
日本には沢山の桜がありますので、記憶の中の桜はソメイヨシノではない可能性があります。
ソメイヨシノの寿命は何年?
ソメイヨシノの寿命は60年だといわれています。
しかし60年目に枯れてしまうというのではなく、30年から40年あたりから少しずつ弱り始めてきています。桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿という言葉もありますが、じゃあ桜は放置でいいのかというとそうではなく、きちんと手をかけてやらないと枯れるスピードも加速します。
またソメイヨシノが咲いている場所の環境も、寿命を左右します。
桜の木の下で花見をすることも多いと思いますが、例えば根元にゴミを捨ててしまうことや、根元を踏み荒らすような根を傷める行為はもちろん、バーベキューの煙などもソメイヨシノの寿命を早めてしまう原因になることもあります。
また桜の木は下手に切ると、切り口から腐敗菌が繁殖し枯れてしまいます。絶対に枝を折るようなことはおやめください。
花見をされる時は少しだけ木に気を配って、花を愛でて下さいね。