鉢土は植物を育てると、土が最初に持っていたパワーがなくなります。そうなると次に育てる植物が上手く育たなくなってしまいます。ガーデニングを楽しんでいる人にとって、使い終わった古い土の処分というのは悩みのひとつではないでしょうか。
最近ではゴミの分別も細かく行なわれるようになり、私の住んでいる地域でも「処理不適物」として、できるだけ再利用するか自宅の庭にまくなどをして、それでも再利用ができない場合は電話で相談するように勧めています。
あとは新しい土を購入すると、古い土を引き取ってくれるホームセンターもありますが、近くにそのようなお店がない場合が多いのも現状です。
一度使った土はリサイクルをして使うことができますが、前に使った土のまま植えるのではなく、再利用のために少し手を加えてあげなくてはいけません。
なぜ古い土をそのまま使ってはいけないのか?
- 前に植えていた植物の根や葉が残っているので、新しい植物の根が張りにくい。
- 害虫や病気、ウイルスが潜んでいる場合がある。
- 土の中の栄養分がなくなっている。
- 土の構造が変わってしまい、通気性や排水性が悪くなり、根ぐされを起こす場合がある。
古い土を使うデメリットとして、上記のことがあります。
そこで行なってほしいのが土のリサイクルです。
リサイクル方法、最初は土を乾燥させる
1.植えていた植物を処分したあと、鉢やプランターの土には暫く水をやらずに充分に乾燥させます。その時に雑草などが生えていたら取り除いてください。
2.植えていた植物をスコップで掘りあげ、根についた土を落とします。
3.新聞紙などを敷き、その上に土を広げます。
4.古い根が残っていたら取り除きます。同時に鉢底石も取り除いてください。(ふるいを使うと簡単に分けることができます。)鉢底石は綺麗に洗っておくと次も使えます。
5.途中で何度か土を混ぜながら天日干しにします。また新聞紙が湿っているようでしたら取り替えてください。天日干しは夏は1週間程度、冬は2週間程度を目安にしていただければ良いと思います。
6.夏はビニール袋に入れて、直射日光の当たる場所に平らにして置いておく方法も効果的です。
リサイクル方法、微塵を省く
天日干しが終わった土をビニール袋に入れ、軽く地面に落とすように振ってやります。そうすると微塵が底のほうに溜まりますので、上の方にある土を別の袋に入れるなどをして、微塵と分けてしまいます。
微塵というのは砕けて細かくなりすぎた土のことで、この微塵が混じっていると水はけが悪くなり根ぐされの原因になります。
ビニール袋を使う方法以外では目の細かいふるいで分けるのもいいでしょう。一番目の細かいふるいでも通ってしまうものは微塵です。
ふるいには粗目、中目、細目とあります。私は3種類の目のふるいを使って、土を分けています。下の図は使える土と処分する土をわかりやすく書いてみました。
下向きの矢印は土を通していると思って見てください。
土を再生させる
ふるい終わった土を再生させます。
再生させる一番簡単な方法は、土のリサイクル材を混ぜることです。園芸店やホームセンターで販売されていますので、それを使うと簡単に再生土ができます。リサイクル材を使わない場合は、腐葉土や堆肥、赤玉土やバーミキュライトを混ぜ合わせ、そこへ元肥を入れて土を作ります。
土のリサイクル材は私自身使ったことがあり、「母の日の鉢植えのカーネーションを来年も咲かせる」の記事にある「追記:自宅で育てているカーネーションの生育状態」の花も、古い土にリサイクル材を混ぜて作った土に植えかえたものなので、問題なくお使いいただけると思います。リサイクル材を混ぜる分量は、袋の裏面に書いてありますので、分量どおりに使ってください。
腐葉土などを混ぜる場合の分量は、古い土5:新しい土5にします。新しい土は基本的に赤玉小粒6、腐葉土4くらいにすれば良いでしょう。
混ぜて出来上がれば、新しい植物を植えることができます。鉢土に使って残った土は、ビニール袋に入れ、口をしっかり結んで保管してください。
土のリサイクル材は園芸店やホームセンターで販売していますが、かさばって重いのでインターネットでの購入も便利ですね。
土をリサイクルさせて、ふかふかの土にしてくださいね。