処分が難しいガーデニングで使った古い用土のリサイクルについて

ガーデニングを楽しんでいる人にとって、古い土の処分というのは悩みのひとつではないでしょうか。

最近ではゴミの分別も細かく行なわれるようになり、私の住んでいる地域でも市からのお知らせに「土は処理不適物として、できるだけ再利用するか自宅の庭に撒くなどしてゴミとしては出さないように」と書いてあります。そしてどうしても再利用ができない場合は電話で相談するように勧めています。

店によっては新しい土を購入すると古い土を引き取ってくれるところもありますが、近くにそのような店がないことが多いのも現状です。

なぜ古い土をそのまま使ってはいけないのか?

古い土を使うデメリット

植物の為には毎回新しい培養土を使う方が良いのですが、先にも書いたように処分に困ることも確かです。では古い土を使うとどのようなデメリットがあるのでしょうか。
園芸土のリサイクル

根や球根の混入

一度植物を植えた土にはたくさんの根が残っています。球根の場合は分球した球根が残っていることもあります。もし雑草の根が残っていたら雑草が生えてきます。

土の中の養分の枯渇

植物が成長するためには土壌の養分が必要です。しかし古い土を使用すると次に植える植物が育つために必要な養分が不足します。

土の構造の変化

古い土は密度が増して通気性が悪くなっています。植物の根の成長には酸素を必要とするため、通気性が悪い土だと根が健康に成長しません。

土のpHの変化

古い土は降雨などによってpHが変化することがあり、植物によっては育たなくなることもあります。

害虫や病気のリスク

古い土には害虫や病気になる元が存在していることがあります。病害虫がある土に新しい植物を植えると新しい植物も病気や害虫の被害を受けてしまいます。

土のリサイクル方法

古い土を使うにはデメリットがあるとはいえ、簡単に捨てられない…。

そこで必要になるのが土のリサイクルです。前に使った土のまま植えるのではなく、再利用のために手を加えてあげましょう。
ポイントは次の4つです。
  • 掃除をする
  • 消毒をする
  • リサイクル材を混ぜる
  • 肥料と一緒に全体をよく混ぜる

土を掃除する

古い土の中には以前植えていた植物の根や球根やゴミが混じっていますので、ふるいを使って取り除きます。ふるいには粗目、中目、細目とありますので、この3種類を使って使える土と処分する土を分けます。

矢印の方向から土を通しているところを図にしました。

ふるいの目の粗さ

  • 粗目のふるいの上に残った根や葉、球根やゴミなどは処分します。
  • 粗目のふるいから落ちた土をもう一度中目でふるいます。
  • 再度、細目でふるい、下に落ちた土は微塵なので処分します。

細目の上に残った土をリサイクルして使用します。おそらく粗目でふるったあとに鉢底石も残ると思いますが、鉢底石は綺麗に洗っておくと次も使えます。

はなこ
はなこ

微塵というのは砕けて細かくなりすぎた土のことで、微塵が混じっていると水はけが悪くなり根ぐされの原因になります。

土を消毒する

ふるいをかけて土の中にあった根やゴミは取り除けましたが、虫の卵などが残っている可能性もありますので、次は土を消毒します。

消毒の方法は、ふるいをかけた土を遮光性のある黒いビニール袋に入れて、日光が当たる場所に置いておきます。夏だと2~3日くらい、ほかの季節だと1週間程度で消毒できます。また真夏は地熱からも消毒できますので、熱くなったコンクリートやアスファルトに接地させておくのも良いと思います。

再生する土が少量の場合は、熱湯をかける方法でも消毒できます。

土のリサイクル材を混ぜる

土の再生には酸性に傾いているようなら苦土石灰や硝酸カルシウム、アルカリ性に傾いているならピートモスなどを混ぜるのもいいですが、一番簡単な方法は土のリサイクル材を混ぜることです。

土のリサイクル材は私自身も使っていて、「母の日の鉢植えのカーネーションを来年も咲かせる」の記事にある「追記:自宅で育てているカーネーションの生育状態」も、古い土にリサイクル材を混ぜて作った土に植えかえたものなので問題なくお使いいただけると思います。

はなこ
はなこ
リサイクル材を混ぜる分量は、袋の裏面に書いてありますので規定どおりに使ってください。

肥料を入れて土をよく混ぜ合わせる

植えつける前にマグァンプKなどの元肥を入れて、全体を混ぜ合わせたら再生用土の出来上がりです。

再生した土で育てる植物の注意点

再生用土を使う場合、前に植えた植物とは異なる「科」に属する植物を植えるようにしてください。

植物によっては同じ土で育てると「連作障害」により生育不良を起こすことがあります。連作障害を防ぐためにも以前とは違う「科」の植物を育てるようにしましょう。

少し手間がかかりますが、処分に困る土を再生させてみましょう。

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