少し前にガーデニング初心者さんができる簡単なコツ、例えば1年草と多年草のうちどちらを選ぶと育てやすいか?だとか苗の選び方はどこを見る?などについて書きましたが、今回はその続きのような内容で、ガーデニングを始める時に揃えておいた方が便利かなという道具や資材について書いていきたいと思います。

必ず必要な道具や資材
ガーデニングを始めるには必要な道具や資材があります。とりあえずこれだけあればスタートできるのが次の8種類です。
植えたい植物の苗
苗がないとガーデニングは始まりませんので、育てたい植物を選んでください。初めてガーデニングをする人は、育てやすい一年草を選ぶと失敗しません。
苗の選び方は「ガーデニング初心者さんでも大丈夫!簡単にできる花づくりのコツ」にも書いていますが、適度に花や蕾が付いていて株全体が引き締まっているものが良い苗です。花がたくさん咲いているから選ぶのではなく、葉や茎の状態で選びましょう。
植木鉢やプランター
地植え(庭植え)にしないのであれば、植木鉢は必ず必要です。
植木鉢には大きさがあり1号は約3cmですので、5号だと約15cm、8号だと約24cmになります。また素材も素焼きやテラコッタ、プラスチック、陶器、木などがあります。育てる植物に合った鉢を見つけてくださいね。植える植物によって植木鉢ではなく、プランターもいいかもしれません。
直径は鉢の上部一番広いところの口径。外側から外側までの外寸です。厚みのある鉢でも内側の寸法ではありません。
ガーデニング用はさみ
ガーデニング用のはさみは左右対称のストレートの刃がついた万能ばさみと、刃の形が左右非対称で厚みがある剪定ばさみがあります。
太い枝を切るのであれば剪定ばさみが必要ですが、例えばパンジーのような細い茎を切るのであれば万能ばさみが適しています。
紙を切るような工作用はさみは、切れ味が悪くガーデニングには適していません。茎や葉を傷めないためにもガーデニング用のはさみを用意してください。
じょうろ
屋外に水栓がありホースを繋いで水やりができるのであれば便利ですが、無い場合や届かない場所への水やりはじょうろを使います。
おしゃれなものもありますが、目的は植物に水を与えることですから、軽くて持ち運びしやすいものを選んだ方がいいと思います。一般的にはプラスチック製が価格も安く実用的です。
ハス口が取り外せるものならハス口を使えばシャワーのように使えますし、ハス口を外せばピンポイントに水を与えることができます。
スコップや土入れ
植え付けや植え替えなど、土を扱う場面で使います。
スコップはご存じだと思いますが、土入れというのは細長いカップの形状をしており、スコップより土がこぼれにくく狙った場所に土を入れることができるので便利です。プラスチック製とステンレス製があり、私はステンレス製のものを使っています。
培養土
市販されている培養土は基本用土と改良用土がバランスよく配合されているものが多く、花から野菜まで殆どの植物に使える汎用タイプのものと、その植物に合った専用のものがあります。
購入する時は品質表示がされているか、肥料は入っているか、極端に重かったり軽すぎたりしないか、カビなどが生えていないかなどの確認をしてください。
購入時のポイントをまとめた記事がありますのでご一読ください。

鉢底ネット
鉢底ネットは鉢底石や培養土が鉢底から流れ出るのを防ぐためのものです。カットする時は鉢底の穴より大きめに切ってから塞ぐようにしてください。
鉢底石
軽石や黒曜石などで作られた石で、鉢やプランターの鉢穴に鉢底ネットを敷いてから普通の深さの鉢なら底から1/5程度、深さのある鉢なら1/4程度まで鉢底石を入れてから培養土を入れます。
鉢底石には水はけを良くすることで根腐れを防いでくれるという役割があります。
再利用することができますが、植え替え時には水洗いをして天日干しで消毒してから使うようにしてください。最初に使うときに排水口などで使用しているネット状になった袋に入れてから敷くと植え替えをする時、土と鉢底石の選り分けが簡単にできるので便利です。
いつか必要になる道具や資材・あれば便利な道具や資材
次は最初は必要ではないけれど育てているうちに必要になったり、あれば便利な道具や資材類をまとめてみました。
肥料
肥料は最初に準備した方が良いかどうか迷いましたが、肥料成分が培養土の中に含まれていることもありますので、しばらくは必要ではないかもしれないと思い、上の必ず必要な道具や資材の項目に入れませんでした。
培養土に含まれているとはいえ、植物が大きく育ってくると肥料不足になることがありますので、適当な時期に準備しておいた方が良いと思います。
肥料を形状で分けると固形肥料と液体肥料があります。
固形肥料
