ガーデニング初心者さんでも大丈夫!簡単にできる花づくりのコツ

植物を育てるのは難しそうだとか面倒かもしれないと思って、なかなか手を出せない人もいらっしゃるかもしれません。今回は初めて植物を育ててみようと思っている人にもわかりやすいように、苗選びから植え付けまでのコツをいくつか書いてみます。

簡単なのはどっち?

初めて植物を育てる時には、失敗なく綺麗に花を咲かせてほしいなと思い「ふたつのうちどちらが簡単か?」ということを比較してみたいと思います。

「種」vs「苗」

花を育てるには種や球根を植えて育てる方法と、ある程度まで育っている苗を購入して育てる方法がありますが、圧倒的に「苗」が簡単です。

種を植えて発芽させて定植させるというように最初から育てると楽しいこともありますが、発芽が上手くいかなかったり、途中で育たなくなったり、枯れてしまったり、丈夫に育たなかったりという失敗も起こります。

苗からだとある程度は育っていますし、シーズン毎の花を「今」楽しむことができますので、まずは苗を植えて育てることから始めてみましょう。

「一年草」vs「多年草」

一年草と多年草の違い

  • 一年草は種をまいて発芽し、花が咲いて種をつけたあと枯れるまでの期間が1年以内の植物。
  • 多年草は一度植えると、何年も育ちながら花を咲かせてくれる植物。

こう見ると多年草の方が植えっぱなしで簡単じゃないかと思われがちですが、多年草は花が咲いていない季節があります。

例えば私はバラが好きで自宅で何種類も育てています。バラが一斉に咲く季節は5月から6月で、6月を過ぎてもちらほらと咲いてくれていますが、冬になると花は咲きません。咲かないどころか、12月か1月の冬剪定の時に葉が残っていたら強制的に全部落として休眠させてしまうので茎しかありません。5月の開花に向けての作業はありますが、花も葉もないので華やかさはゼロです。

この花のない時期を耐えられるかどうかなのですが、初めてガーデニングをされる方には手間ばかりかかって面白くないかもしれません。ということで私は「一年草」をお勧めします。

一年草だとシーズン毎の花を楽しめますし、枯れたら抜いて処分するだけです。もちろん種を取って翌年には種から栽培することもできます。



「鉢植え」vs「地植え」

地植えは根を張りやすく、水やりも楽なので初心者向きのように感じますが、地面を耕したり土に肥料などを混ぜたりして育てる植物に合うように土を作ってあげなくてはいけません。

お店に行くといろいろな土作りのための肥料や道具を売っていますが、はじめての方には分かりづらいものが多く、なにを購入すればよいのか迷ってしまいがちです。

慣れないうちは市販の培養土を使って植木鉢やプランターに花を植える方が簡単で失敗もありません。

はなこ
はなこ

市販の培養土には元肥が最初から入っているものや植える植物に合ったものがありますので、それらを使うと便利です。

簡単なのは苗・一年草・鉢植え

苗の選び方

お店には低価格のものから高価なものまで販売されていますが、とても安いのはお店で長い間売れなかった残り物をセールにして売っているかもしれません。

ある程度ガーデニングに慣れてきたら見切り品を購入して、再生させながら増やすという楽しみ方もできるようになりますが、最初は同じように販売されている同一の花の苗と比べて安すぎるのは避けた方がいいと思います。また種苗メーカーが記載されているものを選ぶほうが安心です。

良い苗を見分ける方法

お店には本来その花が育つ時期よりかなり前から苗が出回ります。しかし植え付けに関しては早ければ良いというものではなく適期というのがあり、植え付けに適した時期に植えるのが育てやすく大きく丈夫に育ってくれます。

はなこ
はなこ

植え付けに適した時期には、種類もたくさん出回りますので選ぶ楽しさも増えます。

購入する苗の状態の時に花がたくさん咲いているからという理由で選んでしまいそうになりますが、良い苗というのは適度に花や蕾が付いていて株全体が引き締まっているものなので、咲いている花を見るより茎や葉を見て選ぶようにしましょう。

