ポインセチアを育てるのはパンジーやペチュニアなどに比べると少しだけ難しいです。
お店で買ってきてクリスマスのときは綺麗だったのに、1ヶ月ほど経つと葉が落ちてきたり元気がなくなったり…。やはりポインセチアはクリスマスの飾りなのねと諦めがちですが、実はポインセチアは冬より夏に強いということもあり上手く冬を越せたら翌年も元気に育ってくれる植物です。
そして少しの手間で赤くすることも可能ですので挑戦してみてください。
ポインセチアの育て方
最近では母の日向けにも販売されていますが、ポインセチアはクリスマスを彩る花として親しまれているメキシコを原産とするトウダイグサ科ユーフォルビア属の常緑性低木です。
前に書いたハナミズキと同じです。
クリスマス向けだから冬に強いように思われがちですが、本来はメキシコ原産なので寒さには弱く屋外では育てられないので室内での管理になります。
12月になると沢山のポインセチアがお店に並びます。販売されているものはラッピングがされていたりセロファンがかかっていたりしますが、根元の部分が蒸れてカビが生えたり根が傷んでしまうことがありますので、お家ではなるべく早くラッピングやセロファンを外してください。
管理は10℃以上の室内
ポインセチアは冬に流通する花ですが、寒さに弱く気温(室温)が5℃を切ると葉が黄色くなって落葉してしまいますので、日中は窓越しの日光が当たり室温が10℃以上になるところに置き、夜になると窓際から離して窓からの冷気が当たらないようにしてください。
また暖房の風や熱が直接当たるような場所も避けてください。
水やりについて
乾燥には強い植物なので毎日のように水やりをすると枯れてしまいます。冬は土の乾燥を確かめてから水を与えるようにします。また真冬は控え気味にするほうがいいです。
もし葉が落ちてしまっても根が生きていることもありますので、そのまま10℃以上の日当たりの良い場所で同じように管理をすれば新しい葉が出てくることがありますので諦めずに様子を見てあげてください。
上手く春まで保つことができたら、その年の冬に向けて準備をしましょう。
春以降の管理
霜が降りる心配がなくなったら屋外に出して日光に当てるようにします。ただ夜間冷えるようなことがある時期は、夜間だけでも室内に取り込むほうが安心です。
植え替え
たいていのポインセチアって小さめの鉢に植えられていますので、ひと回りかふた回りほど大きめの鉢に植え替えるのがいいと思います。
土は観葉植物用が便利でいいです。あるいは培養土(赤玉土7:腐葉土3)を作ります。
植え替えの方法
- 新しい鉢に鉢底石を入れ用土を入れます。(用土に元肥が入っていなかったら元肥を混ぜます。)
- ポインセチアを株元から2節か3節くらいのところでカットします。
- 根を傷つけないように注意してポインセチアの株を抜きます。
- 根に付いた古い土を少しだけ落とします。
- 新しい鉢に植えます。
- 回りに用土を入れます。
という手順なのですが、気をつけていただきたいのは、ポインセチアの切り口から出る白い樹液です。
ポインセチアの夏の管理
真夏の強い日差しの下では葉焼けを起こすことがありますので午前中は日当たりの良い場所に置き、昼からは明るい日陰か室内で管理するようにしてください。
水やりは鉢土が乾いたらたっぷりが基本ですが、暑い季節は朝の水やりだけでは足りないこともあります。土が乾いていたり葉がグッタリしているような場合は夕方にも水やりをしましょう。日中の水やりは鉢内の水分の温度が上昇して根を傷める原因になりますのでやめてください。
その頃にはまた新しく伸びてきますので、伸びすぎているところがあれば剪定して姿を美しくします。
ポインセチアの秋から晩秋の管理
秋になると夏のように毎日の水やりは必要なくなるかもしれません。基本的に水やりは鉢土が乾いたらたっぷりと与えますが、晩秋になり気温が下がってきたら少し乾かし気味に育てます。
肥料を与える時期
ポインセチアに肥料を与える時期は生育期の5〜9月頃までです。
ポインセチアを赤くするためのコツ
生育期には緑色の葉が茂ってきますが、なにもしないと緑色のままのポインセチアのままです。ポインセチアは昼の時間が短く、夜が長くなると赤く色づいてきます。
このような植物を短日植物といい、夜の時間が12時間以下だと苞葉が緑色のままで13時間以上あると苞葉が赤く変化します。しかし例えば10月1日頃の大阪の日の出と日の入りは、それぞれ6時少し前と18時少し前です。10月15日頃は6時少し過ぎに日の出で17時半ごろに日の入りなので、いずれにせよ夜間を13時間以上確保することができません。また蛍光灯や街頭の光も「昼」だと認識してしまうので、なんらかの方法で暗くしてあげなくてはいけません。
