秋の定番切り花8種類・長持ちさせるコツと購入する時のポイント

春は可愛い切り花、夏は暑い中でも元気いっぱいに咲く切り花が多いですが、秋は少し和風で落ち着いた感じの花を生けたくなります。

今回は秋の切り花を8種類紹介いたします。

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コスモス

和名:秋桜(アキザクラ) 英名:Cosmos(コスモス)

メキシコ原産のキク科コスモス属の一年草で、日本へは1879年(明治12年)に渡来しました。秋桜という和名が付けられたのは「秋に桜のような花を咲かせるから」だそうですが、実際は桜はバラ科、コスモスはキク科なので桜とコスモスは異なる植物です。

秋桜をコスモスと読むと思っている人も多いですが、秋桜はアキザクラと読みます。ではなぜ秋桜と書いてコスモスと読むようになったのかと言いますと、山口百恵さんが歌った「秋桜」をコスモスと読ませたことがきっかけです。歌のヒットにより秋桜はアキザクラよりコスモスと読むようになりました。

コスモスは大きく次のように分けられます。

  • オオハルシャギク(大春車菊・大波斯菊):一般的なコスモスです。
  • キバナコスモス(黄花コスモス):オオハルシャギクとは同じコスモス属ですが、種の部分が異なりキバナコスモス種になります。オオハルシャギクより暑さに強いので早い時期から咲きます。オオハルシャギクとは交配できません。
  • チョコレートコスモス:コスモス属チョコレートコスモス種の多年草です。キバナコスモスとの交配が可能です。「チョコモカ」「キャラメルチョコレート」「ストロベリーチョコレート」など美味しそうな名前が付いています。

秋の切り花コスモス

コスモスを選ぶポイント

キク科なので、中心部分は筒状花、周りの花びらは舌状花といいます。

筒状花は外側から内側に向かって咲いていきますので、中心まで咲いていないもので、舌状花に欠けのないものを選びましょう。

お店で販売されているコスモスは白やピンクなど一番よく知られているセンセーション、ピンクの縁取りのあるピコティ、大輪のベルサイユ、八重のダブルクリックなどがありますので、花色や形や大きさなどいろいろとお楽しみください。

コスモスを生ける時

生ける前は水切りで問題ないと思いますが、水の吸い上げが悪いようでしたら湯上げをしてください。

湯上げの方法

  • 熱湯の入った容器と水の入った深さのある容器を用意します。
  • 茎の下10cmほどを残し新聞紙などで包みます。
  • 茎を斜めにカットして熱湯に10~20秒浸けます。
  • すぐに水の入った容器に真っ直ぐ立てるように入れて3時間ほどそのままにします。
  • 水があがったのを確認して新聞紙を外し、花瓶などに生けます。

花瓶の水は毎日取り換えて、茎は少しずつ切り戻して生けなおします。水を換えた時は花瓶も綺麗に洗いましょう。

リンドウ

和名:竜胆(リンドウ) 英名:Gentian(ジェンシャン)

日本、中国、朝鮮半島、シベリアが原産地のリンドウ科リンドウ属の多年草で、世界で約400種、日本には約20種が自生しています。

和名の竜胆は中国植物名の竜胆(りゅうたん)を音読みしたもので、苦いことで古くから知られる生薬の熊胆(くまのい)よりも苦いという意味で「竜胆」と付けられました。

現在切り花として流通しているリンドウはエゾリンドウ系とササリンドウ系に大別され、濃い青色をして花が咲かないのがエゾリンドウ系、花が開花するのがササリンドウ系です。

