平仮名ばかりでとても読みにくいタイトルになってしまいました。「李も桃も桃のうち?それとも李は桃のうちではない?」です。漢字にすると一気に読みやすくなりました。
11月1日にネットニュースを見ていますと、このような記事がありました。
「スモモモモモモモモ初勝利!」
なにが勝ったんだろうと思ってその記事を読んでびっくり、「スモモモモモモモモ」は競走馬でした。
競走馬といえばディープインパクトやオルフェーヴルのように、どちらかといえば響きがカッコイイ系の名前が多いものだと思っていたのですが、スモモモモモモモモというような可愛い名前もあるのですね。興味津々で思わずどんな馬か調べてしまいました。グッズまであってアイドルですね。ぬいぐるみがピンクでこれまた可愛いです!。ソダシちゃんのぬいぐるみも可愛いですがこちらも負けていません。
さて今回のお話はスモモモモモモモモちゃんにちなんでスモモもモモもモモなのか?ということを書いてみたいと思います。
桃について
水蜜桃とは
桃のシーズンになると桃売り場に水蜜桃と書いてあるのを見たことがあると思います。桃と水蜜桃は別の桃なのでしょうか。
桃は3つの系統に分けられます。
- 白鳳(はくおう)系:果肉が柔らかく果汁が豊富。桃のシーズンの前半に出回る
- 白桃(はくとう)系:大玉で果肉が硬め。桃のシーズンの後半に出回る。
- 黄金桃(おうとう)系:果肉はやや硬めで缶詰などの加工品用になる。
そのほかにはネクタリンや蟠桃(ばんとう)があります。ネクタリンは一般的な桃にあるような産毛がなくサイズも小さめです。そして蟠桃は平たい形をしているのが特徴です。
日本では弥生時代から桃が栽培されていましたが、水蜜桃ではなく黄桃の原種です。しかしこの桃は酸味が強く食用というより観賞用として栽培していたようです。明治時代になって中国から水蜜桃の原種である白桃が渡来し、甘みが強いことで食用として使われれるようになりました。
現在の白桃のほとんどは水蜜桃を改良して生まれたものです。また白桃を品種改良してできたのが白鳳系です。
ところで3月3日のおひな祭り(桃の節句)には桃の花を飾りますが、花を楽しむ桃と食用にする桃は別のものなのでしょうか。
桃と花桃
食用にする桃とは違って花を観賞するために改良された桃が花桃です。
食用にする桃と同じで花が咲いたあとには果実ができます。しかし食用の桃とは違い小ぶりで酸味や苦みが強いようです。食べることはできますので自宅で育てている人の中には果実酒やジャムを作っている人もいらっしゃいます。
次はスモモについてです。
スモモについて
スモモは漢字で「李」や「酢桃」と書きます。桃より酸味があるということから酢桃と名前が付けられました。
プラムとプルーン
スモモは中国原産の日本スモモとヨーロッパ原産の西洋スモモがあり、日本スモモを「プラム」、西洋スモモを「プルーン」と呼んでいます。
日本スモモ(プラム)は主に生食用として使われ、西洋スモモ(プルーン)は生食だけでなくドライフルーツやジャムなどの加工品としても利用することが多いようです。
一般的に日本で食べられているスモモの品種は「大石早生(オオイシワセ)」という品種で、5月下旬頃から出回り始めて7月上旬頃に旬になります。次に「ソルダム」「太陽」が多く栽培され、店頭に並んでいます。
スモモは完熟する前に収穫されることが多いので皮が黄緑色っぽい状態で店頭に並んでいることがあり、その状態だと酸味がまだ強いようです。熟してくると綺麗な赤に変わってきますので、購入したらお家でしばらく常温で保存して赤くなってから食べてください。
スモモ属(モモ属)とサクラ属
スモモはスモモ属ではなくサクラ属と書いてあるところもあるし、モモはスモモではなくモモ属やサクラ属と書いているところもあって混乱してしまいそうですね。
よくご存じの桜の花をサクラ属とするかスモモ属とするかは時代や国によって異なることがあり、現在はどちらも使われています。
日本では欧米の基準に合わせる事が多かったため、以前は桜は欧米と同じようにスモモ属に分類していましたが、植物学者の大場秀章先生が発表した論文以降(1992年以降)サクラ属として分類するようになりました。私たちの住んでいるのは日本ですので桜はサクラ属、そしてスモモはスモモ属ということになります。
すもももももももものうち?
スモモとモモは同じか?の答えはどうでしょう。
- 桃:バラ目>バラ科>スモモ属(モモ属)>モモ
- スモモ:バラ目>バラ科>スモモ属>スモモ
結論として植物学的にはモモとスモモは別のものとなります。あえて言うなら「すももももももばらのうち(李も桃も薔薇のうち)」になるかもしれません。