お花のプレゼントで一番華やかなのは花束です。アレンジメントと違いボリューム感もありますので、お祝い事をはじめいろいろな場面で利用されます。
プレゼントされた花束のお手入れは切り花と同じ扱い方をします。今回は切り花を長持ちさせる方法についてです。
花束を受け取ったら最初にやっていただきたいこと
花束を受け取ったらすぐにラッピング類を外してください。一般的にラッピングは、リボン、セロファン、不織布や和紙の3点です。それを順番に外して下さい。
ラッピングを外すと、ジェル状のものかキッチンペーパーのような紙製のもので切り口の部分に保水処理が施されています。ジェル状のものが使われていましたら、外したあと綺麗に茎を水洗いして下さい。花を纏めてある紐を外して水切りをします。
水切りの方法について
水を入れたボウルやバケツなどの中で茎をカットすることを「水切り」といいます。水の中で切ると切った瞬間に空気より先に水を吸い上げますので、水の吸い上げが良くなります。
水切りにはハサミを使うのが一番簡単ですが、水揚げを良くするためにはナイフで切るのが良いとされています。ハサミだと断面が押しつぶされたようになる場合がありますが、ナイフだと導管を潰さずに綺麗にカットできます。ご自宅ではカッターナイフをお使いになるのが便利です。
全ての茎の下部分を3cm程度をカットして、新しい切り口にしましょう。
水の中でナイフを使うのは慣れないと難しいかもしれません。茎は切れたけれど手も切ったなんてことのないよう、無理だと思ったら迷わずハサミを使ってくださいね。
花瓶に生ける前にチェックするのは花のココ
花瓶などに生ける前に気をつけていただきたいのは今の花の状態です。花も葉もシャキッとしていて元気ならばそのまま花瓶に生けても問題ありませんが、受け取ってから時間が経っているなどの理由で、少し元気がないかなと思ったらひと手間かけて花を元気にしてみましょう。
花に元気がないときの対処法
元気がないなと思ったらまずは深水をしてみましょう。
深水の方法
- 花を新聞紙で包みます。花首が垂れている花があれば花を上向きにして花の上の部分までしっかりと包んでください。
- 茎の下の部分は10cm程度、新聞紙から出しておきます。
- 水切りをします。
- 水切りのあと、新聞紙に包んだ状態のままで花首の下から10cmくらいまで、バケツの深さの関係で無理なら最低でも茎の丈の半分以上まで水に浸かるようにして数時間そのままにします。
- 水が上がったことを確認してから新聞紙を外して花瓶などに生けます。
もし深水をしてもダメだったら湯揚げや焼き揚げをしてみましょう。
湯揚げの手順
- 深水をする時と同じように花を新聞紙で包みます。
- 80℃以上の熱湯と冷水を用意します。
- 茎をカットしたらすぐに切り口を熱湯に浸けます。
- 熱湯に浸けると切り口からプクプクと泡が出てきます。
- 20秒ほど浸けたらすぐに冷水に入れます。
- 新聞紙に包んだまま数時間そのままにします。
- 水が上がったことを確認してから新聞紙を外して花瓶などに生けます。
この方法はマーガレット・ひまわり・ストックなどに使えます。
焼き揚げの手順
- 深水をする時と同じように花を新聞紙で包みます。焼き揚げでは茎の部分を包んでいる新聞紙は濡らしておいてください。
- バケツに水を用意します。
- 茎をカットし、切り口から3~5cm程度を炭化するまで焼きます。
- 新聞紙に包んだまま水の入ったバケツに入れて数時間そのままにします。
- 水が上がったことを確認してから新聞紙を外して花瓶などに生けます。
バラ、ボタン、あじさいなどの茎の固い花は焼き揚げがいいかもしれません。
そのほかの水揚げ
菊はハサミで切らずに手で折るほうがよく水を吸います。枝物は根元を割ったり木槌で叩いたり表皮を削ったりするといいです。
これ以外にも塩やミョウバンを使う方法などがあり、それぞれの花に合った水揚げをするのがベストです。もしわからないことがありましたらご連絡ください。
一番大事な毎日の水替え
上記の方法で綺麗に水が上がっても、そのあと毎日水替えをしないと雑菌がわいて水を濁らせてしまうので普通より早く枯れてしまいます。水はこまめに替えましょう。
水替えの時にやってほしいこと
ひとつめは茎を2~3cm切って新しい切り口を作る「切り戻し」です。新しい切り口からは水を吸いやすくなります。
次に水に浸かっていた部分の茎を水道水で洗って下さい。茎にぬめりがあるままだと雑菌がついたままの状態なので、しっかりと綺麗に洗って下さい。また生ける前には花瓶も洗うことを忘れないようにお願いします。
常に水と茎を綺麗な状態に保つことで切花の持ちは格段にアップします。最後の一輪まで大切に咲かせてくださいね。