悪い苗は茎がひょろひょろと伸びていて株元に葉がなく、どことなく元気のなさそうな苗です。

苗には花の名前や種苗メーカーや開花時期、簡単な育て方などの情報が書いてあるラベルが付いています。ラベルの付いていない苗より付いている苗を選ぶようにすれば育て方のイメージがつかみやすいと思います。

培養土の選び方

買ってくればそのまま使うことができる培養土は大変便利です。いろいろと土や肥料をブレンドすることもないので、余程のこだわりがない限りは培養土を使うほうが簡単です。

培養土にはいろいろな種類がありますので、育てる植物に合わせて選んでください。元肥の入っているものならそのまま使えます。もし入っていないようであれば肥料を混ぜ込んで植えるようにしましょう。

はなこ
はなこ

私はハイポネックス マグァンプKを使っています。

鉢の大きさに対しての土の量

鉢に対して土はどのくらい必要かわかりにくいかもしれません。下の表は一般的な深さの鉢を基準にした土の量をまとめたものです。深鉢であれば書いている量以上の土が必要になりますので、おおよその目安にしてください。

鉢の大きさ 鉢の直径 土の量
3号 直径9cm 0.3L
4号 直径12cm 0.6L
5号 直径15cm 1.2L
6号 直径18cm 2.1L
7号 直径21cm 3.3L
8号 直径24cm 5.1L
9号 直径27cm 7.3L
10号 直径30cm 8.5L
11号 直径33cm 10L
12号 直径36cm 14L
培養土は安価なものから高価なものまでありますが、極端に安いものは避けた方が無難です。極端に安いものは粗悪品のこともあり、上手く植物が育たなかったり葉色が悪かったり花が咲かなかったりします。高価すぎるようなものは勿体ないですが、それなりの価格の培養土を選ぶようにしましょう。

苗を植える時

植え付けの準備

植え付けに用意するもの

  • 植木鉢やプランター
  • 培養土
  • 鉢底石
  • 鉢底ネット
  • 必要なら元肥
  • あれば排水口などで使用しているネット状の袋
  • 培養土を入れるための移植ゴテや土入れ
  • 水を与えるためのジョウロ
  • 割り箸か棒を1本

ラベルの付いている苗なら、その花に応じた鉢のサイズが書いてあります。購入した時点の苗のサイズから想像できないくらい大きくなるものもありますので、育てる花に合った鉢やプランターを用意しましょう。

植木鉢やプランターの底面にネットが最初から付いていれば鉢底ネットは不要です。穴が開いているだけなら鉢底ネットを敷いてください。

鉢底ネットは水やりをしたときに土が流れるのを防ぐだけでなく、ナメクジなどの害虫の侵入を防ぐ効果があります。

鉢底石は鉢底ネットの上に直接敷いても問題ありませんが、排水口などで使用しているネット状になった袋に入れてから敷くと、植え替えをするときに土と鉢底石の選り分けが簡単にできます。また最初からネットに入った鉢底石も販売されています。

はなこ
はなこ

使い終わったあとの鉢底石は洗って干しておけば次に使えます。

植え付ける順番

  1. 鉢やプランターに鉢底ネットを敷きます。穴より大きめにカットして敷きましょう。
  2. 鉢底石を入れます。深さの1/5~1/6程度を目安に入れてください。
  3. 培養土を鉢の1/3~1/2程度入れます。必要なら元肥を混ぜておきます。
  4. 苗をポットから取り出します。
  5. あまり根を崩さないようにして培養土の上に置きます。
  6. 苗の周りに培養土を入れます。
  7. 割り箸や棒で土を軽くつつきながらさらに培養土を足していきます。
  8. 植え終わったら鉢底から流れ出るまで水を与えます。