秋の切り花リンドウ

リンドウを選ぶポイント

一番よく見るのがエゾリンドウ系で濃い青色で花が咲かないタイプですが、他にも白、薄緑、ピンク、白に薄いブルーなど色も増えてきました。

選ぶ時は花が茶色に変色し始めていなくて、葉も黄色や茶色になっていないものにしましょう。出回る時期はエゾリンドウ系が少し早く、その後にササリンドウ系です。

リンドウを生ける時

リンドウは茎の下の方まで葉が付いていますので水に浸かる部分の葉は取り除き、水に浸からないようにしましょう。

生ける前には水切りをしますが、水切りで上手く水が揚がらなかったら手折りをしてください。

手折りは水切りをするときと同じようにボウルなどに水を張り、その中でハサミを使わず手でポキッと折ってしまう方法です。リンドウの茎は硬いので簡単に折れます。

浅水で生け、こまめに切り戻しをして茎と花瓶を洗い水を交換して生けなおしてください。アレンジメントで使う時は、花の付いていない箇所で切り分けることができるので便利です。


ダリア

和名:天竺牡丹(テンジクボタン) 英名:Dahlia(ダリア)

花がボタンに似ていることから和名でテンジクボタンと付きました。メキシコ、グァテマラ原産のキク科ダリア属の球根多年草です。

球根ですが、種から育てることができます。数年前にダリア園に行った時、種を貰ったのを撒いて育てていますが、植えた1年目だけでなく数年経った今年も綺麗に花を咲かせてくれています。しっかりとした球根に育ってくれたのだと思っています。

咲き方は豊富です。

  • 一重咲き:シングル咲きともいいます。平らな花びらで一重です。
  • 八重咲き:デコラティブ咲きともいい、華やかでいかにもダリアという感じです。
  • ボール咲き:八重で球形になっています。
  • ポンポン咲き:ボール咲きの小さいものです。
  • カクタス咲き:細い花びらが外側に巻いていて先が尖っています。
  • スイレン咲き:平らな花びらで外側に放射状に咲きます。
  • アネモネ咲き:中心部が筒状になっています。
  • オーキッド咲き:花びらが内側に丸くなり半管状になっています。
  • コラレット咲き:外側は大きな花びら、内側に小さな花びらという咲き方です。
  • ピオニー咲き:幅の広い花びらが八重になっています。
ボール咲きとポンポン咲きの違いですが、花径が5cm以上だとボール咲き、5cm以下だとポンポン咲きといいます。
秋の切り花ダリア

ダリアを選ぶポイント

咲き方もいろいろありますが、サイズも超巨大輪だと30cm以上、逆に超小輪だと3cm以下というようにいろいろあって、選ぶ楽しみがあります。ただ切り花として販売しているかどうかはわかりません。それでも花色も花形もサイズも豊富なので選ぶ楽しみがあります。

購入時は外側の花びらの色が変色していなくて、茎が硬くしっかりとしているものを選んでください。

ダリアを生ける時

生ける前は水切りで問題ないと思いますが、水の揚がりが悪いようでしたら湯上げをしてください。

湯上げをするときは切り口から10cm程度を残して新聞紙などで巻いてから行ってください。茎を切り20~30秒ほど熱湯に浸けてからたっぷりと水の入った深めの容器に2時間ほど浸けてそのままにし、水が揚がっているのを確認して新聞紙を外して花瓶に生けるようにしましょう。

毎日花瓶の水を換えて、その都度茎にぬめりがあれば洗い流し切り戻しをして生けなおしてください。

キク

和名:家菊(イエギク) 英名:Chrysanthemum(クリサンセマム)

キクの正式名称はイエギクといいます。キク科キク属の多年草で、日本では観賞用として花卉園芸で発展したものを和菊、西ヨーロッパで生まれた品種群を洋菊といいます。キクのことをマムとも呼びますが、これは英名のChrysanthemum(クリサンセマム)を略したmum(マム)からきています。

和菊は開花時期や花径で分類されることがあります。

開花時期で分類

  • 夏菊:5~7月頃
  • 夏秋菊:8~9月頃
  • 秋菊:10~11月頃
  • 寒菊:12~1月頃

花径で分類

  • 大菊(大輪菊):花の直径が18cm以上でひとつの茎に一輪だけ咲く菊です。
  • 中菊(中輪菊):花の直径が9~18cmで嵯峨菊や江戸菊など伝統的な菊も含まれます。
  • 小菊(小輪菊):いわゆる小菊で花の直径が9cm未満のもの。花色や花びらの付き方が豊富です。

