年末の繁忙期のあと、のんびりと過ごせたお正月も終わり、年明けすぐからNFD1級取得の為の勉強が始まりました。
試験までの期間は約1ヵ月半、そしてその間に7日間ほど、職業訓練指導員の講習が朝から夕方まである。最終日には確認テストがある。できるのだろうか?という不安しかありませんでした。
そして同じカーネーションを使うのだから、同じようなものだろうと思っていた私は課題が違うことに愕然とします。
NFD1級めざすための勉強を開始
特別講習は生徒2人と先生1人だけです。一緒に試験を受けようと誘ってくれた男性は夜に勉強しているそうで、職業訓練指導員の講習ではずっと顔を合わせていましたが、花のレッスンでは試験当日まで会うことはありませんでした。
フラワー装飾と同じ試験内容かと思ったら違っていた
年末にカーネーションを使った試験だから同じようなものよと聞かされていた私は、同じものだと思い込んでいたのですが違っていたのです。確かに同じようなものと同じものとは違いますよね。
1級フラワー装飾技能士の場合はアレンジメントが2種類とブーケという試験内容でしたが、NFDではアレンジメントとブーケとコサージです。
驚きついでに、前のアレンジメントは360度展開だったけど、今回は180展開になります。それで前はカーネーションと枝物だけで仕上げたけど、今回は小菊が入ります。
それで技能士の合格点と異なり、今回の合格点は3作品の合計300点満点中210点以上なので、普通に考えれば70点以上×3作品になります。
先生に内容を聞くたび
そりゃ無理やろ。絶対に無理やん…。 無理すぎる…。
という気持ちしか出てこず、勉強を開始する前から戦線離脱気味でした。
初日に行なったことは図面を書くこと
NFDはフラワー装飾技能士よりも合格点数が高いということもあり、以前よりしっかりとサイズを確認する意味で3パターンのブーケの原寸大の作図をしました。それもc2=a2+b2というピタゴラスの定理を使っての作図という…学生時代以降に、それも花で三平方の定理なんて使うことになるとは思ってもいませんでした。
しかしこの原寸大の図がかなり便利で、ブーケが仕上がったあと図の上に乗せると間違っている部分がすぐにわかるのです。
それに上に乗せた時、スッと治まるとバランスも良い仕上がりになっている、逆にどこかに傾いてしまうようだと、ブーケに捻れが生じているなどのバランスの悪さがあるということまでわかります。
でも気をつけて作れば作るほど時間が足らず、ましてやカーネーションと小菊でコサージなんか作ったことがない。アレンジメントとブーケは、以前の経験からなんとかなりそうでしたが、一番の問題はコサージでした。
現在のNFDの試験内容がカーネーションではなくなってしまったこともあり、今の家に引越しをする際にテキストをどこかにしまい込んだようで見つからないのですが、確かラウンド(丸いもの)トライアンギュラー(三角のもの)クレセント(三日月形のもの)の3種類だったように記憶しています。
ラウンドは丸くならないし、トライアンギュラーは角が出ない。クレセントは三日月にならず、トライアンギュラーとの区別が付かないほどの素晴らしい(笑)仕上がりです。
NFDの試験を3級から順番にスタートしてコサージを作ってきた人にとっては、コサージというのはそう難しいものではないのかもしれませんが、初めて作るものにとってはどうやれば美しく仕上がるかわかりません。
コサージの作り方がわかった
初めて作るカーネーションと小菊のコサージですが、1輪のカーネーションを1/2や1/4に分けてからワイヤリングをして組み立てていきます。その1/4に分ける時に綺麗に1/4にしてはいけないことがわかりました。
ラウンドなら正円なので綺麗に分けないといけませんが、そのほかの場合はきっちり1/4にするのではなく、故意に大きめの1/4と小さめの1/4を作ります。そして角になる1/4のカーネーションはワイヤリングをする際に、その時点で角の形になるように作ってしまい、大きめ1/4や小さめ1/4を決めた場所に入れれば、綺麗なコサージができるということもわかりました。小菊のサイズや位置も、ベストなものを選ぶということもわかってきました。
そういえば確かにブーケでも同じようにすると綺麗に仕上がりましたものね。コサージは小さい作品だから、ブーケの時以上にもっと1/4の大小を明確にして、ワイヤリングで形を作ってしまうといいのですね。
でもそれが理解してできるようになるまでは時間がかかりました。
当時、子供たちは小さく、下の息子はまだ小学1年生だったと思います。下の息子はハリーポッターの本を読んでほしいと毎晩、私に本を持ってきていましたので、それこそ毎晩30分近くは本の読み聞かせをしていました。
自分で読めば?と思っても「お母さんはその人物になりきって読むから面白い」といって、読み聞かせをやめる事を許してはくれませんでした。(笑)
ですから花の勉強は店を閉めて、食事の支度をして片付けが終わり、息子にハリーポッターを読んでやり、そのあと子供たちが寝た後から始めていました。
夜中ずっとアレンジメントやブーケやコサージと格闘していて、できなくて情けなくて何度涙が出たことか。ヒステリーを起こす性格じゃないのですが、その時だけは出来損ないのコサージを「こんなもん、でけへん!!!!!」と、壁に向かって投げつけたこともあります。
正確にいうと、コサージだけでなくアレンジメントもブーケも自分で納得できるものに仕上がらない毎日でした。この1ヵ月半のカーネーションの仕入れ量は、フラワー装飾技能士の受験前の仕入れ量よりはるかに多く、半端なかったと覚えています。
公認校以外の受験の時は学科試験も受ける
公認校で学んでから受験する人は学科試験免除なのですが、私の場合は公認校出身でもないし、なんせ突然1級を受ける人ですから普通に学科試験があります。
学科試験の勉強はアレンジメントやコサージやブーケの練習が終わった夜中、布団に入ってからブツブツと言いながら眠りに入るというやり方でした。もちろんテキストの重要な箇所と問題集の丸暗記です。
そして迎えたNFD試験当日…の前に職業訓練指導員の講習がありました。