市販されている園芸用の土(培養土)には、優れたものからイマイチのものまで品質にばらつきがあります。今回は園芸の土、培養土について書いてみたいと思います。
購入する前の培養土のチェック
市販されている培養土というのは、基本用土と改良用土がバランスよく配合されており、購入したあと自分でいろいろと混ぜなくてもすぐそのまま使えるのが特徴です。
培養土の種類は花から野菜まで殆どの植物に使える汎用タイプのものと、観葉植物用、ラン用、バラ用などというようにそれぞれの植物専用のものがあります。
私はバラや多肉植物、サボテンなどは専用の培養土を使い、パンジーやペチュニアなど季節ごとで楽しむ花には汎用の培養土を使うことが多いです。
培養土を購入する時のポイントはいくつかあります。
品質表示が書かれているか
- 適用植物名または用途
- 容量
- 上位4品目の配合原料名
- 肥料の有無
- 製造会社あるいは販売会社名、住所、電話番号
上記の5つが明記されている培養土を選ぶようにしましょう。培養土の中には表示されていない商品もあり、おそらく問題はないと思われますが、可能なら表示されている培養土をお勧めします。
肥料が入ってるか
培養土の品質表示欄に肥料が入っていることが記載されていれば、植え付け時に元肥を混ぜなくても良いので便利です。ただ培養土によって肥料の効果期間が異なりますので、効果期間が終われば速効性肥料や緩効性肥料を与えましょう。効果期間が短いものもありますが、品質が悪いというものではありません。
効果期間を見て追肥する時期を確認しましょう。
肥料が入っていない用土であれば、元肥を混ぜてから植え付けてください。
酸度調整済みのもの
植物はpH5.5~pH6.5程度の弱酸性の土を好みます。販売されている培養土はこの範囲の弱酸性に調整されているものが多いはずですので、表示を確かめて購入するようにしてください。
ただ植物によってはアルカリ性の土壌で生育するものと、酸性の土壌で生育するものがあります。育てたい植物によって酸度が異なる場合がありますので、その時は植物に合わせた酸度の培養土を選ぶか、土壌改良剤を混ぜておお使いください。
重さ
いろいろな培養土を持ってみると同じ容量でも重く感じるものや軽く感じるものがありますが、一般的に植物の生育に良いとされる土の重さは1Lにつき400g~600gだといわれています。
例えば10L入りの培養土なら5kg前後のものを選ぶのが良いと思います。しかし秤を持って歩くわけにもいきませんので、目安を覚えておいて極端に重い土や軽い土を選ばなければ大丈夫です。
粒の大きさとカビなどをチェック
培養土の袋の一部が透明になってるようであれば、その部分から入っている土の状態を見ることができると思います。じっと見て土の粒のサイズが均一かどうか確認してください。粒がまちまちの場合はあまり良い土ではありません。
大きい粒が混じっていると根の馴染みが悪くなり、逆に細かいと微塵が混じっている可能性もあって根腐れを起こしやすくなります。土にカビや苔が生えていないかも確認してから購入するようにしてくださいね。
価格が極端に安いもの
品質の良い培養土と、低価格の培養土で植えた場合を比較すると、植物の生育が異なることがあります。
やはりそれなりの価格の培養土には質の良い原料が使われていますので、安いからという理由で購入してしまうと成長に影響を与えてしまうことになりますのでご注意ください。
私自身、ホームセンターでお安い培養土を購入して夏に花を咲かせる植物を植えたことがあったのですが、まーーーーーったく育ちませんでした。それ以来、低価格のものは避けています。
購入した培養土のチェック
家に持って帰ったあとは直に土を触って確かめてみましょう。
また完熟堆肥を使用した良い土はにおいをあまり感じません。もしアンモニア臭だとかカビ臭があるのでしたらあまり良い土ではありません。
いろいろと書きましたが、もしあまり良い土ではないなと感じたら培養土を改良することで使えるようになりますのでお試しください。
改良について
- 肥料を含まない培養土の場合:培養土に元肥を混ぜましょう。
- 重い培養土の場合:培養土に軽石を混ぜてみましょう。
- 軽すぎる培養土の場合:培養土に赤玉土を適量混ぜてから使います。
- 水はけが悪い培養土の場合:培養土に腐葉土を適量混ぜます。
上記の方法で培養土の改良ができます。
しかし問題はカビの生えた培養土です。カビが生えた培養土で植物を育てると、植物が病気になってしまうことがありますので殺菌消毒をしましょう。
カビの生えた培養土の消毒方法
晴天の日に培養土を新聞紙やシートなどに広げて、日光でカラカラになるまで乾燥させます。植え付ける前には水を加えて水となじませてから使ってください。
また日光で乾燥させると、カビと一緒に土を活性化させる微生物まで無くなってしまいますので、新しい培養土と混ぜて使うことをお勧めします。
培養土の良し悪しはお分かりいただけたと思いますが、購入時に迷うことがもうひとつあります。
鉢に対しての土の量の目安
鉢にはサイズがあり、一般的に3号から12号あたりが販売されています。標準的な形の鉢で計算した土の量なので、同じ号数でも深さのある鉢は目安以上の土が必要だとお考えください。
鉢の大きさ | 鉢の直径 | 土の量 |
---|---|---|
3号 | 直径9cm | 0.3L |
4号 | 直径12cm | 0.6L |
5号 | 直径15cm | 1.2L |
6号 | 直径18cm | 2.1L |
7号 | 直径21cm | 3.3L |
8号 | 直径24cm | 5.1L |
9号 | 直径27cm | 7.3L |
10号 | 直径30cm | 8.5L |
11号 | 直径33cm | 10L |
12号 | 直径36cm | 14L |
植え付けの際、土は鉢の縁から2~3cmほど下まで入れるようにし、ウォータースペースを作ってください。
プランターや鉢で植物を栽培するとき、鉢の縁ぎりぎりではなく縁から3cmほど下までの高さに用土を入れます。この3cmほどのスペースをウォータースペースといって、水やりをしたときに用土が流れ出ないように水を溜めておく空間です。
質の良い培養土を使って植物をお楽しみください。