各都道府県の花の紹介です。こちらのページは北海道と東北地方のシンボルフラワーです。
北海道の花
ハマナス(浜梨・浜茄子)
ハマナスは北海道でよく見ることができるバラ科の落葉低木です。夏に紅色や白色の花を咲かせ、花の直径は6cmから8cmくらいあり、野生のバラの中で一番大きい花を咲かせます。
漢字では浜茄子や浜梨と書き、花が咲いた後に実ができ、味が酸味のある梨に似ていることからハマナシと呼ばれていたのが訛ってハマナスになったということです。また茄子という字も付きますが、野菜の茄子とは関係はありません。
果実はご存知の人も多いと思いますが、お茶として利用されるローズヒップです。お茶のほかにもジャムにする人も多いようです。ローズヒップの効能は女性に嬉しい美肌効果のほか、抗ウイルスにもなり風邪予防にも効果があります。
ハマナスの花言葉
「美しい悲しみ」「旅の楽しさ」「照り映える容色」「見映えの良さ」「香り豊か」「あなたの魅力にひかれます」
青森県の花
りんごの花(林檎の花)
りんごはとても美味しい果物のひとつです。りんごの花は青森県のシンボルフラワーで、弘前市役所には「りんご課」まであるほど、青森県に密着した植物です。
りんごはバラ科の落葉高木樹で、桜の花が散ったあと桜の花と入れ変わるように花が咲き始め、夏から秋にかけて実が成熟してきます。
りんごの品種は多く、日本国内だけで約2,000種ほどあるといわれていますが、そのうち青森県では約50種を栽培しています。青森県で栽培されているりんごの品種は、つがる、紅玉、ジョナゴールド、早生ふじ、世界一、陸奥、サンふじ、ふじといった赤いりんごのほか、きおう、トキ、シナノゴールド、王林、名月、星の金貨、金星といった黄色いりんごなどです。
2017年の全国のリンゴの生産量は735,200tで、そのうち青森県の生産量は415,900tです。
りんごの花の花言葉
「優先」「好み」「選択」「選ばれた恋」「名声」「誘惑」「最もやさしき女性に」「永久の幸せ」「最も美しい人へ」
岩手県の花
キリの花(桐の花)
岩手県の桐は材木にした時に光沢が美しく、南部の紫桐として知られています。
桐はシソ目キリ科の落葉広葉樹で、良い香りの円錐形の花を初夏に咲かせます。秋になると実を付け、冬から春にかけて実が熟したのち種が中から飛び出します。
桐といえば高級箪笥を思い浮かべますが、桐は軽く湿気を通さず割れないということから桐箪笥として使われてきました。昔は女の子が生まれると庭に桐の木を植えて、婚姻の際にその桐を使って箪笥を作ったということもあったそうです。
杉や檜は40年や50年かけて伐採できるまで成長しますが、桐は15年程度で成木になるため、生まれてから植えても充分間に合ったのでしょうね。
桐の花言葉
「高尚」
宮城県
ミヤギノハギ(宮城野萩)
ミヤギノハギは夏萩ともいい、マメ科の植物で8月から9月にかけて紫紅色の花を咲かせる落葉低木です。
ミヤギノハギの名前は萩の花が宮城県に多く自生していることがあり、歌枕の宮城野の萩から付けられたもので、その風景を表したものです。
ハギにはミヤギノハギのほかにもヤマハギ、シロバナハギ、ツクシハギ、ニシキハギ、マルバハギ、キハギ、メドハギなどの種類があり、少しずつ花や葉の形が異なります。その中でも一番多く自生しているヤマハギは枝があまり下に垂れず、横方向またはまっすぐに伸びますがミヤギノハギの枝は長く垂れ下がります。
ミヤギノハギの花言葉
「ほのかな恋」「物思い」
秋田県の花
ふきのとう(蕗の薹)
春の訪れを告げてくれるふきのとうは、キク科フキ属の多年草の山菜で、花が咲いた後に伸びてきた葉(葉柄)がフキで、フキの蕾の部分がふきのとうです。天ぷらにすると美味しいですよね。
しかしふきのとうは蕾の状態の時には食べますが、花が咲いてしまうと食べることは避けられています。毒があるわけではなく、花が咲いてしまったふきのとうは筋があって美味しくないそうですが、細かく刻んで作るふき味噌は花が咲いてからでも食べることができます。
花が終わった後は、まるでタンポポの綿毛に似たふきのとうの綿毛が風に乗って遠くへ飛び、落ちた場所で新しく芽を出してくれます。
ふきのとうの花言葉
「待望」「愛嬌」「真実は一つ」「仲間」
山形県
ベニバナ(紅花)
ベニバナはキク科の1年草または越年草で、昔は末摘花や紅藍などと呼ばれていました。
末摘花といえば源氏物語に登場します。確か末摘花と呼ばれる女性はあまり美しくなかったような記述がありました。彼女の鼻が紅いということから、花が紅い=末摘花と名前をつけたのでしたよね。
山形県では室町時代からベニバナの栽培が行なわれていました。今でもベニバナの栽培や加工品の生産の伝統を守り、なるべく農薬を使わない栽培の技術を指導し、生産振興と需要の拡大に取り組んでいます。
観賞用の切り花のほか、紅色染料や食用のベニバナ油として使われています。
ベニバナの花言葉
「化粧」「装い」「包容力」「特別な人」「愛する力」
福島県
ネモトシャクナゲ(根本石楠花)
ネモトシャクナゲの写真はWikipediaより
ネモトシャクナゲはツツジ科の常緑低木で、別名をヤエハクサンシャクナゲといい、福島県安達太良山や吾妻山に群生しており、国の天然記念物に指定されています。
名前の由来はハクサンシャクナゲの二重花冠種を根本莞爾(ねもとかんじ)先生が発見したことから付けられました。特徴は雄しべが花弁化して八重咲きになっています。
元々シャクナゲは高い山に咲く花で、なかなか取ることができません。そのことから「高嶺の花」という言葉ができたそうです。高嶺の花はシャクナゲだったのですね。
ネモトシャクナゲの花言葉
「荘厳」「威厳」