2025年4月から頭の体操のために中学数学を始めました。
中学校を卒業して半世紀過ぎていますので忘れていることも多いだろうと思って、わかりやすく書いてくれている参考書と問題集でやり始めたのですが、あら~簡単だわという問題だけでなく、応用になるとあれれ?状態になることもあります。そこで活用したのが数学を解説しているユーチューバーさんとチャットGPT先生です。
チャットGPT先生には類似問題を出してもらうようにして、持っている問題集以外の問題も解くようにしています。私はチャットGPT先生に○○先生と名前をつけ、大阪在住という設定をしているため会話は大阪弁です。
現役の学生時代は数学には苦手意識があったのですが、この歳になってやり始めるとけっこう面白く、皆さんが新学期を始める4月1日にスタートして、7月末までに問題集を2冊仕上げてしまい、学生の皆さんが夏休みに入る頃に高校数学Ⅰに進級いたしました!。
と、自分の話を長々と書いてしまいましたが、合同と相似のときにチャットGPT先生がこう言ったのです。
「相似(∽)の記号はラテン語のsimilis、似ているという意味やで」と。
シミリス?これは聞いたことがある。と思ったのが、今回のお話に繋がります。
シミリス(similis)とは
数学で【次の図は△ABC∽△DEFです。次の問いに答えましょう。】みたいな問題を中学生の頃にやったと思いますが、相似を表す記号 「∽」はシミリスといい、ラテン語で、similisの頭文字である「S」を横にしたものだといわれています。意味は先にも書いたように「似ている」です。
この「∽」は数学で使うものではありますが、シミリスは学名として使うこともあり、例えばこんなものがあります。
サツキやツツジを食害するルリチュウレンジという昆虫がいます。このルリチュウレンジの学名は「Arge similis」といい、直訳すると「アルゲに似た」となります。これはハバチの一種である「ルリチュウレンジ」は、その外見や生態が他のハバチと似ていることから名付けられました。
このように「~に似ている」ということから、植物に対してもシミリスが付いているものがあります。
学名にシミリス(similis)が付く植物
シミリスと付く植物はたくさんあるようですが、その中からいくつか紹介したいと思います。
ロニセラ・シミリス(Lonicera similis)
ロニセラ(Lonicera)は一般に「スイカズラ属」と呼ばれ、日本原産のロニセラ・ジャポニカ(Lonicera japonica)もこの属に含まれています。
ロニセラ・シミリスは中国西部原産でスイカズラ科の顕花植物の一種で、Lonicera japonica(ロニセラ ジャポニカ)に似ていることからsimilisが種小名に使われています。
ただし、ロニセラ・シミリスのほうがロニセラ・ジャポニカより大型で丈夫といわれています。
カリトリクス・シミリス(Calytrix similis)
カクトリクス・シミリスはオーストラリアの乾燥地帯に自生する紫色の星型の花が特徴的な低木です。「Calytrix」はラテン語で「萼の毛」を意味し、花の萼に毛状の突起があることに由来します。
西オーストラリア州南西部の固有の種であるカリトリックス・テヌイラメア(Calytrix tenuiramea)に似ていることから学名が付けられました。
ユーカリプタス・シミリス(Eucalyptus similis)
ユーカリプタス・シミリスは、日本でも栽培されることのあるユーカリの仲間です。
ユーカリ属には多くの品種がありますが、その中でユーカリプタス・シミリスはオーストラリア・クイーンズランド州原産の樹木で、一般にはインランド・イエロージャケット(Inland Yellowjacket)やクイーンズランド・イエロージャケット(Queensland Yellowjacket)と呼ばれています。
ユーカリプタス・バイレイアナ(Eucalyptus baileyana)に似ていることから、種小名にsimilisとつけて命名されました。
メラレウカ・シミリス(Melaleuca similis)
メラルーカ・シミリスはフトモモ科メラレウカ属の0.6m程度の低木で、西オーストラリア州南西部の固有種です。
メラルーカはギリシャ語で「黒と白」を意味し、樹皮の灰色と白色の斑模様に由来しています。
同じ西オーストラリア州南西部の固有の植物であるメラルーカ・ストラメントサ(Melaleuca stramentosa)に似ていることから命名されました。
コリノカルプス・シミリス(Corynocarpus similis)
コリノカルプス・シミリスはバヌアツ諸島に分布する固有種です。
高さは約13メートルほどに達する樹木で、種子には3-ニトロプロピオン酸の有毒な配糖体化合物が含まれており、人体に対して毒性があります。
近縁種であるコリノカルプス・レアビガトゥス(Corynocarpus laevigatus)やコリノカルプス・ディシミリス(Corynocarpus dissimilis)に類似していることから命名されたと考えられています。
以上、ここまで紹介したのは日本では入手が難しいものですが、最後に紹介するチレコドン・シミリスは日本国内でも入手可能です。
チレコドン・シミリス(Tylecodon similis)
チレコドン・シミリスはベンケイソウ科チレコドン属の塊根植物・多肉植物です。南アフリカのナマクアランドやケープ州の乾燥地帯に分布する固有種ですが、日本でも入手できるため、育てている人もいらっしゃると思います。
とはいえ、Amazonや楽天市場を探しても見つからないので、多肉植物や塊根植物の専門店などで探してみてください。
もちろん学名にシミリスと付いている植物はここに書いただけではありません。もっともっとたくさんありますので、調べてみるのも楽しいかもしれませんね。
高校数学Ⅰですが、現在は命題の真やら偽やら必要条件や十分条件やら、逆やら裏やら対偶やらが終わり、そのあたりでひとつの単元が終わったらしく、「大学入試問題に挑戦」という問題に悩まされながら「わかるようなわからんような?状態」のまま全問をなんとか解き終わり、2次関数に入って平方完成をしながらグラフを描いているところです。
ただチャットGPT先生は、たまに解けない問題を出します。例えば少し前ですが、二重根号を外す問題を出してきたとき、私が「これは外せないよ」と言っているのに「外せるよ、やってみるわな~」と自信満々に解き始めたのですが、途中から「あれ?これできんわ~!こういう問題もあるということで、覚えといてなぁ。」と最初と全く違うことを言い始めたりするお茶目なというか、イラっとするというか…(笑)、そういったこともありますが、その辺はAIなので仕方ないですね。
しかし中学数学も私たちが習った時と変わりました。半世紀前に箱ひげ図なんてやったことあったのか、それともやったけど忘れたのでしょうか。もし学んでいたんだとすると…忘れたことを忘れているということですよね…。