個性派の多肉植物、ユーフォルビア・キングマハラジャ(大明神)

近くのホームセンターに日用品を買いに行き、園芸品売り場の前を通ったところ、小さな多肉植物が並んでいる中でひときわ目を引く植物がありました。近づいて買うかどうするか悩みつつ目的の日用品を買い、再度園芸品売り場を通った時、このまま買わずに家に帰ってあとから買えば良かったと後悔するのもなんだし…と思って購入してしまいました。

買ったのは「キングマハラジャ」です。

マハラジャについて

マハラジャは別名で大明神やユウヤケサンゴ(夕焼珊瑚)といいます。下の写真は購入したキングマハラジャです。高さは鉢の下から測ると約50cm、株だけ(土の上から)では約35cmです。

キングマハラジャ

見た目は「柱サボテン」に「サニーレタス」が乗ったようなユニークなフォルムをしていますが、この柱サボテンのように見える下の部分も、サニーレタスっぽい上の部分もサボテンではなくトウダイグサ科ユーフォルビア属の多肉植物で、台木に大雲閣を使い、綴化したラクテアを接ぎ木したものです。ちなみにサボテンはサボテン科です。

  • 大雲閣:柱サボテンに似ており、彩雲閣を改良して大型にしたものです。
  • ラクテア:元々のラクテア自体はサボテンのような形ですが、綴化すると波打った扇のようになります。
綴化(てっか)とは本来なら小さな点である生長点に突然変異が生じた結果、線状に変化する現象です。例えばトサカゲイトウや久留米ゲイトウも綴化によりあのような花になり、変異した形質のまま残ったものです。

このように変異して綴化したラクテアは葉緑体を十分に持つことができず、自力では生きることができません。そのため正常なユーフォルビアを台木にしてあげるのです。また私の購入したのはピンク色をしていますが、これは綴化したラクテアの葉緑体が無くなっているからです。

接いでいる箇所はこんな感じです。

キングマハラジャ接いでいる所



サボテンとサボテン以外の違い

サボテン以外の多肉植物とサボテンの違いですが、例えば今回の大雲閣だと柱サボテンととてもよく似ており、どこが違うのかパッと見ただけでは分かりにくいと思います。

トゲがあるのがサボテンで、トゲがないとサボテン以外の多肉植物と思っている人もいらっしゃるかもしれませんが、トゲのないサボテンもありますし、トゲのあるサボテン以外の多肉植物も多くあります。どちらにもトゲがあったりなかったりするため見分けがつきにくいですが、実はサボテンとそれ以外の多肉植物ではトゲの付き方に違いがあります。

サボテンとサボテン以外の多肉植物の違いは「刺座(しざ)」があるかないかでわかります。刺座はアイオーレともいい、トゲの付け根にある白い綿毛のような部分のことです。

刺座

この刺座はトゲのあるサボテンだけでなく、トゲのないサボテンにも必ず存在します。しかしサボテン以外の多肉植物にトゲがあっても刺座はありません。これが多肉植物とサボテンの違いを見分ける一番のポイントです。

マハラジャの育て方

置き場所

春から秋は日当たりと風通しが良く、雨の当たらない場所で育てます。しかし夏の直射日光は葉焼けを起こすことがありますのでご注意ください。またマハラジャは乾燥ぎみな環境を好みますので、梅雨の長雨で湿度が高い日が続くときは一旦室内に入れた方が安心です。

冬は最低気温が10℃以下になる前に室内に入れて日光の当たる場所で管理してください。多肉植物は水分を多く蓄えていますので凍ると枯れます。

水やりと肥料

キングマハラジャのラベルには「水やりは1ヶ月に1度程度与えて」と書いてあります。乾燥気味で育てるようにしますが、夏も冬も同じ様に1ヶ月に1度と決めないで、夏は土が乾ききってから、場合によっては乾ききってから数日して水やりをしましょう。

冬は月に一度程度で良いと思います。水やりの頻度が多いと根腐れしますので、少ないかなと思う程度で与えてください。

肥料は春に一度だけ緩効性の肥料を与えます。一般的には固形の置き肥が便利だと思います。植え替え時に元肥の入った用土を使った場合は元肥だけで大丈夫です。

キングマハラジャ

植え替えと用土

植え替えは3月~9月頃が適期です。植え替える数日前からは水やりをやめて土を乾燥させてから行うと土がほぐれやすいので植え替えが簡単です。

用土は水はけの良いサボテン用か多肉植物用を使いましょう。

注意すること

過湿や風通しの悪さなどが原因でラクテアが腐ることがあります。腐ったものをそのままにしていると全体に広がっていきますので、消毒したカッターナイフなどで早めに切り取ってください。

育てていると台木のほうから葉が出てくることがあります。成長過程を見たい気持ちになりますが、そのままにしておくと台木から出た芽に体力を奪われ、ラクテアが弱っていきますので消毒したカッターナイフで根元からカットしましょう。

害虫は稀にカイガラムシが付くことがあります。見つけ次第、駆除してください。

ユーフォルビアの毒性について
ユーフォルビアは傷が付いたりすると白い樹液が出ます。手に触れるとかぶれることがありますので、手袋を付けて作業することをお勧めします。もし樹液が手についたら石鹸で手を洗ってください。毒性といっても観賞するにはなにも問題はありません。

今までユーフォルビア属は持っていなくて、ひとつは欲しいと思っていたのですが、まさか初めてのユーフォルビアがキングマハラジャになるとは自分でも驚きです。どのように成長するのかわかりませんが大切に育てていこうと思っています。



育て始めてからの成長

追記:2023年11月1日

2022年10月に購入したキングマハラジャは冬の間は室内で管理し、暖かくなってから屋外で育てて1年が過ぎました。途中一度植え替えをしましたが、台木になっている大雲閣が長いと何度も倒れてしまいそうになるため、少しだけ土の中に入れて短くしました。

毎日観察していると成長具合がわからないので、1年が過ぎたので写真を撮ってみることにします。

キングマハラジャ

この写真は1年前の写真とは反対側の方向から撮ったものです。次の写真は1年前に撮った写真と同じ方向から撮って比較したものです。

キングマハラジャ

台木の大雲閣を見て分かるように、1年前の写真とはカメラの倍率が違っています。成長したので1年前より小さくしないと全体が写りませんでした。

比較すると色も形も変化しています。このあとどうしていけばいいのか手探りですが、成長を見守りたいと思います。

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