有限花序(ゆうげんかじょ)
花序というのは枝や茎の上における花の配列状態のことです。
有限花序は花が花軸の頂部から下方へ、または中心から外側へと順次咲いていくもののことです。またチューリップなどのように1本の茎にひとつの花を咲かせるものも有限花序に入ります。
逆にストックやデルフィニウムのように、花が花軸の元のほうから先端に向けて順次咲いていくものは無限花序といいます。
雄蕊先熟(ゆうずいせんじゅく)
ひとつの花に雄しべと雌しべを持っている花を両性花といいます。その両性花のうち、雄しべが雌しべより先に成熟するものを雄蕊先熟と呼びます。
植物には自家受粉と他家受粉があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
- 自家受粉:同一の個体において受粉して受精すること
- 他家受粉:別の個体において受粉して受精すること
自家受粉の場合は受粉の確立は高くなりますが、遺伝的には悪くなるケースも出てきます。対して他家受粉の場合は受粉の確立は低くなりますが、遺伝子の点を考えると良い結果になります。
良い種を残そうとしたら、雌しべと雄しべが同時に成熟してしまうと自家受粉してしまうケースが多くなります。それを避けるために雄しべ、あるいは雌しべのどちらかが先に成熟し、遅れてあと片方が成熟すると他家受粉する可能性が高くなります。
雄しべが先に成熟することは雄蕊先熟ですが、雌しべが先に成熟することは雌蕊(しずい)先熟といいます。
雄性不稔(ゆうせいふねん)
雌しべなどの生殖器官は正常ですが、雄しべや花粉などの雄性生殖器官に異常があり、受粉ができないものを雄性不稔といいます。この雄性不稔を起こす原因として、温度やウイルス病などによる場合と遺伝的な場合があるようです。
輸入花(ゆにゅうばな)
海外から輸入されている花卉、切花のことです。鉢植えは土が付いたままでは輸入ができません。
最近の花卉輸入量はどんどん増えています。
一例では母の日に使われるカーネーションはコロンビアから、菊類は中国が多く、ほかにもマレーシアや台湾、シンガポールなど、いろいろな国からの輸入が増えてきました。
UPOV条約(ゆぽふじょうやく)
植物の新品種の保護に関する国際条約のことで、植物の新品種育成者の権利保護を目的として1961年にパリで作成されました。
日本は1978年にUPOV条約に対応した種苗法を制定し1982年に加盟、その後1991年に大幅に改定された後、日本もそれを受けて種苗法を改定しています。
条約に基づいて設立された国際機関である植物新品種保護国際同盟の仏語略称(Union internationale pour la protection des obtentions végétales)に因んでUPOV条約と呼びます。