洋菊はスプレーギク、ポットマム、ガーデンマムなどがあります。

秋の切り花キク

キクを選ぶポイント

切り花のキク、特に和菊は仏事にお使いになることが多いようです。でもピンポンマムやスプレーマムならお部屋に飾ることができると思います。可愛い色やアンティークな色もあり花持ちもいいですし、秋の花材のひとつとして選んでみるのもいいのではないでしょうか。

購入する時は花はもちろんですが、葉がシャンとしているものを選ぶと長持ちします。

キクを生ける時

キクは水切りより水折りのほうが水の揚がりが良くなります。

水折りの方法は、水切りをする時と同じように水を入れたボウルなどの中で、手で茎をパキッと折ります。折ったところが斜めになっていたり裂けたようになっていてもハサミで切り直さなくても大丈夫です。

生けた後は水をこまめに取り換えて、茎と花瓶を洗ってから、また最初と同じように手折りで切り戻しをして生けるようにしてください。

ダイヤモンドリリー

和名:姫彼岸花(ヒメヒガンバナ) 英名:Diamond lily(ダイヤモンドリリー)

キラキラとした花びらを持つダイヤモンドリリーですが、これってネリネに似ていますよね。それもそのはず、ダイヤモンドリリーはネリネです。しかしネリネはキラキラしていないので別物のように見えます。

ネリネもダイヤモンドリリーもヒガンバナ科ネリネ属です。原産地の南アフリカには原種がいくつかあり、ネリネはネリネ・ボーデニー(Nerine bowdenii)という品種を改良してできたもの、ダイヤモンドリリーはネリネ・サルニエンシス(Nerine sarniensis)を改良してできたものです。

切り花としては別種の扱いになっているのか、ネリネもダイヤモンドリリーもそれぞれの名前で販売しています。ネリネの花びらはダイヤモンドリリーより細くて少しだけフリルが入っています。そしてキラキラしていません。キラキラしていたらダイヤモンドリリーなので、わかりやすいはずです。

秋の切り花ダイヤモンドリリー


ダイヤモンドリリーを選ぶポイント

蕾が大きそうで花びらが肉厚なものを選ぶと、咲いた時にボリューム感とキラキラ度合いが高い花を楽しめます。

10月から12月くらいまでしか出回らない季節限定の切り花なので、見かけたら是非生けてみてください。花持ちも良いのでお勧めです。

ダイヤモンドリリーを生ける時

生ける前に水切りをするだけで大丈夫です。

花の付け根に皮のようなものが残っているかもしれませんが、枯れてくると見栄えが良くないので生ける前に取り除いてください。花が開花するとユリのような花粉が見えてきますので、早めに取ってしまいましょう。花粉を取ってしまう方が花は長持ちします。

ワレモコウ

和名:吾亦紅(ワレモコウ) 英名:Great burnet(グレイトバーネット)

漢字で「吾亦紅」と書く他にも「吾木香」や「吾妹紅」とも書きますが、私は「吾もまた紅なり」という意味の「吾亦紅」という字が好きです。

バラ科ワレモコウ属で、日当たりのよい草原で見ることができる多年草です。晩夏から秋になると枝分かれした茎の先端に密集して赤茶色の花を咲かせます。花と書きましたが、実はワレモコウには花びらがなく4枚のガクがあるだけです。

華やかさはない花ですが、いつもの切り花にワレモコウを少し加えるだけで秋っぽい雰囲気になると思います。

秋の切り花ワレモコウ

ワレモコウを選ぶポイント

新鮮なうちからまるでドライフラワーのようにも見えるワレモコウですが、新鮮な時は少し茶色がかった赤色ですが、古くなってきてドライになり始めると茶色が強くなりますので、赤っぽい色をした花を選ぶようにしましょう。

葉も古くなると黄色くなったり、葉先が茶色になったりします。茎も同じような色になり、柔軟性も減ってきます。葉や茎の色が緑色で茎が柔らかく、瑞々しく見えるものを選ぶようにしてください。

