矮化剤(わいかざい)
矮化剤は植物の成長を調整する薬剤で、節間伸長を抑制して草丈を低くする目的で使用します。茎の伸長を抑制しますが、葉や花にはあまり作用しません。
販売されている鉢植えには、それなりの数で矮化剤を使って育てられているものが多く、アジサイやハイビスカスなど、本来の草丈ではなくコンパクトになっている鉢植えの花には、その殆どに矮化剤が使われていると言っても間違いありません。使われている理由としては、おそらくコンパクトに纏まっている方が可愛いということではないでしょうか。
また菊の品評会や展覧会に出展される丈を短く仕立てる花も、出品される人が上手に矮化剤を使っていらっしゃるはずです。ホームセンターや園芸店で販売されているビーナインという矮化剤はよく知られています。
ただしあまり多用すると、花や葉に奇形が現れるので注意が必要です。植物によって濃度や回数が異なりますので、調べてから与えるようにしてください。
矮性(わいせい)
遺伝的に節間伸長が少なく、草丈が低いまま育つ特性のことを矮性と言います。
ガーデニングのスペースがあまり広くない場合には、矮性の植物を選ぶと纏めやすくなります。ただし、矮化剤を使っての矮性の場合、翌年以降は本来の草丈になります。
矮性台木(わいせいだいぎ)
矮性台や矮台とも言い、矮性の特徴を持った台木のことです。
矮性の台木に普通に育つ木を接ぎ木して育てると、接ぎ木された普通種は矮性に育ちます。近年、リンゴやモモなどは授粉から袋掛け、薬剤散布や収穫もしやすいように樹高を低くして栽培するために矮性台木を使って育てることが多くなっています。
また病害虫に対して抵抗性のある台木に接ぎ木すると、被害を回避することもできるようです。
ワシントン条約(わしんとんじょうやく)
正式には【絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約】という名称で、1973年にアメリカ合衆国ワシントンで条約採択会議が開催され1975年に発行しました。
内容は野生動植物が国際取引によって過度に利用されるのを防ぐため、 国際協力によって種を保護するための条約で、日本は1973年に調印、1980年に締約国になっています。
英語ではConvention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Floraといい、頭文字をとってCITES(サイテス)とも呼びます。
種別では次のように分かれています。
絶滅危惧種:現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用するならば、その存続は困難なもの。
残存種:過去にあった植物のうち、生育環境の変化によって衰退し、現在は特定の地域に生存、生育しているもの。
固有種:ある特定の地域のみにしか分布していないもの。
希急種:いますぐ絶滅するというわけではありませんが、このまま放置すれば確実に絶滅の方向に向かうと考えられるもの。
希少種:特に絶滅の恐れがあるということではありませんが、もともと生育している場所や個体数が非常に少ないもの。