育種(いくしゅ)
生物を改良して人間にとって有利な品種を作り出すことを育種といいます。
有用な形質を持つ品種同士の掛け合わせによる選抜育種、人工的に交雑を行って作る交雑育種などのほか、接ぎ木による育種やF1育種、突然変異系の育種、倍数体育種、細胞融合育種、遺伝子組み換え育種などがあります。
異形花柱花(いけいかちゅうか)
雄しべより雌しべが長く出ているものを長花柱花(ピン型)といい、雌しべが雄しべの内側に隠れるものを短花柱花(スラム型)といいますが、このふたつが同じ種の中で混在して見られるものを異形花柱花といい、ソバやサクラソウ属で見られます。
次の写真はプリムラの長花柱花です。花柱が長くてピンが刺さっているように見えると思います。
次の写真は同じくプリムラの短花柱花です。雄しべの葯が見えますね。
このような異形花柱花を持つ花は、同じ花の花粉による受精(自家受精)はせず、長花柱花は短花柱花の花粉で受精し、短花柱花は長花柱花の花粉で受精します。
ただこの長花柱花と短花柱花に加えて柱頭と葯が同位置にある花があり、それを等花柱花といいますが、このタイプは自家受粉しやすい性質があります。
移植(いしょく)
植えてある植物を掘り上げて別の場所に植えなおすことを移植といいます。植え替えと同義語で使われることが多いですが、鉢から鉢への植え替えは移植といわずに鉢替えといいます。
そのほかにも苗床や鉢で育てた植物を最終的に育てる場所に植えかえることを定植、定植を前提とした移植や植え替えを仮植といいます。
一代交配種(いちだいこうはいしゅ)
遺伝子の均質性が高い両親の交配によって生まれる雑種一代目の品種のことを一代交配種といいます。
一代雑種やF1種ともいいます。
居接ぎ(いつぎ)
台木を掘り上げないで畑に植えたまま接ぎ木をすることを居接ぎといい、活着に時間がかかる植物でも台木を掘り上げて接ぐ揚げ接ぎより成功率は高くなります。
病害虫や気象現象などの原因で枝を失った時の補修や、樹形の美感を高める修正を目的にして居接ぎを行うこともあります。
一季咲き(いっきざき)
一季咲きは一年のうちの一定の期間だけ開花する性質のことです。
一季咲きに対して、四季を通してある温度帯になれば開花する性質は四季咲きといいます。
一才植物(いっさいしょくぶつ)
発芽から開花・結実まで数年かかる植物で、その期間が元の植物が育つ期間より短期間で育つように改良された植物を一才植物または一才ものといいます。
サルスベリ、フジ、サクラ、クワ、ザクロ、ミカン、キンカン、ヤマブドウなどが苗で販売されています。
忌み枝(いみえだ)
盆栽や庭木で樹形を乱す枝や枯れた枝、病気の枝や風通しを悪くする枝などの不要とされる枝のことを忌み枝といいます。
忌み枝には次のような種類があります。
- 徒長枝:ほかの枝より勢い良く伸びすぎた枝
- 立ち枝:垂直に伸びている枝
- 逆さ枝:ほかの枝とは逆向きに伸びている枝
- 交差枝:主要な枝や幹と交差している枝
- 落ち枝:下向きに伸びている枝
- 平行枝:複数の枝が平行で同じ方向に伸びた枝
- 車枝:一箇所から3本以上の枝が出ている
- 閂枝:2本の枝が樹幹を挟んで左右対称に出ている
- 絡み枝:交差するように伸びている枝
- ひこばえ:樹の根元から出ている枝
隠花植物(いんかしょくぶつ)
シダ類、コケ類、藻類などの花の咲かない植物の総称です。花を持つ顕花植物に対しての語ですが、近年は植物界を顕花植物と隠花植物に分けることの意味が問われ、生物界では死語になりつつあるようです。
イングリッシュガーデン(いんぐりっしゅがーでん)
イングリッシュガーデンはイギリス式庭園やイギリス風景庭園とも呼ばれ、19世紀後期以降に普及した自然風に作った庭園のことで、日本でもガーデニングブームの要因のひとつとして広く知られるようになりました。
イングリッシュガーデンは自然にできたような庭の雰囲気を楽しむものですが、いくら「自然にできたような」といっても、自然のまま放置するだけではただの荒れた庭になってしまいますので、植物の特性や色などを考えて年間通してバランスのよいガーデン作りをすることが大切です。
またエクステリアや小物もできるだけ自然素材のものを使うのがポイントです。