冬の鉢花の女王シクラメン、室内での育て方と夏越しや翌年の開花

最近はいろいろな種類のシクラメンがあって、どれを買おうかと迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。前回はガーデンシクラメンについて書きましたが、今回は普通のシクラメンの育て方を書いてみたいと思います。

シクラメンとガーデンシクラメンの違い
シクラメンは主に室内で楽しむ植物で、一般的に花は大きく派手です。ガーデンシクラメンは主に屋外で育てるシクラメンです。

シクラメンの選び方

シクラメン

シクラメンの購入時期は、沢山の鉢の中から選ぶことのできる11月末から12月半ばまでがお勧めです。

12月末になると値段は安くなっていることもありますが、お歳暮などの売れ残ったものを販売していることがありますので、良いシクラメンを買おうと思ったら12月半ばまでに購入したほうがいいでしょう。しかし気温が下がっていないような早い時期に購入すると葉が黄色くなりますので、寒さを感じてからのほうが安心です。

購入するときに見るポイント

購入する時は次の点に注意して鉢を選んでください。

  • 花が広がってなく、中心に集まっているもの。
  • 蕾がたくさんついているもの。
  • 葉の大きさが揃っていて沢山ついており、放射状に広がっているもの。
  • 黄色い葉がついていないもの。(黄色い葉は下のほうに隠れているのでよく見てください)
  • 持ち上げたり揺すったときにフラフラと揺れないでかちっと締まっているもの。

花(蕾)の数は葉の数と同じといわれていますので、葉が沢山付いている鉢を選びましょう。



シクラメンの育て方

シクラメン

シクラメンは室内管理が基本です。しかし直接暖房があたるところや室温が高いところで育てるのはおやめください。また寒いところも避けて下さい。

置き場所としては直射日光を避け、窓際のレース越しの日が当たっていて、室温が5℃から15℃位の場所が最適です。

水やりについて

水やりは表土が乾いたら花や葉に水がかからないように、鉢の縁からそっと与えます。水は下から流れ出るまで与えるようにしてください。

水やりには次の2つの役割があります。

  1. 水分を与える。
  2. 土の中の二酸化炭素や根から出た老廃物を外に出し、代わりに新しい空気を土の中に取り入れる。

鉢植えのシクラメンは底面給水になったものが多く売られています。底面給水タイプなら水が切れてしまう心配もないのですが、水やりには気をつけていただきたい点があります。

底面給水タイプの鉢の水やり

土の上から与えて鉢底から出た水が底面給水のカップの部分に溜まらないようにしてください。先ほどの理由から土の中を通った水には二酸化炭素などが含まれています。それらの不純物が混じった水を再度吸わせるのは花のために良くありません。

水を土の上から与えて底面給水のカップの部分に溜まった水は全て捨ててから、カップに綺麗なお水を入れるようにしてあげてください。

花が枯れてきたら

花が枯れたら花がらを摘みましょう。花がらを摘むことで次の花を咲かせ、カビなどの発生を防ぎます。

摘む時は花だけでなく花茎から摘み取るようにしてください。できればハサミではなく手で摘む方が菌などが付かず病気にもなりにくいようです。

開花時期の肥料について

開花時期には1週間に1回程度、液体肥料を施します。開花時期が終わってからの肥料は次の夏越しの方法のところに書いています。



翌年もシクラメンを咲かせるための夏越しの方法

開花時期が終わったら翌年に向けて準備をしましょう。ガーデンシクラメンの育て方にも書きましたが、株を休眠させるかさせないかで方法が異なります。同じ内容になりますが、こちらにも記しておきます。

夏越しの方法は、休眠法(ドライ法)と非休眠法(ウェット法)の2通りあります。

冬の間は室内管理をしていたシクラメンですが、3月中旬頃からは屋外管理にします。ただまだ冷え込む日があるかもしれませんので、夜間等で10℃を下回るようでしたら室内で管理してください。

休眠させて夏越しする(ドライ法)

休眠法(ドライ法)は水を与えない状態で夏越しをすることです。

5月頃になって葉が黄色く枯れてきたら、葉を取り除いて球根だけにします。鉢を雨の当たらない涼しい半日陰~日陰で管理し、水を与えずに球根を休眠させます。

秋の涼しさを感じ始めたら水やりを再開し、葉が出てきたら日当たりの良い場所で育てましょう。夏越しのあとは9月中旬~10月上旬頃に元肥の入った新しい培養土に植え替えるとよく育ちます。