そこで行うのが9月下旬~10月中旬頃から始める短日処理です。
短日処理の日数が約2ヶ月ということもあって根気がいるので、面倒ではありますが夏を越したら是非挑戦していただきたいなと思います。
以前はポインセチアといえば真っ赤なものが多かったのですが、最近は葉や苞が丸く縮れたようになっているウインターローズや、赤に白のまだら模様の入ったジングルベルなど、いろいろな品種があって選ぶのも楽しいです。
また母の日ギフト用としてプリンセチアも販売していますが、基本的に育て方は一緒です。
追記:自宅で育てているポインセチアの生育状態
2018年4月26日
昨年のクリスマス前から育てていた小さなポインセチアがあったのですが、赤いままで春を迎えることができました。
4月25日に株元から2節か3節のところでカットしてふた回りほど大きめの鉢に植え替えました。今後は夏の管理に気をつけて育てたいと思います。
2018年6月1日
写真は6月1日に撮影したものです。
4月末に切り戻して植え替えたところ、暫くすると新しく葉が出てきて少しずつ成長してきました。当たり前ですが、小さいながらもちゃんとポインセチアの葉です。
2018年7月1日
1ヶ月の間に随分大きくなりました。まだまだ成長期のようです。
今まで日なたに置いていましたが、日差しが強くなってきたので葉焼けをしないように午前中だけ日が当たり、昼には日陰になるような場所に移動しました。
2018年9月1日
7月から2ヵ月経ってかなり大きくなりました。前回の写真と比べると一目瞭然です。
最初購入した時は4号鉢に植えてあったのを4月末に剪定をした時に6号鉢に植え替えましたが、思っていた以上に大きくなったので夏の間に再度8号鉢に鉢増しをしました。
今月の中旬あたりからダンボールを使って短日処理をしようと思っています。
2018年10月15日
9月20日から短日処理を始めました。
毎日18時頃から翌朝の8時か9時頃までダンボールを被せています。ダンボールはこんな感じです。
ダンボールに黒いビニール袋を貼り付けただけのものですが光はしっかり遮断してくれています。
そして短日処理25日目のポインセチアがこちらです。
ほんの少しだけですが赤くなりはじめました。あとひと月ほど短日処理は続けますが、どの程度まで赤くできるでしょうか。楽しみながら続けていきたいと思います。
2018年10月26日
どんどん赤くなっているのに喜んでいた矢先のこと、ふと見ると白いものが飛んでいるではありませんか。よく見るとコナジラミ!
コナジラミはどんな植物にも発生するため、ガーデニングをしている人にはお馴染みかと思いますが、カメムシ目に属している厄介な害虫です。もしかすると数日前から居たのかもしれませんが、見つけたのは今朝でした。
コナジラミは発生すると一度では退治できません。駆除剤も幼虫や成虫には効きますが卵には効果がないため、何度も散布する事になります。また近くの草花にも飛んでいくこともありますので早めに退治することが大切です。
すぐに葉を流水で洗い流し、薬剤を散布しました。使った薬剤は住友化学園芸 殺虫殺菌剤 ベニカXファインスプレーです。
コナジラミは4月から10月に多く発生します。もしなにか白い虫が飛んでいるようなことがありましたら早めに対策をしてください。
2018年11月8日
10月末に発生したコナジラミは、ベニカXファインスプレーのおかげで今現在は飛んでいないようです。しかしそんなに簡単に全滅できるものではないので、また出てくることでしょう。
9月20日から始めた短日処理は11月8日で50日目になり、結果はこのように色づきました。
売っているポインセチアには及びませんが、まずまずの成功ではないでしょうか。ただ苞の中心にある花はまだこれからといったところです。
短日処理をやった感想としては、始めの頃は色の変化も感じられず50日も続けるのは面倒だと思っていたのですが、日に日に赤くなっていくと毎日が楽しみになり、あっという間に50日が過ぎました。
ポインセチアの短日処理、そんなに難しくありませんので機会があればお試しください。
2018年12月1日
11月8日にはまだ目立っていなかった花が少しずつ大きくなってきました。写真は11月8日と12月1日の花の比較です。こうやって見ますと花だけでなく苞も大きくなりました。
ポインセチアは冬だけで終わるものでも、クリスマスだけ綺麗だったらいいかという植物でもありません。上手に育てて来年には今年以上に大きくしてください。