用土の表面に置いて利用するものが多く、水やりをするたびに少しずつ溶けていくようになっています。
液体肥料
水やりの時に与えるようになっているものが多く、水に薄めて使うタイプや原液のままで使うタイプがあります。
肥料は液体肥料のほか元肥というのがあります。もし購入した用土に肥料成分が入っていなかったら、植え付ける時に元肥を混ぜるようにしてください。
土ふるい
土ふるいは古い土からゴミや前に植えていた植物の根、虫や虫の卵、微塵などを取り除く道具です。
土は植える時や植え替える時には新しいものを使いたいとも思いますが、植え替え時に出た古い土を家庭ごみとして出すことが難しくなってきています。それに土はふるいにかけると再生させることができますので、ひとつ持っておくと便利な道具です。
土ふるいは目の粗さの違うものがいくつかセットになって販売されており、使い方としては最初に荒い目でふるいにかけて、ふるいの上に残ったゴミや根、あるいは虫などを取り除きます。次にふるいから落ちた土を細かい目でふるうと微塵が下に落ちますので落ちた微塵を処分します。ふるいの上に残った土が次に使うことのできる土になります。
園芸用のフルイにはステンレス製、プラスチック製、鉄製などがあります。私は土入れもそうですが土ふるいもステンレス製を使っています。
ステンレス製を使う理由ですが、ガーデニングは屋外での作業が多く、作業が終わった後も道具は屋外の隅の方に置いておくので、鉄のように錆びなくてプラスチックのように日光に当たっても劣化しないステンレス製を選ぶようにしています。
水ごけ
ラン鉢でお馴染みの水ごけは、ラン以外でも観葉植物や苔玉の植え込み材やハンギングバスケットに植えた時に隙間から用土がこぼれないように利用することができます。
ブロックのようになって販売されていることが多いので、使う量だけ取り分けてから水を入れた容器の中でほぐして使うようにしてください。
遮光(遮熱)ネット・寒冷紗
遮光(遮熱)ネット
夏の日差しが強すぎる時に利用するのが遮光ネット、遮熱ネットです。このネットには黒、白、シルバーがあり、それぞれ次のような特徴です。
遮光性 | 遮熱性 | |
---|---|---|
黒 | ◎ | △ |
白 | △ | ◎ |
シルバー | ○ | ○ |
黒のネットは遮光性は二重丸ですが遮熱性はあまりよくありません。白いネットは遮熱性は二重丸ですが遮光性はあまりないようです。シルバーは遮光性も遮熱性もほどほどに良いようです。
このように遮光(遮熱)ネットには色が3種類あるほかに、遮光率も低いものから高いものまでありますので、植物の種類や置き場所によって使い分けてください。
寒冷紗
寒冷紗は荒く平織に織り込んだ布で、園芸においては被覆資材のひとつです。遮光ネットのように夏の日差しを防ぐだけでなく冬は保温効果や防霜効果もあり、遮光ネットより目が細かいため防虫や防鳥、防風にもなるという優れものです。
私は少しだけ野菜類を育てていますが、虫の発生や鳥に食べられないようにするため必ず寒冷紗をかけるようにしています。
ビニールタイや麻紐など
茎を支柱に留めたり、蔓性植物を誘引したりするときに使います。
私はつるバラの誘引ではガーデンソフトワイヤーという柔らかいビニールで覆われたワイヤーを使っています。
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活力剤
活力剤は花や葉の色が冴えない時や植え替えた時、夏や冬の体力の回復に使います。
よく知られているのはアンプルタイプの活力剤で、このタイプのものはキャップの先端を少し切って鉢に差し込むだけなのでお手軽に使えます。そのほかスプレータイプや水で薄めて使うタイプのものがあります。
活力剤は肥料ではありません。肥料と思っていると肥料不足になりますので注意してください。
ピンセット
発芽した苗の間引きをする時や、手で取りにくい場所の枯葉や花がらを取る時に便利です。また虫の駆除にも使えます。
手袋
土で手が荒れると思われたら用意してください。普通は軍手で問題ありませんが、細かい作業なら薄手のゴム手袋、棘のある植物の場合はしっかりとした皮手袋が必要です。
殺虫剤・殺菌剤
植物を育てていると、いつかは遭遇するのが害虫や病気です。殺虫剤や殺菌剤は害虫の種類や植物の症状に合ったものを選ぶようにしてください。
以上、必ず必要なもの、あれば便利なものやいつか必要になるものをまとめてみました。だいたいこのくらいの道具や資材があれば大丈夫です。
最初に書いた8つの必要なもの以外は、必要だなと思われた時に買い足すようにしていけばいいと思います。まずは絶対に必要なものを準備してガーデニングを始めてみましょう!