この記事は2019年に書いています。
東京オリンピック・パラリンピックまで、あと1年になりました。大変楽しみにしていますが、このうだるような日本の暑さの中での大会、選手や観客の皆さんが体調を壊さないかとも心配もしています。
オリンピックの花
毎回オリンピック・パラリンピックでは選手の皆さんの頑張る姿に感動しています。そして表彰式になるとメダルを取った選手の方々へ拍手しながら、つい目が行くのは、メダルと共に渡される花束です。
オリンピック・パラリンピックで使用する花は、大きく分けて会場装飾と表彰台で渡す花束の2種類で、この内で表彰台で渡す花束をビクトリーブーケ(勝利の花束)といいます。
ビクトリーブーケについて
ビクトリーブーケは勝利の花束ともいい、1984年のロサンゼルス大会から始まったものです。
2019年の大河ドラマ「いだてん」でも描かれている、田畑政治氏が招致した1964年の東京五輪の時も、70mスキージャンプで笠谷選手・金野選手・青地選手の日の丸飛行隊が表彰台を独占し日本中が沸き、アメリカのジャネット・リン選手の可愛らしさに魅了された1972年の札幌五輪の時も、ビクトリーブーケはありませんでした。
長男が小学生の頃、原田選手・船木選手・岡部選手・斉藤選手のスキージャンプに影響されて、教室の机の上だとか後ろの棚の上から男子が順番にジャンプしてK点越えを競ったとされる1998年の長野五輪の時にはビクトリーブーケがあり、その時の花材はアルストロメリアが中心だったと覚えています。
長野県の県花はアルストロメリアではなくリンドウなのですが、実はアルストロメリアの生産量は長野県が全国1位です。そのことからアルストロメリアが使われたのでしょうね。
しかしビクトリーブーケは2014年のソチ五輪を最後に無くなりました。理由として、特にブーケでないといけないという決まりがないことや、開催国の事情であるとか、花が持たないということがあったようで、2016年のリオ五輪ではビクトリーブーケの代わりにメダル立て、記憶に新しい2018年の冬季オリンピック、平昌五輪ではぬいぐるみでした。
ところが2020年の東京オリンピック・パラリンピックでビクトリーブーケが復活するのです。
東京五輪でのビクトリーブーケ
私は日本人の感覚なのか、花屋の感覚なのか、お祝いに花は不可欠なアイテムだと思っていましたので、やはりオリンピック、パラリンピックにはビクトリーブーケが欲しいなという思いを持っていましたが、私のような弱弱…小市民には、それをどうするという力もありませんので、無くなったものは仕方がないと思っていました。
しかし東京五輪に向けて
ビクトリーブーケプロジェクト
というものが始まっているのです!
『東京オリンピックを契機に、国産の花のすばらしさを世界に発信し、生産振興へ繋げる。』という目的で活動を開始しています。
真夏でも持ちの良い花をビクトリーブーケに
東京五輪の開催は2020年7月24日から2020年8月9日、ご存知のように真夏です。
ですから使う花の条件は
- 猛暑に強い花
- 期間中、安定して確保できる花
ということから、菊の花を中心にするブーケになったようです。菊は日本の国花でもありますし、日持ちも良いのでぴったりですね。
さまざまなニュースや記事を読んで、ビクトリーブーケに対する花卉業界の苦労は想像するだけでも大変だったろうと思います。でも日本の花に対する技術や思いを世界に知って欲しいですし、メダリストの方々がブーケを持つ姿を私は見たいです。
2020年東京オリンピック・パラリンピックでの日本のおもてなしの心を込めたビクトリーブーケ、楽しみに待っています。