ワレモコウを生ける時

水切りをしてみても水が揚がりにくそうな時は、熱湯による湯揚げや切り口を炭化するまで焼く方法をお試しください。

湯上げの場合も焼く場合も、切り口から10cmほど残してあとは新聞紙などで包んでから行うようにしましょう。湯上げの時、お湯に浸ける時間は10~15秒ほどで大丈夫です。湯上げ、あるいは焼いた後は深水に浸けておけば2時間ほどで水は揚がると思います。

ワレモコウはメインになる花ではありませんので、カスミソウのように花の脇役として使ってみてください。

ケイトウ

和名:鶏頭・鶏冠(ケイトウ) 英名:Plumed cockscomb(プルームドコックスコム)

ヒユ科ケイトウ属の一年草で、約50種ほどがアジア、アフリカ、アメリカの熱帯・亜熱帯地域に分布しており、日本へは奈良時代に中国から渡来しました。

ケイトウはトサカ系、久留米系、ブルモーサ系、キルドシー系、ノゲイトウ系に分類されています。

  • トサカ系:一般的によく見るケイトウでニワトリのトサカのような形状から名前が付けられました。
  • 久留米系:トサカ系が丸く半球状になったケイトウです。
  • ブルモーサ系:円錐形の柔らかな花穂が特徴のケイトウです。羽毛ゲイトウ系ともいいます。
  • キルドシー系:羽毛のような花穂が束になって咲きます。ヤリゲイトウ系ともいいます。
  • ノゲイトウ系:細い円錐形で、枝分かれして沢山の穂をつけます。

和名の鶏頭(鶏冠)はトサカ系ケイトウから付けられたのですね。

ケイトウという名前の付くものに「ヒモゲイトウ(アマランサス)」や「ハゲイトウ」がありますが、ヒモゲイトウはヒユ科アマランサス属で、ハゲイトウはヒユ科ヒユ属なのでケイトウとは別属の植物です。

秋の切り花ケイトウ

ケイトウを選ぶポイント

和のイメージが強いケイトウですが、アンティークピンクやグリーンといった色だと秋っぽさを感じさせてくれますし、ノゲイトウはセロシアという名前で販売されていることが多く、いかにもケイトウという感じではないので使いやすいと思います。

購入する時は花に変色がなく、葉が瑞々しいものを選んでください。

ケイトウを生ける時

ケイトウは生ける前に水切りをするだけいいのですが、水の下がりやすい花でもあります。特に花が重い久留米系は水が下がると花が垂れてきますので、その時は新聞紙に巻いて水切りをして暫く深水に浸けてあげてください。

また葉が沢山ついているようでしたら、生ける前に整理したほうが花に十分な水を与えることができます。あとはこまめに水を換えて切り戻しをしてから生けなおしましょう。

実もの

秋は実りの季節というように切り花でも「実もの」が店頭に並びます。

ハナナス、フォックスフェイス(ツノナス)、シンフォリカルポス、ムラサキシキブ、ノブドウ、トウガラシ、サンキライ、ツルウメモドキ、他にも実を楽しむ切り花がいっぱいです。またハロウィンの前になるとおもちゃカボチャも店頭に並びます。

実の大きさや形状などさまざまですので、飾る場所に合った実ものを見つけてくださいね。

秋の切り花実もの

実ものを選ぶポイント

実にハリがあり変色していないものを選びましょう。

実ものを生ける時

たいていの実ものは水切りで問題ありませんし、フォックスフェイスなどは水揚げ不要です。

水切りをしても元気がないようでしたら、切り口を叩くあるいは焼く方法を行います。

またトウガラシのように実によってはドライフラワーにできます。ドライになったらクリスマスリースやスワッグなどの飾りにもなりますのでお試しください。

夏と違って、少しずつ花の持ちも良くなってきます。秋にしか出回らない切り花も多くありますので、季節の花をお楽しみくださいね。

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