誰もが知っている春に咲く可愛い花といえばチューリップです。
チューリップは秋に球根を植えて育てる楽しみ方もありますが、12月から春頃には切り花でもいろいろな品種のものが販売されます。
チューリップについて
チューリップはユリ科チューリップ属の球根植物で、和名で鬱金香(うっこんこう)といいます。
チューリップといえばオランダを思い浮かべてしまいますが、原産地はオランダではなくトルコで、トルコの最大都市であるイスタンブールでは毎年4月になるとチューリップ祭りが開催されます。
トルコからオランダに伝わったのは16世紀頃といわれています。また日本に伝わったのは19世紀の中頃で、本格的な栽培は大正時代に入ってから新潟県と富山県で始まりました。
チューリップの咲き方
チューリップは最盛期には約8000種ほどあるといわれていました。現在の品種リストには5000種を超える品種が登録されており、そのうち約1000品種が世界中で育てられているようです。
咲き方もさまざまで咲き方によっては印象が違ってくることもあります。代表的な咲き方は次の6種類です。
- 一重咲き:誰もが知っていて頭に浮かぶチューリップといえばこの一重咲き
- 八重咲き:一重咲きよりボリュームがあって可愛い花
- ユリ咲き:花弁の先が尖っていてエレガントなイメージ
- フリンジ咲き:花弁の先がギザギザとしていておしゃれな感じ
- パロット咲き:オウム(parrot)の巻き毛のようなフリルが入った花弁
- クラウン咲き:その名のとおり、王冠のような咲き方
切り花のチューリップが伸びて曲がる
切り花のチューリップを花瓶に生けて楽しんでいたら、日ごとに茎が伸びて曲がってゆき、花が下を向いてしまうことがあります。枯れ始めたのか?あるいは古い花を買ってしまったのか?なんて思われるかもしれませんが、そうではありません。
チューリップが伸びて曲がってしまう時の対処法
いくら成長する花といっても最初に生けた時と違って、好き放題にあちこちに曲がったり伸びたりするのはデザイン的にどうよ?と思ってしまうこともありますよね。そんな時の対処法としては次の方法があります。
- 購入する時に茎の短いものを選ぶ
- 曲がりにくい品種を選ぶ
- 蕾のチューリップを買う
- 花に対して背の高い花瓶に生ける
- 室温の高い場所には飾らない
- 伸びたら切る
例えば、クリスマスシリーズ(クリスマスマーベルやクリスマスドリームなど)は比較的茎が伸びにくく曲がりにくい品種です。伸びて曲がる性質のあるチューリップは、曲がる位置の高さより背の高い花瓶で曲がらないように支えてあげるのもひとつの方法です。あとは伸びたら伸びた分の茎を切るようにして高さを整えてください。
伸びるのを放置していると、茎はどんどん伸びますので余計に曲がりやすくなります。切り戻しを兼ねて茎はカットしましょう。
また室温は高いと成長が早くなりますので、暖かすぎる場所を避けて20℃以下になる場所に飾ってください。購入する時は蕾のものを選ぶようにしましょう。
曲がったチューリップをまっすぐにしたい
曲がったチューリップをまっすぐにしたい時は、花を新聞紙で包んで茎をカットして深めに水を入れた花瓶やバケツに入れて2~3時間そのままで置いてください。
チューリップならではの裏技
チューリップの花が長持ちする方法があります。用意するものは針です。その針を使って花と茎の境目を刺します。そうすると成長が止まり茎の伸びが抑えられて花も開きにくくなり長持ちします。
とても不思議なのですが、これはエチレンという物質が関係しています。エチレンは花、野菜、果物などに含まれる植物の成長を促す物質です。針を刺すことでエチレンの働きを抑制してくれるらしくチューリップの花持ちが良くなります。お試しくださいね。
いろいろな方法をやってもダメだった場合は…。
曲がったままの動きを楽しむ
まっすぐにしようとしても曲がったままだったら曲がり具合を楽しんでみましょう。なにをしても曲がるチューリップは曲がってしまう品種なのです。
先ほどは曲がるのを防止するために背の高い花瓶に生けて飾ると書きましたが、曲がったチューリップを楽しむのであれば逆に背の低い花瓶に生けてみると動きを楽しめます。何本か本数を生ける時は片側だけに流してみたり両側に流れるようにしてみたりと、花の流れを意識して生けると面白いと思います。
バラやカーネーションなどの花は旬の時期はあるものの、一年を通して販売されています。しかしチューリップは12月頃から3月末くらいまでしかお店で見ることができません。
色や種類も豊富にありますので、お部屋に飾って春を感じてください。