公園などで沢山のクローバーの中から四つ葉のクローバーを探したことのある人も多いのではないでしょうか。私も四つ葉や四つ葉以上のクローバー探しをした経験があり、確か六つ葉まで見つかったと覚えています。
ところでクローバーに似た葉があります。クローバーと間違いやすいですが別の植物でカタバミといいます。
クローバーについて
ツメクサ(詰草)という名前は、1846年にオランダから献上されたガラス製品を梱包するための緩衝材として使われてきたことに由来します。日本では明治時代以降に家畜の飼料用として導入されたものが野生化していき、今のように公園などで見かけるお馴染みの植物になりました。
クローバーの葉
四つ葉のクローバーの4枚の小葉は希望、誠実、愛情、幸運を象徴しています。良いのは四つ葉だけというわけではなく、実は4枚以外の枚数を持つクローバーにも意味があります。
- 一つ葉:困難に打ち勝つ
- 二つ葉:素敵な出会い
- 三つ葉:愛・希望・信仰
- 四つ葉:幸運
- 五つ葉:経済的繁栄
- 六つ葉:地位と名誉
- 七つ葉:無限の幸運
- 八つ葉:家内安全・子孫繁栄
- 九つ葉:神の運
- 十つ葉:完成・成就
そもそもクローバーの小葉は通常3枚で、四つ葉以上のクローバーは変異体です。四つ葉になる発生確率は10万分の1、五つ葉だと100万分の1、六つ葉だと1600万分の1、七つ葉になるとなんと2億5000万分の1だそうです。八つ葉以上は見つかる確率ってほぼゼロに近いかもしれませんね。
小葉の数のギネス記録は岩手県の小原さんが自宅の畑で見つけた56葉です。小原さんは60年以上に渡って多葉株を自然交配させ、葉の数を増やすことに取り組んでこられたのだそうです。
追記2024年6月18日
新しいギネス記録です!。栃木県那須塩原市在住、県なかがわ水遊園職員の渡辺さんが自宅の庭で育てた63葉のクローバーがギネス世界記録に認定されました。小原さんの56葉より7枚増えました。
56葉でも凄いのに63葉とは驚きです。渡辺さん、認定おめでとうございます!。次は100葉を目指すとのこと、楽しみにしています。
クローバーの花
シロツメクサの中には葉も花の形も同じなのに白い花ではなくピンク色をしているものがあります。こちらの名前をモモイロシロツメクサ(桃色白詰草)といい、シロツメクサの色変わりです。
ところが同じような花で、ピンクよりもう少し濃い色をしたムラサキツメクサ(紫詰草)というのがあります。一般的にアカツメクサ(赤詰草)と呼ばれており、シロツメクサと似ていますが少し異なります。
シロツメクサの葉は地面の近くにあり、そこから茎が出て花が付いています。それに対してアカツメクサの葉は花のすぐ下にあり、そこから茎が伸びています。
ところがところがアカツメクサと同じように花の真下に葉が付いて茎が伸びているけれど白い花が咲くものがあります。これはシロバナアカツメクサ(白花赤詰草)という名前で、別名でセッカツメクサ(雪華詰草)という種類です。
カタバミについて
漢字で書くと片喰、傍食、酢漿草ですが、この内の片(傍)喰というのは夜になると葉が閉じてしまうことで葉が半分食べられてしまったように見えるので付けられたという説や、葉の先が凹んでいることが虫に喰われたように見えることから付けられたという説があります。また酢漿草という漢字は葉を食べると酸味が強いことから付けられたようです。
片喰紋をはじめ、カタバミをモチーフにした家紋がありますが、これはカタバミは繁殖力が強く根付くと絶やすことが困難であることから「家が絶えない=家運隆盛・子孫繁栄」に繋がり縁起が良いということから用いられました。
カタバミの葉
カタバミの葉もクローバーと同じように4枚以上のものがありますが、環境耐性が高いらしくクローバーより見つかる確率は低いようです。
カタバミの花
一般的に見るカタバミの葉は緑で花は黄色ですが、黄色の花を咲かせるけれど葉の色が紫のものをアカカタバミ(赤片喰)といい、葉は緑でピンク色の花を咲かせるものをイモカタバミ(芋片喰)といいます。またイモカタバミには白い花を咲かせる種類もあります。
先日散歩をしていて通常のカタバミの花と比べてとても大きな花を見つけました。これはオオキバナカタバミ(大黄花片喰)といい、葉から長い茎を伸ばして花を咲かせます。葉には紫褐色の斑点があるのが特徴です。
カタバミをクローバーと間違ってしまう理由
見ると違う葉や花をしているのに間違って覚えてしまう理由はいくつかありそうですが、もしかするとこれが理由かなと思っていることを2つ書いてみます。
幸せ=ハート=クローバー
しかしクローバーはトランプでいえばクラブです。クラブは日本語で三つ葉のクローバーを意味しています。
お店などのロゴの葉がハート形
実はうちの近くにもあります。クローバー〇〇という店舗が…。そしてお店のロゴは四つ葉のカタバミです。
クローバーとカタバミ
クローバーもカタバミも日本のどこでも見ることができますが、一般的にクローバーは公園などでそのあたり一面に生えていることが多く、カタバミは道の隅や花壇で見かけることが多いように思います。
葉の形も違うのでわかると思いますが、なにより花が全く違うので迷った時は花を見ていただければ一目瞭然です。
カタバミが花壇や鉢植えに植えてもいないのに生えてしまったら、なるべく早く根こそぎ全て抜いてしまいましょう。可愛い花が咲くので可哀想に思ってしまいますが、とにかく繁殖力が凄いので育てている植物の栄養も取られて枯れてしまう事があります。
確実に四つ葉になる…
四つ葉になる条件ははっきりとわかっていないようですが、環境要因と遺伝要因だといわれています。先に書いた岩手県の小原さんが自宅の畑で見つけた56葉は遺伝要因です。
園芸種で四つ葉や五つ葉になるものがあります。
私はこの写真のもの(ハルディン・クローバー ティント)を育てていますが、その殆どが四つ葉になっており、たまに五つ葉になっている葉もあります。
5月頃になると花も咲きます。下の写真は2021年5月10日に撮ったものです。
ほかにも園芸店やホームセンターには四つ葉のクローバーの苗がありますので、興味を持たれたら育ててみてくださいね。
今回はクローバーとカタバミについてでした。