注意点

【5.あまり根を崩さないようにして培養土の上に置きます。】について

根を崩さないで植えつけた方がいい植物も多いですが、根がぎっしりと回っているような状態でしたら、少しだけ根を崩してから植えてみましょう。

【7.割り箸や棒で土を軽くつつきながらさらに培養土を足していきます。】について

鉢やプランターの側面と苗の間やいくつかの苗を寄せて植えるときは、苗と苗の隙間には土を入れにくいので割り箸や棒を使ってつつきながら土を足していくようにします。

培養土は鉢やプランターの縁より2~3cmほど低い所まで入れます。縁いっぱいまで培養土を入れると、水やりをしたときに水が土の中に染み込む前に縁から溢れてしまいますので、それを防ぐために水が溜まるスペースを作ります。このスペースを「ウォータースペース」といいます。
苗を植え付ける



苗を植えた後

水を与える

植え付けが終わったあとは、鉢底から水が流れ出るまで全体にたっぷりと水やりをします。

植え付け直後から数日間は極端に直射日光が当たる場所を避けて管理します。秋冬は暖かい日なたがいいでしょう。数日経って苗が落ち着いてきたら、その植物に合った日当たりと風通しの良い場所で育てます。

水やりの頻度は何日に一度というように決めてはいけません。植物と土の状態を見て、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらいまで水を与えます。

水やりの頻度は例えば夏だったら朝晩必要かもしれません。でも冬だったら1週間に1度でいいかもしれません。雨が降ることも晴天が続くこともあります。水やりのタイミングは育てている花の種類、育てている季節、天候などによって変わりますので、土や植物を観察して与えるようにしてください。

肥料について

培養土の種類によりますが、元肥入りの培養土なら元肥の効果が切れる時期になったら適宜肥料を与えましょう。これを追肥といい、固形肥料や液体肥料などがあります。

固形肥料

固形肥料は有機肥料と化成肥料がありますが、最初は化成肥料のほうが使いやすいです。水やりのたびに少しづつ溶けていくため、速効性はありませんが持続性があり、肥料やけを起こしにくいのが特徴です。

液体肥料

液体肥料は原液を与えてもいいものと希釈してから与えるものがあります。速効性はありますが持続効果はありません。また肥料の与え過ぎなどで根を傷めることがありますので、ラベルに書かれているとおりの回数と希釈を守りましょう。

元肥入り培養土の肥料の効果がある期間は、培養土が入っている袋に書いています。培養土によっては育てている植物が枯れるまで肥料の効果が持続するものもあります。

花がら摘み

咲き終わった花がらを摘み取ります。花がらを摘み取らなければ養分を結実させる方に取られて、花つきが悪くなってしまいます。

翌年、種から育てようとしたら、最初は花がらを摘みつつ花を綺麗に咲かせることを楽しみ、その花が咲く季節の終盤に結実させて種を収穫してください。

花がらを摘む

初めてでも失敗しにくい花苗

下記の8種類の花は、私が育てた中でも特に簡単だった植物たちです。

花の名前 苗を植える時期
パンジー 10月下旬~11月下旬
ビオラ 10月下旬~12月中旬
プリムラ 10月前後
ペチュニア 4月下旬~5月下旬
インパチェンス 5月上旬~7月上旬
ニチニチソウ 5月上旬~7月下旬
マリーゴールド 4月中旬~6月下旬
コリウス 5月中旬~7月下旬

もちろんほかにもありますが、これらの8種類は冬越しも猛暑にも育てやすい花です。まずは簡単な花を植えて育て、慣れてきたらいろいろな花に挑戦していってください。

今回は購入から植え付けまでのことを書いてみました。

植え付けたあとの管理などについてはブログで育て方を紹介している花もありますが、もしわからないことがありましたらお気軽にお問合せください。ガーデニングライフを楽しんでくださいね。

スポンサーリンク
スポンサーリンク