非休眠で夏越しする(ウェット法)

非休眠法(ウェット法)は夏の間も水を与えて葉がある状態で夏越しをする方法です。

休眠させない場合は葉を残したまま夏越しをさせますので、直射日光が当たる場所に置くと葉焼けを起こして枯れてしまいますので休眠させる時と同じように雨の当たらない涼しい日陰で管理しましょう。

乾かし気味に育て、10日に一度くらい水やりをします。もし鉢皿を使っている場合、鉢皿に水が溜まっていると球根が腐りますので水は必ず捨てて乾いた鉢皿の上に鉢を置いてください。底面給水タイプの鉢ならば、カップの中には水を入れないようにしましょう。カップの部分が外せるようなら外してしまう方がいいかもしれません。

秋になったら休眠法(ドライ法)の時と同じように植え替えをしましょう。

夏越しの時の肥料について

休眠法(ドライ法)での夏越しの場合は肥料は不要です。非休眠法(ウェット法)では2週間~1ヶ月程度に一度、通常より薄い液体肥料を与えます。

はなこ
はなこ

夏越しは休眠させるドライ法が簡単だと思います。しかし休眠させないウェット法のほうが開花は早いです。

休眠させるか休眠させないか迷った時

休眠させた方がいいのか、させない方がいいのか迷った時は、開花の季節が終わった時点で葉が枯れ始めているか、緑色で生き生きしているかで決めるのもひとつの方法です。

葉が枯れ始めていたら休眠法(ドライ法)、綺麗だったら非休眠法(ウェット法)がいいかもしれません。しかしウェット法で夏越しを開始したものの、水やりを忘れてしまったらドライ法に切り替えてください。

はなこ
はなこ

夏越しが終わり、11月頃になると屋外管理から室内管理に変えましょう。



シクラメンの葉組み

シクラメンのお手入れに葉組みと呼ばれるものがあります。

販売されているシクラメンを見ると花が中央に纏まっています。お家で育てていても勝手に中央に集まると思ってしまいますが、葉組みというお手入れをしないと花は中央に集まらず、葉のあちらこちらから茎を伸ばして花を咲かせてしまいます。

葉組みのやり方

  1. 葉をかき分けて花芽が出ているところを探します。
  2. 花芽を見つけたら優しくつまんで株の中央に寄せ、葉を外側へ動かします。
  3. 株の中央に集まっている葉も株の外側に移動させ、下に引っ張って鉢の縁に沿うようにします。

葉組みは株姿が乱れてきたり、球根の上部に日光が当たっていないと感じたらその都度行い、葉が放射状になるように整えてください。

はなこ
はなこ
葉組みを行うことで風通しが良くなり病害虫を予防し、株の中心に日が当たるようになることでシクラメンの成長を促し、小さな蕾も開花するようになります。

追記:自宅で育てているシクラメン

2022年3月18日

2019年12月にシクラメンの5号鉢を購入しました。

花が終わったあと2020年の夏は休眠法(ドライ法)で管理したところ、2020年から2021年にかけて花はあまり咲かずまばらでした。そこで2021年の夏は非休眠法(ウェット法)で夏越しをしたところ、2022年は下の写真のように沢山の花を咲かせてくれました。

2022年シクラメン

購入した時の鉢のサイズは5号だったのを翌年6号に、そして現在は7号なので1年に1号ずつ鉢を大きくしていったことになります。

私の場合、今回は非休眠法(ウェット法)での夏越しが良かったようですが、個体差もありますし夏を迎える時にシクラメンの状態を見てどのようにするか決めてくださいね。

冬の寄せ植えにはガーデンシクラメンが可愛いです。ガーデンシクラメンの記事はこちら。

冬の寄せ植えやガーデニングの彩りに寒さに強いガーデンシクラメン
ガーデンシクラメンは普通のシクラメンと違い耐寒性がありますので、冬の花壇や寄せ植えに使っていただきたい花です。購入する時はミニシクラメンと間違わないように、表品タグを確認して、不明な時はお店の人に尋ねるようにしてください。
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