同じキキョウ科ホタルブクロとカンパニュラ、幻想的な蛍との関係

私の住んでいるところは、近くにヒメボタル保全区域があって、毎年5月から6月頃になると蛍が飛ぶさまを観賞できます。

ヒメボタルはゲンジボタルやヘイケボタルに比べると体はひとまわり小さく、光り方はフラッシュのように短い間隔で発光します。年によって飛んでいる数が違いますが、多い時はあちこち飛び回っていて手にとまるほどです。

今回は蛍に因んで、ホタルブクロのお話をしたいと思います。

ホタルブクロについて

ホタルブクロはキキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、5月~初夏にかけて釣鐘型の花を咲かせる山野草です。別名ではトウロウバナ、チョウチンバナ、フクロバナ、ツリガネソウなどと呼ばれています。

ホタルブクロ
ホタルブクロの名前の由来は蛍と関係があります。

  • ホタルブクロの咲く時期と蛍が飛び交う時期が同じ。
  • 昔、子供たちがホタルブクロの中に蛍を入れて遊んでいた。

このようなことからホタルブクロと名前が付いたともいわれています。

はなこ
はなこ

ホタルブクロは漢字で蛍袋とも火垂る袋とも書きます。



ホタルブクロの育て方

ホタルブクロの種撒き、苗の植え付け共に適した時期は2月から3月です。

種から育てるのであれば、3号くらいのビニールポットに培養土を入れて水を足して濡れた状態にしたところに数粒ずつ種をまいて薄く土をかぶせます。発芽するまでは乾燥しないけれど過湿にもならないような適切な水の管理をします。発芽したら元気の良い芽を残して間引き、風通しと日当たりの良い場所に置いて管理しましょう。本葉が4~5枚になったら根鉢を傷めないように鉢や庭に定植します。

はなこ
はなこ

植えつけて開花するのは2年目以降です。

置き場所や環境

ホタルブクロは日当たりと風通しの良いところを好みます。しかし暑さには強くないため、鉢植えなら夏は直射日光の当たらない場所に移動させ、地植えの場合は植え付ける時に夏には半日陰になるような場所を選ぶか、ネットなどを利用して木陰を作ってください。

水やりと肥料

鉢植えの水やりは土の表面が乾いてきたら十分に与えましょう。地植えはよほど乾燥しない限りは基本的に雨水のみで問題ありません。冬になると地上部は枯れます。休眠期なので乾き気味に管理しますが、乾燥させすぎない程度の水やりは必要です。

4月からの生育期は液体肥料を月に2~3回与えますが、過肥にならないように気をつけてください。

増やし方と植え替え

ホタルブクロは地下茎で広がりますので、地植えの場合はそのままにしていても増えてくれます。ただ、どんどん増えていきますので、一定の区画だけで育てようとするなら仕切りを埋め込むほうが安心です。

鉢植えにした場合は1~2年に一度、今より大きな鉢に植え替えるようにして、同時に株分けをするようにしましょう。また秋口に実が熟しますので、茶色になって乾燥してきたら採取して、翌年の2~3月頃に種まきをしても増やすことができます。

株分けの方法

地下茎を葉と根が付いた状態に切り分けて、鉢や地植えに植えつけます。

ホタルブクロに似たカンパニュラやベルフラワー

ホタルブクロに似ている花にカンパニュラがあります。カンパニュラもホタルブクロと同じキキョウ科ホタルブクロ属の植物です。

はなこ
はなこ

カンパニュラには300を超えるほどの種類があって、切り花として販売されているのはカンパニュラ・メディウムです。

カンパニュラ

ホタルブクロの仲間といえば、鉢植えではベルフラワーもよく知られていると思います。

ベルフラワー

「旅人に 雨降り花の 咲きにけり」これは小林一茶が長野県の正見寺で雨の中詠んだ俳句です。雨降り花というのは紫陽花とも思われがちですが、紫陽花ではなくホタルブクロを見て詠んだものだそうです。

ホタルブクロは山野に自生する植物なので放置していても良く育ちます。花の姿からも自然さを感じることができますので、ナチュラルなイメージの庭作りにいかがでしょうか。

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