砂漠のバラと呼ばれるアデニウム。お店で見てもいろいろな種類があり、どれにしようかと迷うこともあるかもしれません。
実はアデニウム選びには最大の分岐点があります。それは「花で選ぶか、幹で選ぶか」です。
アデニウムは、品種によって見どころが大きく異なります。花を楽しみたいなら華やかな「オベスム」、個性的で迫力のある株姿を求めるなら「アラビカム」がおすすめです。 今回はお気に入りのアデニウムを見つけるための選び方のポイントを書こうと思います。
アデニウムについて
自生地の厳しい環境に耐えるため、水分をたっぷりと蓄える幹や根が徳利のようにぷっくりと膨らむ独特のフォルムをしています。そして無骨で個性的な株姿からは想像できないほどの鮮やかで美しい花を咲かせることも魅力のひとつと言えます。
生命力が強く、成長期である春から秋にかけて日光をたっぷり浴びせることで、幹はより太く、花つきも良くなります。寒さには弱いため冬は室内での管理が必要ですが、基本的なポイントさえ押さえれば育てやすいので初心者の方にもお勧めできる塊根植物です。
花を楽しむアデニウム・オベスム

とにかく花が綺麗
デザートローズ(砂漠のバラ)とも呼ばれ、その名の通り美しい花が最大の魅力です。株が小さいうちから花を咲かせやすく、春から秋の開花期には鮮やかなピンクや赤、白などの花を次々と咲かせます。
太く力強い幹と可憐な花の対比が印象的で、十分な日光と温度を確保できれば長期間、花を楽しむことができます。
品種改良が盛んに行われており、単色のシンプルな一重咲きだけでなく、複色カラーやグラデーション、さらにはバラの花と見紛うような八重咲き品種(天空のバラ)まで揃っています。

アデニウム・オベスムを2株育てていますが、本当に綺麗な花が咲きます。
入手しやすく、育成のハードルが低い
ホームセンターや園芸店でも目にする機会が多く、初めてアデニウムを育てる方にとっては親しみやすい品種です。
コーデックスの中には数万円から数十万円する種類のものもありますが、アデニウム・オベスムは実生の小苗なら1,000~3,000円程度、中くらいの見栄えのする株でも3,000~6,000円前後と比較的安価で入手できます。安価でありながら、塊根植物の太い幹と美しい花の両方を楽しめるところが一番の魅力かもしれません。
大株や斑入り品種になると高価になりますが、標準的な株であればコストパフォーマンスがよい塊根植物だと思います。
幹を楽しむアデニウム・アラビカム

太く育つ、圧倒的な造形美
アデニウム・アラビカム最大の魅力は、なんといってもその太く重厚感のある幹姿です。アデニウム・オベスムと近縁ですが、縦に伸びやすいオベスムに比べて、アラビカムは横へと太く肥大しやすい性質を持っており、花よりも株姿そのものの魅力が高く評価されています。
一株ごとに形が異なり、成長とともに幹の表面が銀白色や深く渋い質感へと変化していくため、自然の造形美ともいえる姿を楽しむことができます。
花も開花しますが、オベスムほど花の豪華さを追求する品種ではなく、成長期も休眠期も塊根を楽しむのがアラビカムなのです。
仕立てる楽しみと、樹形を眺める満足感
オベスム同様に育てやすく頑丈ですが、こちらはより「幹の太さ」や「枝ぶり」の美しさを求める愛好家に好まれています。剪定や日光の当たり方を工夫することで自分好みの樹形に仕立てやすく、盆栽のようにじっくりと時間をかけて育て上げる面白さがあります。
流通量はアデニウム・オベスムに比べるとやや少なめですが、実生小苗なら1,500〜3,500円程度から手に入り、こちらも塊根植物の中では比較的挑戦しやすい価格帯です。
幹が丸く仕上がった良株や、独特の枝ぶりを持つ大株になると数万円の値がつくこともありますが、株ごとの個性が際立っているため、自分だけのお気に入りの一鉢を探すのも楽しみのひとつと言えます。

私は「アデニウム・アラビカムの獅子葉(葉がカールする変異種)」を育てています。小ぶりな株ながらそれなりのお値段でしたが、独特の葉姿と太い幹の組み合わせは納得の満足感で、日々成長を眺めるのが楽しみになっています。
アデニウムの育て方はこちらのページをご覧ください。

アラビカムを中心に書いていますが、オベスムも同じです。ただ管理の基本は共通ですが、何を重視して育てるかで日照や仕立ての意識が少し変わってきます。
花重視のオベスムは、花芽をつけるために春から秋の日照量を特にしっかり確保することが重要です。日照不足になると花つきが悪くなります。
幹重視のアラビカムは、徒長して縦に伸びてしまうとアラビカムらしい低くどっしりとした樹形が崩れてしまうため、オベスム以上に風通しと強光に当て、締めて育てる意識がポイントになります。
自分好みのアデニウムを見つけてくださいね。

