母の日のカーネーションに対して父の日はバラの花を贈ります。そしてバラの中でも黄色いバラといわれていますが、本来の色は黄色ではありませんでした。
でもその前にバラを贈るようになった理由からお話します。
父の日にバラを贈るようになった理由
父の日にバラを贈るようになったのは母の日が始まって暫く経った頃、アメリカに住んでいたソノラ・スマート・ドッド夫人が自身のお父さんの墓前に白いバラをお供えしたことが始まりといわれています。
ドット夫人のお母さんは早くに亡くなっており、お父さんは彼女を含め6人の子供を育て上げて子供たちが成人したのち亡くなります。そんなお父さんに感謝の気持ちを込めてお供えした花が白いバラでした。
母の日があるのなら父の日も同じように作りたいと願ったドット夫人は、1909年6月19日に礼拝を行ないます。
そして1916年にはアメリカで父の日が認識されるようになり、1966年に大統領告示を発し父の日として定められたあと1972年に正式な国の記念日(祝日)として6月の第3日曜日に制定されました。
しかしその当時はご存命のお父さんには赤いバラを、お亡くなりになっていたら白いバラを贈っていました。
父の日に黄色いバラを贈るようになった理由
父の日が日本に伝わったのは1950年以降だといわれています。
このキャンペーンは 「黄色いリボンでお父さんに贈り物をしましょう」 ということを柱として展開していたため、黄色がクローズアップされたのです。
イギリスでは黄色は「身を守るための色」とされており、アメリカに渡って「愛する人の無事を願うもの」になりました。黄色には「うれしさ」「楽しさ」「暖かさ」「幸せ」「富貴」「向上」「希望」といった意味があります。
このように黄色の持つ意味などから父の日のシンボルになり、バラを贈る風習と共に黄色がイメージカラーとしても定着し、父の日には黄色いバラを贈ることが定番となりました。
最近では黄色いバラに限らず黄色い花が父の日に贈る花として認識されています。ひまわりなども人気のある花です。夏に向かっていく季節ということもあり、フレッシュ感や元気なイメージを持つ黄色の花は父の日にピッタリのフラワーギフトかもしれません。
世界の父の日事情
日本では6月の第3日曜日が父の日ですが、外国ではどのようになっているかといいますと…。
アメリカ
アメリカの父の日は日本と同じ6月の第3日曜日です。先にも書いたように父親が存命の場合は赤いバラを、すでに亡くなっている場合は白いバラを贈ります。
イタリア
イタリアでは356日さまざまな聖人の日があてがわれています。イタリアの父の日はキリストの育ての父にあたる聖人「サン・ジュゼッペ」の祝日である3月19日です。
父の日は家族みんなで食卓を囲んで楽しい食事をするのが一般的な過ごし方です。
フランス
フランスの父の日も日本と同じ6月の第3日曜日です。アメリカと同じように父親が存命の場合は赤いバラを、すでに亡くなっている場合は白いバラを贈ります。
ドイツ
ドイツの父の日は「キリスト昇天祭」の日に行われます。
キリスト昇天祭とは死後復活したキリストが天に昇ったことを記念するお祝いの日です。イースター(復活祭)当日を1週目として、そこから6週目の木曜日が昇天祭にあたります。イースターは毎年日付が変わる移動祝日なので、父の日(キリスト昇天祭)も4月下旬から6月上旬のいずれかの日になります。
昔は若いお父さんに父親としてのマナーを教える日だったのですが、現在は外でお酒を飲んだり友達と盛り上がったりと、お父さんたちが家の外で羽を伸ばす日になっているそうです。
韓国
父の日は特に制定されていなくて5月8日が父母の日として両親に感謝する日となっています。韓国は儒教の国ですから、特にお父さんやお母さんを大切にする文化があるようです。
母の日に比べて少しだけ存在感がないような気がする父の日。そしてプレゼントといえば、ネクタイなどの装飾品やお酒などの嗜好品を思い浮かべがちでフラワーギフトはなかなか結びつきませんが、本来の風習に戻って赤いバラや日本の父の日としての黄色いバラを贈ってみてはいかがでしょうか。
暑い季節にもなっていますし、切り花はちょっと…と思われたら観葉植物や多肉植物なども喜んでいただけるかもしれません。
日頃はなかなか伝えにくい感謝の気持ちをギフトと共に伝えてみてはいかがでしょう。