帯化(たいか)
植物の茎や枝や花序などが扁平化する奇形の一種で、綴化(てっか)あるいは石化(せっか)ともいわれます。
知られているのは石化ヤナギや石化ケイトウで、石化ヤナギは生け花でも枝ぶりを生かすと面白いのでよく使われる花材のひとつです。サボテンや多肉植物にも見られます。
台木(だいぎ)
台木は接ぎ木をするときに土台となる植物のことで、穂木を接合して共生させます。接合させると台木と穂木の切り口にある形成層という分裂組織同士がくっついて新しい細胞を作ることにより、台木から吸い上げた水分や養分を穂木に送ることができるようになります。
台木には根張りが良く、病気や環境にも強い品種が使われ、穂木との親和性の良いものを選びます。
もし台木から芽が出ていたら、それは台木に使っている植物の芽ですので必ず摘み取るようにしてください。取らないと穂木が台木に負けて本来育てているはずの植物を枯らし、台木になっている植物が育ってしまいます。
堆肥(たいひ)
堆肥は落ち葉、藁、野草、動物の糞尿などを堆積し発酵させたものです。狭義では植物由来のものを堆肥といい、動物の糞尿などに由来するものは厩肥といいます。
原料の有機物により落ち葉由来なら腐葉土、樹木の皮由来ならバーク堆肥、もみがら由来ならもみがら堆肥と呼びます。良い土作りには必要な堆肥ですが、肥料分は少なく土壌改良材として使います。
他家受粉(たかじゅふん)
花粉が別の個体、別の株の雌しべについて受精することを他家受粉といいます。
植物の受粉には自家受粉と他家受粉があり、植物全体では他家受粉のほうが多く、その理由として自家受粉の場合は受粉の確立は高くなりますが、遺伝的には悪くなるケースも出てきます。他家受粉の場合は受粉の確立は低くなりますが、遺伝的多様性を維持することができます。
高接ぎ(たかつぎ)
接ぎ木のひとつで地面から離れた高い場所にある太い枝に接ぎ木する方法のことです。高接ぎを利用すると収穫までの年数が短くなるため、短期間で品種の更新ができます。
多肉植物(たにくしょくぶつ)
多肉植物は強光で乾燥する場所に生育するために、葉や茎または根の内部の柔組織に水を貯蔵している植物の総称で、サボテン科やベンケイソウ科、トウダイグサ科、リュウゼツラン科などに見られる植物です。
玉散らし(たまちらし)
庭木の仕立て方のひとつで、枝先を球状に刈り込んだ「玉」を上下左右に散らして仕立てたものを玉散らしといいます。
玉づくり(たまづくり)
庭木の仕立て方のひとつで地際で丸く仕立てる方法です。
多量要素(たりょうようそ)
植物の生育に必要な16元素のうち、多量に必要とされる元素のことです。窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄などが多量要素で肥料として与えます。特に窒素、リン酸、カリウムは三要素といい、植物にとってたくさん必要なものです。
単為結果(たんいけっか)
種子植物の多くは受精したのち胚が発達して種子になりますが、受精が行なわれずに果実ができることを単為結果といいます。
受精しないでできた果実は肥大せずに落果する場合が殆どですが、バナナやパイナップルなどは受精することなく果実が大きくなり種子を持たない実ができます。
種無しブドウはジベレリン処理をすることで、トマトはホルモン剤処理で単為結果します。
短日植物(たんじつしょくぶつ)
短日植物とは日長が一定より短くなると花芽を形成したり、花芽の発達が促進される植物のことです。特に夏から秋にかけて開花する植物に多く、キクやコスモスなどが短日植物です。
ポインセチアも短日植物ですが、日本では12月に赤くすることができません。赤くするためにはなんらかの方法で日長を短くすることが必要です。私は9月から短日処理を施して赤くすることに成功しました。
単子葉植物(たんしようしょくぶつ)
小学生の時に育てた経験のある人が多いアサガオは種を植えて暫くすると双葉が出ます。アサガオのように子葉が2枚出るものを双子葉植物といい、それに対して子葉が1枚しか出ないものを単子葉植物といいます。
単子葉植物の代表はイネやムギ、ユリ科やアヤメ科などですが、葉を見ると葉脈も異なります。双子葉植物の葉脈は網目状ですが、単子葉植物の葉脈は平行になっています。
単性花(たんせいか)
一般的に植物には雄しべと雌しべがありますが、単性花は雄しべか雌しべのいずれか片方だけが形成された花です。単性花の植物には雄花と雌花があります。雄花は雌しべが退化した花で、雌花は雄しべが退化した花です。