クリスマスの定番花材のモミの木・国産モミとオレゴンモミの違い

クリスマス用の花材で欠かせないのがモミの木(枝)です。モミは幼木がクリスマスツリーとして使われる他にも、アレンジやクリスマスリース用として枝物が11月半ば頃から花屋の店頭に並びます。

しかしモミには国産モミとオレゴン産モミがあり、双方には少し違いがあります。というわけで今回はモミの木(枝)のお話です。

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モミについて

モミはマツ科モミ属で学名でAbies(アビエス)といい、約40種あり、その殆どが常緑高木で雌雄同株です。

日本原産のモミにはモミとウラジロモミがあります。どちらも日本固有種で、モミは本州、四国、九州 の海岸近くの丘陵からブナ帯上部まで、ウラジロモミは福島県南部から紀伊半島のブナ林域から上部に生育しています。特に群馬県や山梨県のウラジロモミがクリスマス用として出荷されることが多いようです。

また同じ時期になるとアメリカオレゴン州から輸入されたオレゴン産モミも出回ります。

モミ、ウラジロモミ、オレゴン産モミのそれぞれの学名は、モミはAbies firma、ウラジロモミはAbies homolepis、オレゴン産のモミはAbies proceraといいます。

モミの語源

モミの語源として、よく言われているのが次のふたつです。

  • モミの木は一か所に多くあり、風に揉み合うことから「モミ」と名前が付いた。
  • 神聖な木として民間信仰の対象になっていたことから、「臣木(おみのき)」が転じて「モミ」と言われるようになった。

その他にも諸説あるようです。


国産モミとオレゴン産モミの違い

先日、国産(山梨県産)のウラジロモミとオレゴン産モミを購入しました。

国産ウラジロモミ

まず最初に国産のウラジロモミを見てみましょう。葉の表はつやつやと鮮やかな緑色をしており、葉はあまり巻いていなくて平らな感じがします。

国産ウラジロモミ

葉の表は鮮やかな緑色ですが、裏側を見ると白っぽい色をしています。葉の裏が白っぽいのが国産のウラジロモミに見られる特徴です。

ウラジロモミの葉の裏

もう少し近くで見てみましょう。上の写真の一部を大きくしてみました。

ウラジロモミの葉の裏

これくらい近づくと白っぽく見えているのは2本の白い線だということがわかります。これを気孔帯といいます。

気孔帯ってなに?
気孔というのは植物の表皮にある小さな穴のことで、光合成、呼吸、蒸散などの際に空気や水蒸気の通路になります。この気孔が帯のようになっているので気孔帯、または気孔線と呼びます。

オレゴン産モミ

次にオレゴン産モミですが、ウラジロモミに比べると葉の色は青味がかった緑色をしていてマットです。そして葉が蜜についていてボリュームがあるように見えます。また葉が内側にカールしているのも特徴です。

オレゴン産モミ

裏側も見てみましょう。

オレゴン産モミの葉の裏

葉の表より少しだけ白いかな?という感じに見えます。ではウラジロモミと同じように一部を大きくしてみましょう。

オレゴン産モミの葉の裏

オレゴン産モミもウラジロモミと同じように2本の白い線が入っています。同じく気孔帯ですが、ウラジロモミほど太い線ではありません。

下はウラジロモミとオレゴン産モミをひとまとめにした写真です。

ウラジロモミとオレゴン産モミ

上半分がウラジロモミ、下半分がオレゴン産モミです。ウラジロモミとオレゴン産モミは細かなところまで見なくても、このくらいの色の違いがありますのですぐに分かると思います。

違いを簡単に表にしました。

ウラジロモミ オレゴン産モミ
葉の表 艶があって鮮やかな緑色 マットで青味がかった緑色
葉の裏 気孔帯が太いので白っぽい 細い気孔帯がある
ボリューム感 葉はあまり巻いていなくて平らな感じ 葉が蜜についていてボリュームがある



どちらを使えばいいか

私は以前からウラジロモミとオレゴン産モミのどちらも使ってアレンジやリースなどを作っています。

両方使ってみた感想ですが、オレゴン産モミのほうが乾燥しても葉が落ちにくいように感じますので、水に浸けて飾らないようなものにはオレゴン産モミのほうが使いやすいと思います。また葉が蜜になっていてウラジロモミより立体的な感じの葉の付き方をしているため、厚みを出しやすいのでボリュームが出やすいです。乾燥しても葉が落ちにくことやボリュームが出やすいことから、クリスマスリースなどはオレゴン産モミがおすすめです。

ウラジロモミは葉の色が綺麗ですから、生花に合わせてアレンジに使うといいかもしれません。しかしアレンジでも、松ぼっくりやドライフルーツなど、生花でないもので装飾する場合はオレゴン産モミの方がしっくりきます。

飾りたい場所や、飾る条件に合わせてどちらのモミを使うかお選び下さい。

モミに似ている葉

モミに似た葉を持つものにはツガやカヤやトウヒなどがありますが、クリスマスツリーとしてモミ以上に定番として使われているのがドイツトウヒです。

ドイツトウヒはマツ科トウヒ属の常緑針葉高木で、学名はPicea abiesといい、ヨーロッパトウヒやオウシュウトウヒとも呼ばれています。原産地のヨーロッパではドイツトウヒをツリーとして使うのが一般的で、日本でもしばしば使われています。

ドイツトウヒ

アルプスの少女ハイジに出てくるアルム山小屋の裏にあるの大きなモミの木は、モミの木ではなくこちらのドイツトウヒだそうです。



今回私はウラジロモミとオレゴン産モミの両方をなるだけ少ない量で購入したのですが、それでもそれなりの量があります。なにを作ろうかと考えましたが、オレゴン産モミではクリスマス用のスワッグを作ることにしました。花材はオレゴン産モミの他、レッドブルニアと松ぼっくり、そして束ねるのはラフィアというシンプルなもので仕上げることにしました。

国産のウラジロモミは緑色が綺麗ですから、バラやガーベラなどと一緒にアレンジにしようかと思っています。

お店でモミの木や枝、あるいはそれらを使って作られたリースやスワッグやアレンジなどを見かけたら、国産なのかオレゴン産なのか葉を見て調べてくださいね。

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