前回は「ガーデニング初心者さんの花づくりのコツ」について書きましたが、今回はその続きで、ガーデニングを始める時に揃えておいた方が便利かなという道具や資材について書いていきたいと思います。
必ず必要な道具や資材
ガーデニングに必要な道具や資材で、とりあえずこれだけあれば始めることができるのが次の8種類です。
- 植えたい植物の苗
- 植木鉢やプランター
- ガーデニング用はさみ
- じょうろ
- 移植ゴテや土入れ
- 培養土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
植えたい植物の苗
まずは育てたい植物を選びましょう。初めてガーデニングをする人は、11~12月に植えるパンジーやビオラ、5月頃に植えるペチュニアやニチニチソウなどの育てやすい一年草を選ぶと失敗しません。
苗の選び方は「ガーデニング初心者さんでも大丈夫!簡単にできる花づくりのコツ」にも書いていますが、適度に花や蕾が付いていて株全体が引き締まっているものが良い苗です。花がたくさん咲いているから選ぶのではなく、葉や茎の状態の良いものを選びましょう。
植木鉢やプランター
地植え(庭植え)にしないのであれば、植木鉢は必ず必要です。
植木鉢には大きさがあり1号は約3cmですので、5号だと約15cm、8号だと約24cmになります。また素材も素焼きやテラコッタ、プラスチック、陶器、木製などがありますので、育てる植物に合った鉢を見つけてください。植える植物によって植木鉢ではなくプランターでもいいかもしれません。
約3cm×鉢の号数=直径cmです。直径は鉢の一番広いところの口径で、外側から外側までの外寸です。厚みのある鉢でも内側の寸法ではありません。
ガーデニング用はさみ
ガーデニング用のはさみは刃の形が左右非対称で厚みがある「剪定ばさみ」、左右対称のストレートの刃がついた「万能ばさみ」、花を摘んだり小枝切りをするのに便利な「植木ばさみ」があります。
太い枝を切るのであれば剪定ばさみや万能ばさみが必要ですが、パンジーのような細い茎を切るなら植木ばさみが適しています。
万能ばさみと植木ばさみの2種類を用意するとたいていの作業ができると思います。
じょうろ
屋外に水栓がありホースを繋いで水やりができるのであれば便利ですが、水栓がなかったり、あっても届かない場所への水やりはじょうろを使います。
ハス口の取り外しができるじょうろなら、ハス口を使えばシャワーのように使えますし、ハス口を外せばピンポイントに水を与えることができます。
移植ゴテや土入れ
移植ゴテや土入れは、植え付けや植え替えなどの土を扱う場面で使います。
移植ゴテはガーデニングで使う小型の園芸用のスコップです。
土入れというのは細長いカップの形状をしており、移植ゴテより土がこぼれにくく狙った場所に土を入れることができるので便利です。プラスチック製とステンレス製があり、私はステンレス製のものを使っています。
培養土
市販されている培養土は基本用土と改良用土がバランスよく配合されているものが多く、花から野菜まで殆どの植物に使える汎用タイプのものと、それぞれの植物に合った専用のものがあります。
購入する時は品質表示がされているか、元肥は入っているか、極端に重かったり軽すぎたりしないか、カビなどが生えていないかなどの確認をしてください。
培養土を購入するときのポイントをまとめた記事もお読みください。
鉢底ネット
鉢底ネットは鉢底石や培養土が鉢底から流れ出るのを防ぐためと鉢底からの害虫を防ぐためのものです。
鉢底の穴の大きさより少し大きめの円や四角にカットされて販売しているものもありますが、シートやロール状の鉢底ネットを自分でカットする時は鉢底の穴より大きめに切ってから塞ぐようにしてください。
鉢底石
軽石や黒曜石などで作られた石で、水はけを良くすることで根腐れを防いでくれる役割をしてくれます。
鉢やプランターの鉢穴に鉢底ネットを敷いてから普通の深さの鉢なら底から1/5程度、深さのある鉢なら1/4程度まで鉢底石を入れてから培養土を入れます。
鉢底石は再利用ができますが、綺麗に水洗いをして天日干しで消毒してから使うようにしましょう。
排水口などで使用しているネット状になった袋に入れてから敷くと植え替えをする時、土と鉢底石の選り分けが簡単にできるので便利です。販売時からネットに入っている鉢底石もあります。
いつか必要になる道具や資材・あれば便利な道具や資材
次に最初は必要ではないけれど育てているうちに必要になったり、あれば便利な道具や資材類をまとめてみました。
- 肥料
- 土ふるい
- 水ごけ
