夏の花、育てるならどれ?ペチュニアとサフィニアとミリオンベル

パンジーやビオラが盛りを過ぎると夏に向けて育てるための苗が店に並び始めます。ペチュニアやサフィニアもそのひとつです。

ペチュニアとサフィニアは見ると同じような花の形ですが、価格はサフィニアの方が何倍も高い。さてどちらを植えようかと迷う人もいらっしゃるかもしれません。

ペチュニアとサフィニア

ペチュニアは和名をツクバネアサガオ(衝羽根朝顔)といい、ナス科ペチュニア属の多年草ですが、日本では冬越しが難しいため1年草扱いになっています。

ペチュニアとサフィニア

ペチュニアは南アメリカに自生していた花(アキシラリス)がヨーロッパに渡り、品種改良されてできた園芸種です。ただ元来のペチュニアは雨に弱く、日本の気候では育てるのが少しだけ難しいという弱点がありました。そこで日本の気候でも育てやすく丈夫なペチュニアの品種改良が始まり、サントリーと京成バラ園の共同開発により誕生したのがサフィニアです。

サフィニアはペチュニア属の植物ですが、ペチュニア属だから全てがサフィニアというわけではなく、ペチュニア属のうちのひとつの品種としてサフィニアがあります。

ペチュニアは雨に弱いという点がありますので、屋外でも雨が当たるような場所に置くのであればサフィニアが良いでしょうし、軒下であればペチュニアでも問題ないと思います。ただガーデニング初心者の方は、サフィニアのほうが簡単に育てられて大きく育った楽しみを味わえると思います。

はなこ
はなこ

価格もサフィニアのほうが高いですが、1つの苗だけでとても大きくなりますのでお得感があるように感じるかもしれません。



サフィニアやペチュニアの苗を植える

サフィニアを植えるときは、1つの苗なのにこんなに大きい鉢で良いの?と思うくらい余裕のある鉢を選んで下さい。25cm~30cmくらいの鉢を使うのであればサフィニアの苗は1株ペチュニアなら3株程度です。

植え付けるときは土に元肥が混ざっているものを使用するか、混ざっていない土の場合は元肥を混ぜて土作りをします。鉢底ネットを敷き、鉢底石や用土を入れてポットから苗を取り出して植え付けます。植えつけたあとは水を与えましょう。

置き場所

ペチュニアもサフィニアも日当たりの良い場所を好みます。夏に開花する花なので暑さには強いですが、真夏の西日だけは避けることができる場所で育ててください。

また真夏はベランダやコンクリートなどの上に鉢を直接置くと熱が鉢に伝わりますので、プランタースタンドやスノコなどの上に置いてあげるほうが地熱予防になります。

梅雨の時期はプランターや鉢などで移動が可能であれば、雨に当たらないような軒下での管理がいいと思います。特にペチュニアは雨に弱いので、必ず軒下に移動してください。

水やりと肥料

水やりは真夏になるまでは土が乾いてきたらというタイミングでいいのですが、真夏になると朝夕の水やりが必要になるかもしれません。水やりの際は水が花にかからないように注意し、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えてください。

肥料が切れてくると花が付きにくくなりますので、10日に1度程度の割合で液体肥料を与えるようにしましょう。

ペチュニアの苗を植える

全体に花を咲かすために重要なこと

植えたままでなにもせずに育てると、ひょろひょろと伸びた茎になって花数も増えないので摘芯をします。

はなこ
はなこ

摘心というのは伸びてきた枝の先を刈り込むことです。

株が小さい時は先端を摘むだけにし、鉢の周囲にまで増えてきたら鉢の周囲に合わせた場所でカットします。このひと手間で、花の咲く数がグンと増えますので必ず忘れずに摘芯をしましょう。摘心を繰り返すと株そのものにボリュームが出て華やかな鉢植えになってくれます。

花がら摘み

花が咲き終わったあとは、枯れたままにせず花がらを摘みます。花がらをそのままにしておくと、カビの原因になりますし、結実させて株が弱ることになるかもしれませんので、こまめに取ってあげてください。

切り戻し

株元に花が咲かず、先のほうにしか花が付かなくなったら切り戻しをやってみましょう。

切り戻しは鉢の縁に沿って行うのが理想ですが、株元(中心部分)に葉がない状態でしたら、切り戻しても花は咲いてくれません。株元に葉がある段階で切り戻しをすると、またたくさんの花を咲かせてくれます。
はなこ
はなこ

切り戻し時期の目安は、梅雨入りの前と8月中旬~後半の2回です。

ペチュニアやサフィニアを毎年育てたい時の注意点

ペチュニアやサフィニアはナス科の植物なので、毎年同じ土壌で育てると連作障害を起こします。

連作障害とはひとつの植物(作物)を同じ土壌で繰り返して作り続けることで生育不良になることです。ナス科やウリ科、マメ科、アブラナ科に起こります。

地植えでペチュニアやサフィニアを植えたなら、同じ場所には3年程度はナス科でない植物を植えるようにしてください。鉢植えの場合は土を新しくするほうが安心です。



追記:自宅で育てているミリオンベルの生育状態

長い間サフィニアやペチュニアを育てることはなかったのですが、ブログに書いたことで久しぶりに育ててみようと思って、いろいろと苗を見ていたところサフィニアでもペチュニアでもなくミリオンベルという花が目に留まりました。

ペチュニアとミリオンベルの違い

以前はミリオンベルのようなペチュニアに似た形をした小さな花を咲かせるものを「小輪系ペチュニア」のように呼んでいましたが、ペチュニアとは染色体の違いなど異なる部分があるため、サントリーがミリオンベルという名前をつけて販売したのち、植物学上の分類でナス科ペチュニア属からナス科カリブラコア属として独立しました。

ペチュニアの特徴

花は5~6cmと大きめで、花がら摘みが必要です。葉は触るとべとついています。

◆カリブラコアの特徴
花は3~4cmと小さめで可愛く、花がら摘みは不要です。葉を触ってもべとつきません。

2018年8月11日

今回はペチュニアやサフィニアではなく、サントリーの「すぐ楽ミリオンベル、チェリー&バナナ」を植えてみることにしました。3.5号ポット(直径約10cm)の大きさで、ピンクと黄色の2色がひとつに纏まっている苗です。

大きくなることを見越して10号(直径約30cm)の鉢にひとつの苗だけ植えたのが5月5日でした。

植えたときは周りの土が丸見え状態だったのが、水やりと適度な肥料に伸びすぎたところをカットしつつ今に至ります。あまり手もかけなくても順調に成長してくれました。盛夏になってからは、地熱対策のために鉢を直接置かずにスチールワイヤーでできたフラワースタンドの上に置いています。

家のすぐ楽ミリオンベル・チェリー&バナナ

けっこう大きくなったので、どの程度なのかサイズを測ってみました。

大きくなった、すぐ楽ミリオンベル・チェリー&バナナ

大きさは直径約60cmと十分な大きさに育ったようです。夏のガーデニング、ペチュニアやサフィニアのほか、ミリオンベルもお勧めです。

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