名前にキクと付いているのにキクではないシュウメイギク(秋明菊)

秋の風情を感じさせてくれる花が咲き始めました。シュウメイギク(秋明菊)もそのひとつです。しかしこのシュウメイギク、キクといいながらも菊の花とは若干違う形に見えます。それもそのはずでシュウメイギクはキク科の植物ではありません。

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シュウメイギクについて

9月頃から11月頃まで白やピンクの花を咲かせるシュウメイギクは、まるで菊の花のような名前が付いていますが、キク科ではなくキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草です。英名でJapanese anemone(ジャパニーズ アネモネ)といい、この名前からでもアネモネの仲間だとわかります。

シュウメイギク

シュウメイギクにはいろいろな種類がありますが、園芸種でよく見るのが上の写真のような花です。次にアネモネを見てみましょう。

アネモネ

見比べてみるとキクの花よりアネモネに似ているような気もします。ただ下の写真のような八重咲きのシュウメイギクはキクに似ているので、このような名前になったのだろうと思います。

八重のシュウメイギク

シュウメイギクは別名で貴船菊と呼ばれることがありますが、これは京都の貴船近辺に多く自生していたことからこのような名前になったそうです。その他にも秋牡丹という別名もあります。

シュウメイギク(貴船菊)の名所
善峯寺(よしみねでら)は、一重や八重のシュウメイギクが約5,000本群生しています。



シュウメイギクの花はどれ?

シュウメイギクのピンクや白い花のように見えているのは、花びらではなくガク片です。ガク片の中心にある薄い緑色をした丸い部分は雌しべの集合体で、その周りには多数の雄しべが付いています。

因みにアネモネの花も、花びらのように見えている部分はシュウメイギクと同じでガク片です。イチリンソウ属には花弁がないのです。

シュウメイギクの育て方

シュウメイギクは開花後に種子もできて、種まきから育てることができます。ただ種子のできない品種もありますが、シュウメイギクの殆どが地下茎で増えていくため、種ができるかできないかはあまり気にする必要はありません。

種から育てる場合

種から育てる場合は、用土の上に種を置き、覆土をせずに育て始めます。小さな種ですし覆土をしないので風で飛ばないように注意しましょう。芽が出るまでは乾燥させてはいけません。水やりをする時には水流で種が流れてしまわないようにそっと優しく与えてください。

芽が出て春の植え付け時期がきたら、鉢や地植えにして育てます。

苗から育てる場合

苗から育てる場合は草花用培養土、あるいは赤玉土7:腐葉土3の割合で配合した土に元肥を混ぜ、鉢底ネット、鉢底石、用土を入れ、根を崩さないようにして植え付けます。

育ってきて草丈が高くなるようなら支柱を立てておく方が安心です。

増やし方は、花が終わった後の種を取って種から育てる方法もありますが、地植えの場合は放置していても地下茎を伸ばし増えていってくれます。冬になると地上部は枯れてしまいますが地下茎は休眠しており、春になると芽を出して育ちはじめます。

種を取って種から育てるのであれば、地上部が枯れたあとの12月~1月くらいに綿毛が浮いてきた時が採取する時期です。綿毛をそのままにしておくと風に乗ってあちこちに種が飛び、庭がシュウメイギクだらけになってしまうかもしれませんので、そうしたくない場合は種が飛ぶ前に切ってしまいましょう。

シュウメイギクの種

株分けで増やすこともできます。

株分けは3月~4月の植え替え時に3芽程度ずつ切り取り、新しい鉢に植え付けて育てます。根がしっかり出るまでは半日陰で土が乾かないように育てましょう。他にも根伏せでも増やすことができます。根伏せの場合は根を5cm程度に切り取り用土に寝かせてから覆土します。

シュウメイギクは生育が旺盛なのでランナーを伸ばし増えていきますので、不必要な個所はランナーを根から切るようにしましょう。鉢植えの場合は根詰まりを起こしやすいので、できれば1年毎に植え替えをしてください。

水やりと肥料について

夏の直射日光が当たらない半日陰で育てましょう。乾燥には弱いですが、水はけが悪いと根腐れを起こす場合がありますので注意が必要です。

地植えの場合は半日陰であれば土が乾燥しない限り、水やりは必要ありません。鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたらたっぷりと与えてください。

肥料は植え付け時に元肥を入れてから植えるようにし、そのあとは半年に一度(春と秋)に緩効性肥料を株元から離れた所に置きます。置き肥や液肥も成長期には必要ですが、肥料を与え過ぎると根を傷めてしまう原因になりますので、普通の草花より少ない頻度で与えるようにしてください。

固形肥料を株元から離して置く理由
株元に置くと与えすぎの状態になってしまい根を傷める原因になります。

シュウメイギク


シュウメイギクの切り花について

お家で育てているシュウメイギクは切り花にもできます。また秋になると花屋でも販売しているお店もあります。しかしこの花は切り花にすると、すぐに頭を下げてしまうことが多いようです。

水揚げというと水の中で茎をカットする水切りが一番ポピュラーな方法ですが、シュウメイギクは水切りだけでは上手く水を吸ってくれません。

そこでお試しいただきたいのが、次の水揚げ方法です。

水揚げについて

割る・叩く
茎の根元を割ったり、叩いて水をあげやすくします。叩くときは切り口を潰し過ぎない程度に叩くようにしてください。

湯揚げ
60度以上の熱湯に30秒~60秒ほどつけてからすぐに水に移します。熱湯につける時間は茎の太さによって変えるようにしてください。

焼く
バーナーなどで茎の根元3cm程を炭化するまで焼いてから水につけます。

自宅で育てていたシュウメイギクを切り花として飾る場合、水揚げも大切ですが切り花にする前日にしっかりと水やりをしてから切り花にすると良いと思います。

花屋で切り花になっているシュウメイギクを購入した場合は、販売している店ではしっかりと水揚げを行ってから販売されていると思いますが、家に持って帰って生ける前に茎を少しカットしたのち、割るか叩くかしてから生けるようにしてください。それでもどうしても首が垂れてしまうようであれば、焼いたり湯揚げもお試しください。

季節はもうすっかり秋です。夏の花と違ってしっとり落ち着いたイメージの花が多くなってきます。秋の花を飾っておうち時間をお楽しみくださいね。

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