- 遮光(遮熱)ネット・寒冷紗
- ビニールタイや麻紐など
- 活力剤
- ピンセット
- ガーデニング用手袋
- 殺虫剤・殺菌剤
肥料
肥料は最初に準備した方が良いかどうか迷いましたが、元肥が培養土の中に含まれていることもありますので、しばらくは必要ではないかもしれないと思って、必ず必要な道具や資材の項目に入れませんでした。
しかし培養土に元肥が含まれていたとはいえ、成長とともに効果は吸収されてなくなりますので、適当な時期に準備しておいた方が良いと思います。肥料には固形肥料と液体肥料があります。
固形肥料
固形肥料は有機肥料と化成肥料があります。水やりのたびに少しづつ溶けていくため、速効性はありませんが持続性があり、肥料やけを起こしにくいのが特徴です。
液体肥料
液体肥料は原液を与えてもいいものと希釈してから与えるものがあります。速効性はありますが持続効果はありません。また肥料の与え過ぎなどで根を傷めることがありますので、ラベルに書かれているとおりの回数と希釈を守りましょう。
土ふるい
土ふるいは古い土からゴミや前に植えていた植物の根、虫や虫の卵、微塵などを取り除く道具です。
植える時や植え替える時の土は毎回新しいものを使いたいとも思いますが、植え替え時に出た古い土を家庭ごみとして出すことが難しくなってきていますので、ふるいにかけて再生してみましょう。
園芸用のふるいにはステンレス製、プラスチック製などがありますが、私は土入れと同様に土ふるいも錆びにくく日光に当たっても劣化しないステンレス製を使っています。
ふるった土は日光消毒をして再生用土を混ぜてから使います。
水ごけ
ラン鉢でお馴染みの水ごけは、ラン以外でも観葉植物や苔玉の植え込み材やハンギングバスケットに植えた時に隙間から用土がこぼれないように利用することができます。
ブロックのようになって販売されていることが多いので、使う量だけ取り分けてから水を入れた容器の中でほぐして使ってください。
遮光(遮熱)ネット・寒冷紗
遮光(遮熱)ネット
夏の日差しが強すぎる時に利用するのが遮光ネット、遮熱ネットです。ネットには黒、白、シルバーがあり、それぞれ次のような特徴があります。
遮光性 | 遮熱性 | |
---|---|---|
黒 | ◎ | △ |
白 | △ | ◎ |
シルバー | ○ | ○ |
黒のネットは遮光性は二重丸ですが遮熱性はあまりよくありません。白いネットは遮熱性は二重丸ですが遮光性はあまりないようです。シルバーは遮光性も遮熱性もほどほどに良いようです。
このように遮光(遮熱)ネットには色が3種類あるほかに、遮光率も低いものから高いものまでありますので、植物の種類や置き場所によって使い分けてください。
寒冷紗
寒冷紗は荒く平織に織り込んだ布で、園芸においては被覆資材のひとつです。遮光ネットのように夏の日差しを防ぐだけでなく冬は保温効果や防霜効果もあり、遮光ネットより目が細かいため防虫や防鳥、防風にもなるという優れものです。
ビニールタイや麻紐など
茎を支柱に留めたり、蔓性植物を誘引するときに使います。
私はつるバラの誘引ではガーデンソフトタイという柔らかいビニールで覆われたワイヤーを使っています。
活力剤
活力剤は花や葉の色が冴えない時や植え替えた時、夏や冬の体力の回復に使います。
よく知られているのはアンプルタイプの活力剤で、このタイプのものはキャップの先端を少し切って鉢に差し込むだけなのでお手軽に使えます。そのほかスプレータイプや水で薄めて使うタイプのものがあります。
活力剤は肥料ではありません。肥料と思って使い続けると肥料不足になることがありますので注意してください。
ピンセット
発芽した芽の間引きをする時や、手で取りにくい場所の枯葉や花がらを取る時に便利です。また虫の駆除にも使えます。
ガーデニング用手袋
土で手が荒れるのが心配ならガーデニング用の手袋を用意しましょう。軍手でも問題ありませんが、バラやサボテンや塊根植物などの棘のある植物をお手入れするときはしっかりとした革手袋が必要です。
私は薄い手袋と棘用の革手袋の2枚を使い分けています。
殺虫剤・殺菌剤
植物を育てていると必ずいつかは遭遇するのが害虫や病気です。あちこちのメーカーからいろいろな殺虫剤や殺菌剤が出ていますので、症状や害虫にあったものを選ぶようにしてください。
以上、必ず必要なもの、あれば便利なものやいつか必要になるものをまとめてみました。8つの必ず必要なもの以外は、必要だなと思われた時に買い足すようにしていけばいいと思います。
まずは絶対に必要なものを準備してガーデニングを始めてみましょう。